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ゲームメモ010:ガンスターヒーローズ(メガドライブ)

ガンスターヒーローズは93年にメガドライブで発売した横スクロールアクションゲーム。
職人集団と呼ばれるデベロッパー「トレジャー」のデビュー作でもある。

PS2や360、3DS,PCなど近代は割と多くのゲーム機に移植されたけど、
スーファミ、メガドラ、PCエンジンの三つ巴の時代はメガドライブオンリーゲームだった。

有名なアニメのキャラではなく
ゲーセンのゲームの移植でもなく
当時誰もが持っている勝利者ゲームハードはスーファミであったのは疑いないが、そのスーファミでは発売しなかった。
時代的には、トルネコの大冒険、ロマサガ2、スト2ターボ、FE紋章の謎、ダビスタ2なんかが世の中を席巻してた頃にメガドラオンリーのハードな横スクロールアクションとしてリリースされた。

ハードな横スクロールアクションというと「ロックマン」が思い出される。
ガンスターヒーローズが出たのは、ロックマン5が出ていて6はもうすぐ。くらいの頃だ。
ロックマンは(スーパーじゃない、初代の方の)ファミコンのゲームであり、この頃、スーパーじゃない方のファミコンはもう(1990年のDQ4とFF3発売 & SFC本体発売 以降徐々に)オワコン化していってた時期だ。
SFC版ロックマンXもまだ出てなかった頃。
横アクション、あんまり流行ってなかった。RPG(じゃなきゃ格ゲー)が流行ってた時期だ。

でも超おもしろかった。

この当時はメガドラ所持のマニア間でのみウケてたって感じだったけど、PS3,360や3DSなんかにたくさん移植された。後年評価されたというべき作品だ。

筆者も夢中になって遊んだ。
他の横アクションと何が違ったのか、どこが面白かったのか、ゲームの要素抽出をしながら考えたい。

ゲームジャンル

ジャンルは横スクロールのアクションシューティング。
似ているゲームは「魂斗羅」「ロックマン」かな。
主人公は銃を持っていて、バリバリ撃ちながら、大量に現れる敵の兵士やメカを倒して進んでいく。

目的

ゲームの目的は現在によみがえった破壊神ゴールデンシルバー(と、その力を利用しようとしている帝国の将軍たち)を倒すこと。
全7ステージ。

ゲームオーバー

ライフ制で、主人公のライフが0になってしまうとゲームオーバー。残機という概念は無く1アウトでゲームオーバーになる。
ただし2人同時プレイと途中参加ができる。
途中参加した場合、それまで遊んでいたプレイヤーのライフを半分分けてもらう形になる。

コンティニュー

無限にコンティニューできるが、やられたステージの最初からの「戻り復活」となる。
セーブやパスワードはなく、電源を切ってしまうと最初からになる。

武器(銃)

ゲームスタート時に、4つの武器(銃弾)から好きなものを1個選ぶ。
主人公の銃は、武器(銃弾)を2個同時に装填することができ、2個装填した場合は2つの銃弾の効果が混ざった攻撃が出る。
すなわち、合計14種類の攻撃を使い分けることができる。

強いけど当てにくいもの、敵を自動追尾するものなど、効果は様々。何を使うかで難易度もかなり変わる。
好みで選ぶも良し、効率で選ぶも良し。

体術

銃による攻撃の他、様々な体術を使用できる。
とくに「投げ」ができることと、「スライディング」で多段ヒット攻撃ができることが、このゲームを爽快にした理由の一つだと考える。
【投げ】
敵の側で攻撃ボタン。方向キーを入れた方向に投げる。人型の兵隊だけじゃなくて、ある程度デカめのメカ敵を投げることが出来たりして気持ちいい。
敵が飛ばしてくる爆弾を投げ返すことも可能。
一部の飛行能力のある中ボスには投げが効かないなどのアクセントも。

【スライディング】
方向キー斜め下+ジャンプボタンでスライディング。キックで敵にダメージを与えられる。どちらかというと回避運動ではなくキック攻撃として使うことが多い。
スライディングキックが当たっている間、ズドドドドと連続でヒットしてダメージを与え続ける。

【ショルダータックル】
いわゆる「斬影拳コマンド」で突進体当たり的な、ショルダータックルが出せる。スライディングと同じく連続でヒットする。
スライディングよりも少し出すのが難しいが、威力や当たり判定が少し強かった気がする。木箱などの、壊せる障害物を壊すのに活躍する。

【三角跳び】
画面端に向かってジャンプし、端との接触時にキー入れジャンプで三角跳び。
これでないと飛び越せない(これをうまく出せば飛び越せる)ボスの攻撃もたまにある。

【ハイジャンプ】
キー上入れジャンプで通常より少し高く跳ぶハイジャンプ。

【ジャンプ攻撃(フライングクロスチョップ)】
ジャンプ中に再度ジャンプを押すと、フライングクロスチョップが出せる。
これを出すと着地まで出たままになる。
スライディングやタックルと同じく連続ヒットする。
あとクロスチョップが出た瞬間、一瞬だけ無敵になる(気がする。要検証)
ボス戦など硬い敵に対して有効な場面が少なくない。活用したい技。
ちなみにマイキャラをブルーにすると、チョップでなくジャンプキックになる。

【ぶら下がり+蹴上がり】
ジャンプした際にキー上を入れっぱなしにしておくと、頭上にある足場に捕まってぶら下がり状態になる(もちろん、頭上に足場があればだけど)
それと足場の上に乗ってるときに、キー下+ジャンプで、足元にぶら下がることもできる。
ぶら下がり中に方向キー左右で雲梯のように移動ができるほか、ショットを撃つこともできる。
ぶら下がり中にキー上+ジャンプで、今つかまってる足場に蹴上がりで上ることができる。
ぶら下がりと蹴上がりのモーション中は(キックの)攻撃判定がある。あと発生時に一瞬だけ無敵になる(なってるはず?)。
なので敵が来るのをぶら下がって待って、敵が近づいてきたら蹴上がり。という戦法が取れる箇所がある。

【ガード】
B+Cボタン同時押しでガード。ガード中は受けるダメージが半分になる。
でも結構避ける手段がたくさん用意されてるので、そんなに使う場面は無かったかも?

【パンチ】
ごく一部だけだが銃が使えないシチュエーションが発生することがある。
その時は攻撃ボタンを押すとパンチが出る。
まあその場面では投げを使うことが多いので、あんまり活躍することは無かったかな。

フレンドリーファイア

本ゲームは2人同時プレイが可能。
仲間同士の銃撃やパンチは、もう一方のプレイヤーに当たることは無い。すり抜ける。
スライディングやタックル、蹴上がりなども当たらない。
しかし投げだけは判定があり、「仲間を投げる」ことができる。
投げられても吹っ飛ぶだけで、投げによるダメージは受けない。
投げられた仲間がほかの敵などに当たるとダメージを与えることができる。
敵が投げてきた爆弾を投げ返した場合、その爆風がもう一方のプレイヤーに当たってしまうことはある。

キャラクター選択

「レッド」と「ブルー」の2名から選択可能。
性能の違いは
レッド:銃を撃ちながら移動できる。
ブルー:銃を撃ちながら移動できない。
…というだけだ。
これだけ見るとレッド一択じゃんと思うかもしれないが、本ゲームは「方向キーを入れた方に射撃ができる」仕様となっている。上や下、斜めの方向に銃が撃てるのだ。
レッドの場合、斜め上や斜め下に硬いボス敵がいる場合、撃ちながら自身が移動してしまうために攻撃が当てにくい。下に撃とうとするとしゃがんでしまう
ブルーは攻撃が当たる場所に陣取ってしまえば、上だろうが下だろうが攻撃を当て続けることができる。立ったまま銃を下に向けて射撃を継続できる。ただし射撃中に敵の弾が飛んできて、しゃがまなきゃ!とういう時は、撃つのをやめないとしゃがめない。
道中はレッド有利。ボスはブルー有利。という印象を受ける。
ただ、誘導弾系の武器を使えばレッドでボスに射撃し続けることもできるので、初心者はレッドの方が遊びやすいと思う。
1P2P双方が好きな方を選択でき、同キャラプレイも可能。

ステージ選択

全7ステージ中、最初の4ステージはプレイヤーが何処から攻略するかを選択可能。ロックマンのような感じだ。
4つのステージをすべてクリアすると後半戦となり、5,6,7ステージを順にプレイすることとなる。

ステージのギミック

ステージごとに趣向が凝らされており、同じアクションシューティングのゲームでありながら遊び心地が異なる、飽きのこないものとなっている。
ステージ1:
オーソドックスな横スクロールステージ。
ステージ2:
強制スクロールの中をバイクのような不思議な乗り物に乗って進む。
ジャンプ中にジャンプを押すと重力が反転し天井に張り付く
ボスは様々な形態にチェンジする「セブンフォース」
ステージ3:
離陸する巨大戦艦に飛び乗り、甲板上での戦闘。
ラストは暴れる小型飛行機の羽の上でのバトルとなる。
ステージ4:
すごろく要塞と銘打ったステージ。サイコロを(投げで)振り、出た目のマスにいる中ボスを撃破しながら進んでいく。
ボス戦の部屋は床に様々な色がついており、ボスがサイコロを振って移動。踏んだ床の色に応じた攻撃をしてくる。
ステージ5:
さらわれたイエローを助け出せ!
帝国兵たちが山盛り登場。総力をかけて邪魔してくる、長い長いステージ。
回復アイテムがたくさんとれる裏技がある。
ステージ6:
ゴールデンシルバーの力の源である「秘石」をもって月に飛び立ってしまった帝国の戦艦を、小型宇宙艇で追いかけろ!
このステージはシューティングゲームになっている。
ステージ7:
帝国軍の幹部、そしてゴールデンシルバーとの対決!
帝国軍の指令室に巨大モニターがあり、映された映像の中に主人公がいる。というユニークな視点でゲームが進行。
文字やボイスによる会話は無いのだけど、指令室にいる幹部が1人ずつ部屋から出ていき、モニター内の主人公の前に立ちふさがる!という演出が無声喜劇みたいで面白いw

難易度

難易度は高めだと思う。
ただ、どんな場面も割と明確に攻略法があり、それを見出してしまえばそこまで難しくない(それを全く知らないで戦うと難しい)という感じ。
「難しいゲーム」とされているものの中では「易しいほう」なのではないかなと思う。

「心地よさ」に溢れている

純粋にゲームとして、プレイの心地よさに溢れたゲームだ。
ストーリーがいいとか、声優がいいとかそういう要素は皆無である。

撃っても気持ちいい。
投げても気持ちいい。
スライディングしても気持ちいい。
爆弾投げ返して気持ちいい。
武器パワーアップして気持ちいい。
敵の攻撃をうまく躱して気持ちいい。

気持ちいいのだ。

やれることが「ちょっと」多い ⇒ 嬉しさに繋がる

操作でやれることが、同時代・同系統のアクションゲームと比較して「ちょっとだけ多い」のもポイントだと思う。
「ちょっとだけ」なのが大事だったと思う。
最初はわー覚えきれんわ。って一瞬思うんだけど、割とすぐに覚えられる絶妙な量だと思う。

覚えて出せるようになって嬉しい。
(出すと、強いので)敵を倒せて嬉しい。
(活用するとボスを楽に倒せる場面が割と多いため)勝てなかったボスに勝てて、先に進めて嬉しい。

操作で出せる要素が無駄に多いけどどれもあんまり使えない。というものではこの感覚は出せなかったであろう。
技の性能と、それが有効なボスキャラのロジック、両方が練られていると感じる。
難易度としては易しくなく、ゲーマー向きの難易度だから、なおさら先に行けると嬉しい気持ちになる。

良くないなと思った点

イマイチだったなと感じたポイントも少しあげとく。
【自分が死んだときの演出】
トレジャーのゲームって死に演出が淡泊なゲーム多いよね。
マリオが死んで「アワワワ‥‥てれっててれってれ~」と下に落ちるようなああいうやつ。
これが希薄。ちょっとだけあるけど、ほぼSEだけなんだよね。
会社的にこだわりがあってそうしてるのかもだけど。

【ライフの表示がメーターじゃなくて数字】
自分のライフ(ボスもだが)が数字フォントで表示されてる。
フォントが小さくて老人の目にはつらいものがあるw

【ストーリーテリングが薄味】
オープニングは結構長尺でかっこいいのだけど、物語はあんまり詳しく語られない。よくいえば「想像の余地がある」ともいえるけど。
イエローやブラウン博士、あとグリーンをはじめとした敵とのやり取りをもう少し見たかったなと思う。(GBAで出た続編では多少見れた)

最後に

スーファミとRPGが大全盛だった当時にメガドラオンリーで難易度の高い横スクロールアクションだった。という点から、知る人ぞ知る的なタイトルになってしまった。
…という印象だ。
でもゲームの面白さは当時スーファミで出てたゲームに引けを取らないばかりか、超えてるものも少なくないくらいのレベルだったと思う。
近年(PS3、360の世代以降)になって移植もたくさんされた。数百円で遊べるのでアクション好きで未経験の人は是非触ってほしい。

[B] で ぬけます.