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リフォーム業者に望むこと

リフォーム業者を選ぶにあたって、いろいろな思いが交錯しました。

おしゃれなデザイン事務所や、匠的な建築家に惹かれはしても、すべてを専門家に丸投げしてしまうのは、何だかつまらない。予算もオーバーするに決まっているし。とはいえ、技術も知識も伴わないのに自力でリフォームするのも怖い。やはり、仕上がりの美しさや安全面をクリアするには、プロに任せた方が堅い。でも、できそうなことはDIYしてみたい。

釈迦に倣い中道を取った私が選んだのは、一般的、且つ大衆的な大手のリフォーム屋さん。つまり、デザイン云々ではなく、質実剛健なリフォームを依頼する客層にニーズのある業者さんでした。

たまたま近所にあったショールームを訪れ、建具のカタログに目を通すと「正直、思ったよりイケてる」と驚いてしまいました。商品には保証が付いていて、安全性や機能性に優れ、その上リーズナブル。色やデザインも少しは選べます(施工後に気付いたのですが、風が吹いてもドアが「バターン!」と派手な音を立てて閉まることはなく、夫婦喧嘩の末、力まかせに閉めても「パタム」と眠るように閉まる)。憧れはあっても、フランスのアンティークドアやら、ドイツ製の蛇口を調達する甲斐性は私にはありません。今は理想を追うよりも、現時点で可能な夢を叶えるべきだと思い、契約書にサインしました。

結論から申し上げますと、業者さんからのインテリアデザイン的なアドバイスは皆無でした。いくらなんでも内装業を手広くやっているのだから「最近、この色の壁紙が人気なんですよ」ぐらいのことはあるかと思っていました。が、それどころか、「トイレ、脱衣所の巾木もビニールにしない」「造り付の下駄箱は撤去する」というこちらの要望を理解してもらうのも大変でした。何を頼んでも、小首を傾げて「えぇ何で?」「はぁ~変わってるな~」という表情をするばかり。なので、かなり早い段階で「何故そうするのか」の説明をやめ、あれやって、これやってと一方的にまくし立て、見積もりを作ってもらうというスタイルで話を進めました。その際、勘違いや間違えを誘発しそうな事項は文書にして渡しておきました(後々これが証拠となり、無料でやり直してもらえました)。

「ウルサイ客」だと判断して頂けたらしく、一般家庭向けではなく、病院やホテル、店舗等で使用する壁紙のサンプルをどっさり貸してくれました。「壁紙張替え6畳目安¥59000」と侮るなかれ、バリエーションもデザインも予想以上で叫びだしそう(叫ばないけど)。満面の笑みで、サンプル帳を抱えて帰りました(実際に持ったのは夫だけど)。


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