みずのほ

物語や詩を書いています|なべてすべてよ、うつくしくあれ

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足跡

(好きな詩を自分なりに訳してみました。誤訳や掲載に問題等があれば教えてください。) ∞ 足跡 マーガレット・フィッシュバック・パワーズ ある夜、わたしは夢をみました。 わたしは神さまと共に渚を歩いていました。 暗い空に、わたしの人生の場面場面が、映し出されていました。 どの場面でも、砂の上に、二人分の足跡があることに、わたしは気づきました。 一つはわたしの足跡であり、もう一つは神さまの足跡でした。 わたしの人生の最後の場面に差しかかったとき、わたしは砂の上の足跡を振り

    • 花の雨

      花の頃ゆくひとに 花の雨の降るように 花の頃ゆかぬひとにも 花の雨は降るでしょう 花の雨の降るときは 門出となるときばかり 受難の日も 復活の日も 降臨の日も 婚姻の日も あなたに 花の雨は降る

      • 人間である

         ガザの惨状には、言葉を失う。目を覆いたくなる。人間とは何か、いのちとは何か、絶望の底から問われるように感じる。  葬られるどころか、覆われもせず野ざらしにされたままの亡骸を、海外のニュースの映像で観て、愕然とした。そのとき、人間が人間であるとは、一つには、死者を弔うことではないか、と思った。  亡骸さえ凌辱し蹂躙すること、されること。人間が人間性を失うこと。それが戦争なのだと、思い知らされる。人間はどれほど地に落ちるのか、落とされるのかと、暗澹とする。  どんな死も尊い。ど

        • あなたへと消えゆくものは すべて愛

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        マガジン

        • 詩集 ことばすくい
          35本
        • 詩集 こころね
          32本

        記事

          アデュー

          こころは ここそこに散り落ちている いのちを懸けて生きたから おもいは おくそこに降りつんでいる ことばにされなかったから 一つずつ 拾い上げ 僅かずつ 掬い上げ 日の目見るよう 天へ掲げる 見よ この美しいものを 空の星ほど 輝けるもの 照らせ この比類なきもの 朝露のごと 妙なるものを

          青のうた

          青色をすきなひとには わるものはいないけど 青色をすきなひとには さみしがりやが多すぎる 青色をすきなひとには さみしがりやが多いけど 青色をすきなひとには さすらいのものばかりです 青のうたは あいのうた 青く青い あいのうた

          もうわたしのなかにしかいないから もうずっと一緒なんだ 一人ひとりの心のなかに降りてきた まるで聖霊降臨のよう

          もうわたしのなかにしかいないから もうずっと一緒なんだ 一人ひとりの心のなかに降りてきた まるで聖霊降臨のよう

          一生ぶんの涙

          ふと この水たまりは わたしの一生ぶんの涙だと思う ならば 全人類の一生ぶんの涙が海か 流れるものは 水も時も星も血も すべて涙だ 世を代を夜を余を 浄めてゆく涙だ

          一生ぶんの涙

          師である高橋巖先生が亡くなりました。 奇しくも、3月30日、シュタイナーの命日と同じ日に。 公式に発表がありましたので、ここにも記します。 高橋先生には感謝しかありません。 先生を、ほんとうに、いまなお、心から敬愛しています。 またいつか、いまのおもいを、言葉にさせてください。

          師である高橋巖先生が亡くなりました。 奇しくも、3月30日、シュタイナーの命日と同じ日に。 公式に発表がありましたので、ここにも記します。 高橋先生には感謝しかありません。 先生を、ほんとうに、いまなお、心から敬愛しています。 またいつか、いまのおもいを、言葉にさせてください。

          黒い犬

          先日、カウンセラーさんから、「生きること自体に疑問を持ち、悩むのも、希死念慮に苦しむのも、人間のほんの数%」と聴いたのだが、ほんとうだろうか? わたしは10代から、ずっと、生きること、そもそも生まれてきたこと自体、疑問であり、苦しみだった。 だからなのだろう。 「わたしのほんとうのお父さんとお母さんは別にいる。早く月へ帰りたい」と思い、『かぐや姫』は、「わたしのための物語」と思って憚らぬ幼少期だった。 親子の葛藤はそれなりにあったとはいえ、両親は、わたしを虐待したり育児

          生きることがとても苦しい。 生活も苦しいが、生きることそのものに喜びがない。 色もない。花もない。 世の美しさに憧れながら空を仰ぎ、己の重みに沈みながら空の底を深くしていく。 わたしはこれまで、なにを学んできたのだろう。

          生きることがとても苦しい。 生活も苦しいが、生きることそのものに喜びがない。 色もない。花もない。 世の美しさに憧れながら空を仰ぎ、己の重みに沈みながら空の底を深くしていく。 わたしはこれまで、なにを学んできたのだろう。

          ほんとうに苦しんでいるひとを救うのは ほんとうに苦しんだひとの言葉よりない

          ほんとうに苦しんでいるひとを救うのは ほんとうに苦しんだひとの言葉よりない

          誕生花②

          この花、わたしの誕生花は、先日、ほんの数日前に、ついに枯れてしまった。 残暑の頃から秋も冬も超えてきたのに、急に色をなくし、しおれた。 いくつも紫色の花をつけていたのに、緑色の葉を伸ばしていたのに。 ひとでも、植物でも、もう尽きたのだ、最期だ、ということは、医学的、生物学的根拠によらなくても、おのずと悟るものだ。 死の覚悟などできないのに、死を悟れてしまう。思えば、不可思議なことだ。 誕生花は、この半年間、廃人同然のわたしの支えだった。 生きているひと、死んでいるひと、問

          愛について

          愛とは何か、愛するとは何か、わからない。 特に、己を愛する、ということが、わからない。 己も、愛も、私の理解など遥かに超えているからだ、と考えることもできるが、その考えは、単なる思考停止である、とも思う。 他者に対しては、決して、全く、思わないことを、自らに対しては思うことがある。 その最たるは、「おまえは死ね」という思いである。 「慈しみ、大切にすることが愛である」と思う。 けれども、自ら、己を慈しむこと。己を大切にすること。 そのことだけが、なぜか、難しい。わから

          愛について

          裏切り者のきせき

          わたしは、裏切り者のユダである。 イスカリオテのユダも同然なのである。 それでも、師は言ったのだ。 「しようとしていることを、今すぐするがよい」と。(ヨハネによる福音書 13:27) しかし、同時に、こうも言われた。 「その人は生まれなかった方が、彼のためによかったであろう」と。(マタイによる福音書 26:24) わたしは、生まれなければ良かった。 己に巣食う悪ゆえ、最愛のひとをも裏切るのだから。 裏切り続けてきたのだから。 そうして、挙げ句には、首を吊って死ぬか、

          裏切り者のきせき

          いのちも たましいも すくってください

          いのちも たましいも すくってください