見出し画像

【洋楽】サマソニ参戦歴10年超の私が、特に印象深いライブを振り返る①

サマーソニック(以下サマソニ)の第1弾アーティストが先日発表された。

個人的には繁忙期のため昨年の来日公演参加を見送った、OneRepublicの久しぶりのサマソニ出演決定が嬉しい。

彼らは2008年のサマソニに出演している。
炎天下のマリンステージ、それも真昼間の一番太陽が高い時間帯、加えてまだ1stしか発売されていないタイミング。ということで観客の入りはさほどではなかったが、この曲のイントロが聴こえた瞬間、一瞬ひんやりした風が吹いた……気がしたことを今でも覚えている。まあ、暑さで若干頭がやられていたのかもしれないが。

そこから次の来日公演が2017年(この来日公演は私も迷わずチケットを取って参加した)なのだから、実に9年も次の来日まで待たなければならなかった。

洋楽ファンは共感いただけると思うが、このように、洋楽アーティストの来日はそれだけで熱烈なファンからしたら事件みたいなものだし、何より貴重。

非英語圏の極東地域であるここ日本においては、「洋楽(ここで示す"洋楽"にK-POPは含まない)を聴いている」それだけで、ややマニアックな趣味を持つ人として認識されがちだ。私もそうだった。
そんな訳で、現地ではアリーナを埋められる人気を持つアーティストでさえ、日本だと集客が見込めないことも多々ある。ただでさえ距離が遠いのに、折角来たところで稼げないのならわざわざ来日する意味は確かにない。ビジネスですからね。

というわけで、10年以上来日がないとか、来日公演が実現しないまま解散してしまったとか、そのようなことが当たり前のように起きる。日本の洋楽人口の少なさゆえの悲しさだ。
そんな事情があるので、特に洋楽のライブに関しては、私は安易に「次がある」と楽観的になれない。
だからこそ、より一層、ライブの一つひとつが記憶に残るとも言える。
当時を振り返るにつれ「あの時観ておいてよかった」「あのライブは貴重だった」そう思える体験が、私には幾つもある。特にサマソニはこれまで過去10年以上も参戦(参加ではなく、敢えてこの表現をさせていただく)してきただけに、思い入れも大きい。

そんなサマソニの歴代ライブの数々を、完全に前置きが長くなってしまったが(しかもいつにも増して熱苦しい文章…)、個人の主観丸出しかつ順不同で勝手に語っていきたい。
※カッコ内は出演年。

①The Verve(2008)

冒頭に述べたOneRepublicの出演日のヘッドライナーが、このThe Verve

1度目の解散。再結成し生み出された名盤"Urban Hymns"。そして2度目の解散。その後奇跡の再々結成を果たし、オリジナル作をリリース。それらを経た2008年のサマソニでの来日は、改めて振り返るまでもなく、絶好のタイミングだった。

というのも、彼らはこの翌年に3度目の解散をしている。つまり、再々々結成をしない限り、彼らのライブを観る機会は今後間違いなくない。
メッセのDeath Cab For Cutieを最後まで観てからのステージ移動となり、1曲目の"This Is Music"こそ聴き逃したが本当に観てよかった。
文字通り転がるかのようなサイケデリックなグルーヴの"The Rolling People"、絶望と僅かながらの希望が1曲に詰まった"The Drugs Don't Work"も印象的だったが、特に私の記憶に残っているのが、"Bitter Sweet Symphony"のイントロと共に湧き上がる歓声。そしてその熱狂とは対照的に、顔を覆ったままその場から動けないでいる、私の斜め前にいた女性の姿だ。全く面識などないのに、その姿を見て私は勝手に共感し、勝手に涙が出てきたのだった。

②Lady Gaga(2009)

テスト前であっても、修学旅行の日の夜であっても、睡眠第一を徹底してきた私。しかし、2009年のソニックステージ深夜枠のトップバッターとして配置されていたLady Gagaに関しては話は別で、迷わず深夜参戦を決めたのだった。

当時はまだ1stをリリースしたタイミングに過ぎない。興味本位で集まった客も多かったはずだ。
バックの男性ダンサーが大柄ゆえに余計そう見えたというのもあるが、ステージに現れた彼女は想像よりもずっと小柄だった(Wikipediaによると彼女の身長は155cm(!)とのこと)。
しかし、ひとたびライブが始まればその歌声や運動量はパワフルそのもの。今でこそ「強い女性」像を前面に出す女性アーティストは珍しくないが、Lady Gagaは2009年当時からその最前線を地で行っていた。
今振り返っても、あの会場の熱気と一体感はとても深夜枠に出演するアーティストのものとは思えない。
凄いライブを観た。いや、目撃した、と言っても良いのかもしれない。

今や説明不要のビッグアーティストになったLady Gaga。あんな近くで彼女のパフォーマンスを観られる機会はもうないだろう。
ピアノの弾き語りから始まり、最終的には文字通り会場が一つになったラストナンバーの"Poker Face"は、間違いなく私にとってこの年のサマソニのハイライトの一つだった。


本当は1記事でこの倍のアーティスト分を網羅したかったのだが、既にこの段階で2000字を超えている。続きの話はまた次回としたいと思う。

需要があるかどうかはさておき、好きなジャンルの話をするのは楽しいものだ。

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?