モノを選ぶ上で苦労するもののひとつが帽子である。

とにかくサイズが合わないのだ。

結論から言うと、私の頭はかなり大きい。
大きいのもそうだし、形が帽子向きではない。

それでもニット帽やベレー帽はある程度伸びるので、その気になって探せばサイズもデザインも好きなものに出会えていた。

問題は麦わら帽子だった。

服のジャンル的にも、今持っているものでも、麦わら帽子が絶対に似合うことは長年感じていた。
何なら小学生くらいからずっと憧れだった。

しかし麦わら帽子はサイズが合わないとすごく変な感じがする。
ゆるくてもきつくても、すぐに脱げてしまう。

毎年夏になるとよく試していたのだが、被ってはあわない、を繰り返していた。

今年の6月、はじめてひとりで渋谷へ行った。
前から渋谷ヒカリエに入っているお店の雰囲気が好きで、旅行のたびに訪れていた。お気に入りの場所だ。

そこでたまたま出会ったのが、田中帽子店のポップアップだった。
様々なサイズの麦わら帽子があった。
しかもこのカンカン帽のシンプルなデザイン、探していた通りのものだった。

何個も被って奇跡的にサイズぴったりのものに出会うことが出来た。
少し高価だったが、ずっと使えるスタンダードアイテムなので、惜しまず購入。
とってもとっても嬉しかった。

それからというもの、麦わら帽子に合いそうなコーディネートを組んで東京のまちに繰り出す日々。
チャリのときはバッグに入れて、歩くときには被り直す。
好きな恰好をしているだけですごく楽しいのはいつものことだが、オシャレ上級者感を味わえた。
周りからもかなり好評でうれしかった。

私の服装を見て、よく「ジブリに出てきそうですね！」と言われるのだが、帽子のおかげでさらにジブリ感が増した。
存在がファンタジーになりつつある。

ちなみにその帽子を被ってうきうきで札幌に帰ると、札幌セントラルでも田中帽子店のポップアップをやっていた。
札幌に住んでいてももうちょっと早く出会えていた可能性あったな…と思ったが、「その帽子良いですね！」と言ってくれた人たちに布教する良い機会になったので良し。

（写真はその時の帰省時に、札幌のお隣の、銭函という海の街に行ったときのもの。）