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『スーパーロボット大戦30』の百合で理性と時間を溶かされた

10月28日に『スーパーロボット大戦30』が発売されました。
久しぶりのスパロボ!それもシリーズ30周年記念作品!新規参戦作品に『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』や『SSSS.グリッドマン』、『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』など、個人的に熱い参戦作品ばかりが来たので迷うことなく購入。発売日からプレイを開始。先程クリアしました。
「歴代最大級のボリューム」と「プレイしやすさ」を両立した30周年に相応しい出来っぷりで滅茶苦茶面白く、「とりあえず一周目をクリア」だけでも40時間を超えるぐらいプレイしていたんですが、今作で一番記憶に残っているのは「女主人公と女艦長の百合が尊みに溢れてる」ということでした。

突然現れた百合に轢かれて死んだ

今回の『スパロボ30』で一番驚かされたのは女主人公の「アズ・セインクラウス」と母艦となるドライストレーガーの艦長「ミツバ・グレイヴァレー」の関係性でした。
端的に言えば「好みの百合が展開された」ということなんですが、アズの戦う理由は「ミツバがいるから」、ミツバが戦う理由は「アズがいるから」に設定したのみならず、そのままの勢いで最後まで駆け抜けていくのは反則ではないでしょうか。二人とも関係性がほぼほぼ出来上がって、「二人だけの空間なら名前で呼び合える世界」を構築出来るレベルの関係性を積み上げられると、百合を愛してやまない人種としては心の昂りを「狂ってしまう」の文字に込めざるを得ないのですよ。

プレイを開始した当初は、そこまでの関係性ではなかったんですよ。
アズも「成り行きでロボットに乗り込んだことで自分の力に向き合わざるを得なくなった家出少女」だし、ミツバも「成り行きで艦長になってしまった士官学校の学生」なので、運命共同体だから会話はあるものの、それほど特別な関係性ではなかった。
ただアレですね。武器の追加イベント、ならびに後継機への移行イベントがあまりにも「アズとミツバの関係性」を特別なものにしてしまった。
セリフで説明せざるを得ないところはあるんですが、二人とも自分の戦う理由を「あの子がいるから」と言ってしまったので「そういう関係性」にしか見えなくなったというか。
またアズの場合、出自が出自なだけに「ミツバのために戦う」が重いんですよね。自分の力や出自を肯定できるようになる理由が「ミツバ」ですから。そしてそのアズの設定面から来る重さを受け止めてしまうミツバもミツバで凄いというか。包容力というより共依存めいているので……興奮しちゃうんですよね。こういうの、好きなので。

終盤のあるイベントを経ることで二人の関係性がより進んだものになるのも素晴らしかったですね。
「黒幕」と言える存在からミツバを解き放つ際に名前を呼び捨てで呼ぶ。それ自体は良いんですが、後から「二人きりの時はそう呼んでほしい」みたいなセリフまで見れるとは。ご褒美みたいなものですよ、このゲーム……。

また個人的にはレイノルド・ハーディンが途中から「女主人公と艦長を狙っているのでは?」疑惑が浮上してからの「二人を見守る男」へのジョブチェンジっぷりや、最終盤でのカールレウムの「二人と一緒に暮らす大型犬っぷり」もよかったです。
スパロボで味わった百合を最高の味付けにしてくれる最高の男キャラ二人でした。ありがとう赤羽根健治、ありがとう中村悠一。

ところでイベントで選ばなかった男主人公が加入するんだけど、私の加入タイミングが後継機入手後だったので「知らないうちに妹が大人になってた」になってて、めっちゃ面白かったです。

「あと一ミッション」で時間が溶けていく

ついでにゲームシステムの話をしておきますと、今回の『スパロボ30』はプレイヤーが任意にミッションを選択して進めていく形式が採用されました。
これによりキャラの加入や強化などの大半が任意選択になり、シナリオも加入状況に応じて変動するようになったのですが、一番大きかったのは「一ミッション辺りが軽くなった」ということ。
これまでのスパロボシリーズでは「一話から順番にクリアしていく」という関係上、一つのステージの中に複数の版権作品のエピソードが詰め込まれがちで、「スパロボが好き」というだけで消化しきれない重さを感じることがしばしばありました。
今回の『スパロボ30』は、僅かなキーミッション以外は「好きにクリアしてほしい」というスタイルなので、「一つのステージに幾つもの物語を詰め込む」ではなく「一つのステージに原則として一つの物語」という形式になったので、終盤でも重くない。「もう終わり?」と感じるミッションも多かったぐらい、「一ミッション辺りは軽いゲーム」で、快適にプレイできたんですが、おかげで「あと一ミッションだけやろう」で延々とやり続けることに。
「好きなキャラをとことんまで強く出来る」という仕様はそのままなのもそこに拍車をかけましたね。とにかく女主人公のアズを強化しまくってたら、クリア時のプレイ時間が50時間ぐらいになっていて、アズはもう弄るところがないぐらい強いキャラになってました。あと艦長も強くなってました。

結びに

その他としては『SSSS.グリッドマン』が性能面でもキャラクターの扱いにおいても滅茶苦茶優遇されていて、使えるタイミングはわずかだけど「最終回のアレが見られる」とか、『勇者警察ジェイデッカー』は『ガオガイガー』における勇者ロボの枠なので双方の絡みが非常に良いとか、エル君の原作より使われてる気がする転生者設定っぷりとかが面白かったです。
また『コードギアス復活のルルーシュ』は実質二話ぐらいしかないんですけど、「ここまで再現するんだ」というぐらい気合の入ったミッション内容になっているし、『ガンダムNT』は「この世界の悲劇的な部分を象徴する存在」として準主人公ぐらいの立ち位置で活躍するのもよかったですね。シャアはカミーユに殴られたぐらいで満足しないでほしい。ゾルタン達にも殴られろ。

『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』は基本的に皆強めの設定ですが、レッドファイブが何回にも渡って強化されますし、戦闘アニメも優遇されてるので、気になってる方はおすすめしておきます。
フルバーストモードのアニメーション、滅茶苦茶気合入ってますよ。

概ね書きたいことはそんな感じです。
来週から『サクラ大戦』が追加されるっぽいので、それから二週目を始めていきたいですね(最低三週はできそう)。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。