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ゲームメモ002:SIFU 師父(PS5)

PS5で「SIFU」をプレイ。

一番やさしいモードでラストまでプレイした。
クリア時の主人公の年齢は47歳だった。

カンフー映画をうまいことゲーム化してる

昔ながらのカンフー映画を見たことがあるだろうか。
ジャッキーチェンの酔拳とかでもいいし、
ジャッキーの作品でなくても、少林寺拳法のやつとかでもいい。

プレイヤーの親とか師匠が、敵の強い師範とか、ボス格の敵に殺される。
その時は自分は非力で仇が打てず、やられて屈辱を味わうが殺されはせず生き延びる。
修行を積み強くなり、いざ復讐に立ち上がる!
敵道場の師範たちをみんな倒し、最後に父の仇を討つ。
終劇!

というやつだ。
だいたいどれを見ても、概ねこの流れは踏襲されているはず。
このSIFUは、これがいい感じにゲームになっている。

雰囲気すごくいい

上記の通り、このゲームのいいところはカンフー映画の主人公になりきれるところ。
ゲーム自体は割と一本道というか、オープンワールド的なマップとか探索的な要素はほとんどなく、先へ先へ進んでいき、出てくる人は全員敵なので全部倒し、ステージ最後にボスがいるので倒す。全5ステージとシンプルな構成。
その中にカンフー映画のテイストがギュッと濃縮されている。
カットシーンや物語の説明、キャラの背景や心情描写なんかは正直、少ないなって思う位なんだけど、コレクション要素を集めることで少し補完されたりして想像の余地というか余韻があってこれもまたいい。

「残機」のシステムに光るアイデア

昔のアクションゲームに特に多かった「残機」システム。
最近ではこれが嫌われて前時代的なものであるという扱いをされるようになった。
Wiiのスーパーマリオではルイージに代わりにクリアしてもらうことが依頼できるようになり、Switchのスーパーマリオでは残機の概念が無く、死んだらコインが減るだけで何度でも生き返れるようになった。

デメリット無しで何回でも生き返れて誰でもクリアできますよ安心ですよ。
というゲームは、私個人としてははっきり言って糞そのものだと思う。
そういうのが好きな人、そういうのじゃないとやれないという人は今すぐそのアクションゲームを駿河屋に売り、余生はノベルゲーとソシャゲだけやって、あとは映画観てマンガ読んで過ごした方がいい人生を送れる。

とはいえ強烈な難易度でコンティニューできないです。死んだら最初からです。死んだらセーブが消えます。みたいなのはさすがにつれえな。というのも理解はできる。

この「SIFU」では
・死んでもその場で生き返れる(所持している不思議なお守りのおかげ)
・ただしその際、「加齢」する。
というユニークな味付けがされている。

加齢すると攻撃力が上がっていく(老練な技の使い手になっていく、的なアレかな?)のだけど、体力は下がっていく。
お守りの効果があるのは70歳までで、70過ぎで倒されるとゲームオーバー。
主人公はゲームスタート時20歳。
一番易しい難易度ではいつ死んでも1歳ずつしか加齢しないので、「残機が50機いる」のに近い状態となる。
※ちなみに、ほかの難易度でプレイすると「死んだときに何歳加齢するか?」というパラメータがある。その値は死にまくると徐々に上がっていくが敵を倒しまくると下がっていく。加齢の仕方が一定ではなくなることを補足しておく。

私は冒頭で述べたように、易しい難易度において47歳でゲームをクリアできた。
最後の方はもうファイナルファイトで連コインしているかのような、1機で敵のHP1ドットでも削れればいいやみたいなゴリ押しで進めていたw

ゲームの途中でプレイヤーを強くすることができる要素がしばしば登場するのだけど、そこで「若返り」を選ぶこともできる。何回か選んだと思うので実際にはもうちょっとたくさん死んだことになる。

そんなに劇的な変更じゃなくて、既存の「残機」のシステムにちょっとした味付けと、世界観付けをしただけなのに。とても新鮮に見えて、これは面白かった。
主人公の見た目がだんだん老けていくのも面白い。
過去のゲームだとPSPの「プリニー」とかも、残機の扱い方がユニークだったね。

UIや操作方法など微妙に説明が足りないが、それも味かも

ゲーム中に表示されるUIは少なめでシンプル。
戦っている最中は自分や敵の「体力ゲージ」と「体勢ゲージ(疲労度ゲージ?)」のようなものが表示されている。

体力ゲージは言わずもがな、0になると死ぬメーターだ。
体勢ゲージは攻撃を命中させたり防御させると少しずつ増えて行って、満タンになるとガードブレイク・スタンになるというもの。ゴースト・オブ・ツシマにも似たようなのあったな。

ポーズ中の画面に技の出し方などの説明がある。

また前項で少し触れたが、マップ内に主人公を強化できるポイントが点在しており、そのポイントを調べると能力強化と新たなスキル習得ができる。ポイントは一回調べると無くなるので何をもらうかは慎重に考える必要がある。

これらのUIに関して、シンプルな内容ではあるのだけど見やすいというほどではなく、強化やスキルは何を消費して手に入れるのか、獲得するにあたり他に条件があるのか?とかそういった情報が(微妙に)分かりにくい。想像はできるんだけどね。

ポーズボタンからの技表も、存在することの説明は多分されなくて、押してみて自分で何が書いてあるのか読んで勉強しなきゃいけない。
強化画面のUIも何周か試行錯誤してみて、どの項目にどれほどの効果があるのか、取得したら何が変わるのかを体で覚えないといけない。

まだ幼い子供の時分に、師でもある実の父を殺されてしまった主人公。
そういったことを教わることがないまま大人になったため、わからないのは当然なのだ。
自分一人で独学でなんでも覚えて強くならないといけない。。。という世界観には則っていると思う。思うが…

初プレイから完璧に誘導されて最適な選択肢を選んでグッドエンドに辿り着きたいな。と思っている人は少しイラっとすると思う。
まあ全5ステージのベルトスクロール(と言ったら言い過ぎだけど、ベルスク的アクション)なので、多少失敗したらもう一回最初からやりゃいい。というくらいのスタンスで楽しんだ方がいい。

アクションは”ストレス系”

敵の攻撃をジャストガードで返すことが主な戦い方になる。
「たくさんの敵をいっぺんに相手するカンフーアクション」と聞いて、北斗の拳とか無双みたいな ”俺様の超すごい必殺拳で、道に生えてる草みたいに棒立ちのザコ兵士たちをバッサバッサなぎ倒して超気持ちいいぜヒャッハー!”…みたいなのを想像してると肩透かしを食う。

言っちゃうと、結構ムズカシイ。

こちらの出せる打撃には弱攻撃と強攻撃があり、弱の方が素早い攻撃が出せるのだけど、弱なら必ずヒットするということは無く、敵は結構しっかりガードを固めてくる。
敵の出してきた攻撃をこちらがガードする、または返し(ジャストなタイミングでガード)を成功させると、敵に大きな隙ができて連撃が叩き込める。

敵の体勢ゲージをいっぱいにしてガードブレイク状態になったら、その瞬間に〇ボタンと△ボタン同時押しすると、必殺技(カンフー的にハイハイハイイィッ!と連打したうえで首ボキィ、みたいなの)を自動で出してくれて、敵は死ぬ。

この必殺技で敵を倒すフィーチャーは気持ちいい。
道具を使ったり、壁などに頭を押し付けつつ体に致命傷を負わせる強烈な当て身を食らわせたり、環境を使ったカンフーぽい技がバンバン出るのは楽しい。

体勢ゲージをチクチク上げていかなくても、返しに成功するとガードブレイク状態にできるみたい。
また棒や刀などの武器を拾って攻撃することも可能で。鉄パイプと刀はガードされづらい(ように感じた)のと、威力が強いので特におすすめ。

逆に、ガードブレイクを使いこなさないと、ザコ敵もけっこうしっかりガードしてくるので、なかなか敵に勝てない。
雑魚くらい攻撃ボタン連打でオラオラっと倒させてくれた方が気持ちいいのになぁ。
「ベヨネッタ」なんかはそんな感じじゃなかった?

ガード崩せない時の救済策?として、L2ボタンを長押しして敵を注視し(注視している間は画面全体がスローモーションになる)、スキのある場所に確実に攻撃を叩き込む「フォーカス技」がある。フォーカス技はガードされたり返されたりすることが無く、必ずヒットする(ように思った)。
フォーカス技を当ててよろけた敵に継続して攻撃をする。という事もできる。
しかし専用のゲージを消費する。ゲージは敵を倒していくと回復するけど、連発はできない。

上段・下段の概念も一部の技には存在する。
上段の横斬りをしゃがんで躱した後は確反。
下段の足払いを小ジャンプで躱したら確反。…みたいなのだ。
ただ、自分が上下の攻撃を出し分けて相手のガードを揺さぶる。という感じはあまりなく、敵の中でヤリそうな奴(ごろつきとかじゃなくて武道の達人っぽい奴)が下段技とかを出してくるので、それは単にガードだと喰らっちゃうからガードボタン押しながら左スティック上を入力して小ジャンプでよけないとダメ。みたいな使われ方をする。
慣れれば行けるのだろうけど、動体視力やパターン暗記力の衰えたおっさんには厳しいw
特に後半のボスはやばかった。

主人公キャラは年齢が上がるたびに技が研ぎ澄まされ強くなっていったが、現実のプレイヤーである私は全然そんなことは無いようだw

もうちょっと強くなってみたいな、もうちょっとコレクション要素を集めたいな。(トロフィー文章より推測)ラスボス戦分岐あるのかな?…といった気持ちをほのかに抱いたまま、ひとますは「終劇」としたく思う。

[B] で ぬけます.