麻雀におけるゲームメイキング

麻雀は加点を競い合うゲームではありません。

オーラス終了時にいかに点棒を持っているかを競い合うゲームです。

よって点数状況や残り局数状況から考え、その目標を達成するために、「アガリに向かう」「ベタオリする」のどちらかだけではない動きをした方が良いケースがあり得ます。

つまり「他家の鳴きをアシストする」「他家に牌を絞る」「他家にわざと差し込む」といったプレイで、他家の動きを操り、自分にとって得な展開に持ち込む(→ゲームメイクする)ということです。

これらの技術は上級者向けのテクニックとして知られます。

なぜ上級者向けのテクニックなのか少し考えてみましょう。

他家にアシストする、他家に牌を絞る、差し込む、のような具体的な動き自体はそこまで難しいものではありません。

あえて語弊を恐れずに言えば、例えば染め手に絞るなら対象の色や字牌を切らないようにすればよいですし、タンヤオ相手ならなるべくタンヤオ牌を切らなければよいです。アシストするならその逆ですし、差し込むなら危険牌を切るということになります。

それよりは、「今自分のアガリ率を下げてまで絞るべきか?」「今の自分の手を捨ててアシストにいくべきか?」という状況判断が難しいのだと思います。

絞り、アシスト、差し込みのような動き自体よりも、それをすべきかどうかの判断が難しいのです

ゲームメイクプレイイングすべき局面を判断する

ではどんな場面ではゲームメイクプレイング(=絞り、アシスト、差し込みのこと)をすべきかというと、点棒状況が最終着順に影響を与えやすい場面です。

具体的には、

・オーラスに近い場面

・トビ寸前の他家がいる場合

になります。

オーラスまでいってのゲーム終了であれトビによる終了であれ、ゲーム終了が近くにつれ、最終期待着順がより明確になります。その分着順操作のためのゲームメイクプレイングが重要になります。

また、ゲームメイクプレイングをするために重要になるのは

・その局が終わった時の点数状況を想像する

・他家の動き方を想像する

以上の2つです。

例えば、以下の状況を考えてみましょう。

オーラス

東家:25100点

南家:24900点

西家:10000点

北家:40000点

オーラスなのでこの局の終了時点がそのまま順位になる可能性が高いです。順位が変わる可能性で高いのは、現状競っている3位の南家がアガって2位になる可能性です。また親被りがあるため、東家以外のツモにより東家は3位に落ちます。

また、東家はマンツモ以上で一撃逆転があり得ます。一撃逆転ではなくても親で連荘ができるので次局に繋げられればそれ以降も逆転可能性があります。

逆に、南家のバイツモ・ハネマン直撃での2着順アップや、西家の逆転は可能性としては低くなります。

これらを踏まえて北家視点で他家の動きを考えてみます。

まず自分の条件として、東家への放銃、南家へのマンガン以上の放銃は避けたいです。これが最悪のパターンで、次点で悪いのが東家のツモあがりです。逆に南家、西家によるアガリ(横移動、ツモ)自体は自分のトップを守れる可能性が高いので望むところです。

自分がアガるのが一番良いですが、自分のアガリ以外でも勝利パターンがある状況です。

東家・南家は打点問わずアガリに来るはずです。西家は高打点を狙う可能性が高いです(収支戦であればラス確定のアガリでもしてくる可能性があります)。

以上のことから、北家は南家がマンガン未満・西家が倍満未満だと確信できた場合、アシスト・差し込みを考えることができます。※ただし天鳳では西家への12000放銃はサドンデス続行なので除く。

特に起こりやすいのは南家がマンガン未満で仕掛けてくるパターンです。

ハネツモ・マンガン直撃条件は一般にかなり難しい部類の条件なので、それであれば今競っている2着確保を優先する可能性が高いからです。

よってこのオーラスは南家の挙動を優先的に観察し、自分のアガリが難しそうな場合は差し込むことも考慮してみましょう。

ゲームメイキングするためにはまずゲーム状況を理解することが第一です。誰がどう動く動機があるのか、その動きの結果としてどのような状況が生まれやすいか、その状況に対して自分ができる最善はなにか(それはアガリに向かう・ベタオリするの二択ではない)をしっかり考えていくことが大切です。









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