見出し画像

TOO MUCH MEMORY

スーツケースひとつ抱え僕らはこの町に着いた
それぞれの昨日を引きずりながら
うつむいて手探りでひとつひとつ言葉を交わした
震えてた唇を寄せ合いながら

覚えてる 夏の夜 燃える篝火 花火の音 夕闇の匂い
忘れない 君の横顔 いつまでも此処にはいられない 
それはわかっていたけど

TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
耳の奥に今も君の歌声が残っている
TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
もう少しここで君の隣にいてもいいかい

揺れ動く年月を僕らはこの町で過ごした
いくつもの笑顔に救われながら
顔上げて手探りでひとつひとつ扉を開いた
いくつもの涙を乗り越えながら

覚えてる 冬の朝 肩に舞う雪 白い吐息 故郷の便り
忘れない 君の泣き顔 どこまでも一緒には歩けない 
それはわかっていたけど

TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
胸の奥に今も君の微笑が光っている
TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
もう少しここで君の隣にいてもいいかい

信じてた あの日の約束 急な坂道 触れた指先 掌のぬくもり
忘れない 遠く離れていても 道に迷って歩き疲れたら戻っておいでよ

スーツケースひとつ抱え僕らはこの町を出てゆく
それぞれの明日を夢見ながら
背伸びして手探りでひとつひとつ未来をつかんでく
輝いた思い出を抱きしめながら

忘れない 遠く離れていても
ここで出会って歩いて一緒に迷った大切な日々を
信じてる そして愛している
いつかきっと 同じ笑顔で もいちど会おうよ

TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
耳の奥に今も君の歌声が残っている
TOO MUCH MEMORY, SO HARD TO SAY GOOD BYE
もう少しここで君の隣にいてもいいかい

*スイスで作った別れの曲です。生まれ故郷から遠く離れた地での出会いと別れというストーリーは、当時の歌づくりに共通するモチーフでした。

サビのフレーズ "Too much memory, so hard to say good bye" では、"so"という言葉に「だから」と「とても」の二つの意味を掛けています。和訳すると「思い出が多すぎる、<だから>サヨナラを言うのが<とても>辛い」ということになります。英語版の「掛詞(かけことば)」ですね。

THE BLUE HEARTSの名曲「TOO MUCH PAIN」というバラードがあります。こんな歌詞です。

 はみ出し者たちの遠い夏の伝説が
 廃車置き場で錆びついてらあ
 灰色の夜明けをただ黙って駆け抜けて
 あなたに会いに行けたらなあ

 思い出す 月明かりに濡れた
 人気のない操車場で
 それぞれの痛みを抱いたまま
 僕ら必死でわかり合おうとしてた
 歯軋りをしながら

 あなたの言葉が まるで旋律のように
 頭の中で鳴っている TOO MUCH PAIN

 シチュエーションは違っても、根底に流れる感情は同質のものだと思います。手放しで "Good bye" とは言い切れない、痛みを伴った思い出。だから、とても、サヨナラが辛いのかも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?