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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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記事一覧

てぃくる 1000 千

千の花が咲く 千の花のどれ一つとして 同じものはない 千の花が咲く 全て違う花でも千集まる…

水円 岳
3日前

てぃくる 999 まだかいな

「もうだいぶいろんな木々の葉が開いてるようなんだが。俺らはまだかいな」 「まだだ。俺たち…

水円 岳
5日前
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てぃくる 998 競演

「あなた、わたしと張り合おうっていうの? そのきったない色で?」 「余計なお世話だ。俺は…

水円 岳
8日前
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てぃくる 997 嘘

 がんばって嘘を吐こうとしてみたんだけどさ。  嘘しか吐いたことがないからできないんだ。 …

水円 岳
11日前
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てぃくる 996 役に立たない誘導灯

「普通さあ、誘導灯って、飛行機の進路に沿って並ぶもんじゃないの?」 「しゃあないだろ。俺…

水円 岳
12日前
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てぃくる 995 バターを濡らしてはいけない

「バターを濡らしてはいけないんだよ」 「どうして?」 「バターがバターらしくなくなっちゃう…

水円 岳
2週間前
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てぃくる 994 連れ星

小さな星は 一つだと見つけてもらえない だから たくさん寄り集まって 連れ星になる 連れ星になって 初めてわかる 連れ星の中だと どれが僕かわからない それで いいのかな?  キュウリグサの小さな花。ものすごくいっぱい咲いているんですが、小さな花ゆえにあまり見てもらえません。これだけ集まっても地味なのですから、ましてやその一つでしかないのなら。  たくさんの花の中の一つになった今、自分はどこにいるのかなと。太陽を仰ぎ見る、この頃です。 霞目によく似合うよとかす

てぃくる 993 全然似てない

「なあ。俺、すっごく悩んでるんだ」 「なにに?」 「俺、全然似てないんだよ」 「親に?」 …

水円 岳
2週間前

てぃくる 992 明暗

全き葉なら その下は暗い 欠けているから 光が通る 欠けた分だけ 明るくなる でも 全部…

水円 岳
2週間前

てぃくる 991 食べ方が汚い

「いやあ、確かに食われてなんぼではあるんだけどさ。もうちょっときれいに食えないのかね」 …

水円 岳
3週間前
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てぃくる 990 骨

夏の終わりに 生まれ出で 秋には 月の埃を箒き 秋の終わりに 冬毛を纏う 冬に抗う間に 痩…

水円 岳
3週間前

てぃくる 989 キャラじゃない

「なあ。俺たち、こういうキャラじゃないはずだよな」 「そうだよ。暖か、ふわふわ、しっとり…

水円 岳
4週間前
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てぃくる 988 未だ

花の便りは 聞こえてきたが 俺の花は 未だ夢の中でしか咲かない 残り少ない 去年の栄華が …

水円 岳
1か月前
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てぃくる 987 減らないなあ

「もう正月はとっくに過ぎてるよなあ」 「いつの話をしている。もうすぐ三月だぞ」 「いや、俺たち減らないなあと思ってさ」 「己を安売りしないだけだ」 「でも今はともかく、これからどんどん見た目がぼんぼろりんになっていくよなあ。男前のうちに嫁に行きたいじゃん」 「男が嫁に行ってどうする!」 「まあた、そんな前時代的な価値観に凝り固まってー。だから食ってもらえないんだよー」 「食ってもらえんのはおまえも同じじゃないかっ!」 「ちぇー。紅顔の美男子なのになあ」 「おまえは厚顔