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独断 2022年5月

本当に日本人は政治体制、法治の意味などを、全くと言っていいほど知らない。国内法という仕組みについて知らないのだから、もちろん国際法についても知らない。「Democracy」を「民主主義」と、「United Nations」を「国際連合」と言っている時点で、もうだめ。これは単に「政治音痴」と揶揄できるような次元ではない。何のために学校で「政治」を教えているのか。

「国内法」については知らなくても、ただ自分が国家から命令されて搾取されるだけだから、まだ良い。しかし国際法はそうはいかない。場合によっては合法的に人権もなくなり、国家そのものすらなくなる。知らないではすまされない。

現在の戦争について、某国が「義勇兵」を募っていたが、その某国は「傭兵禁止条約」を批准しているから「義勇兵」の募集は「国際法違反」である。国際法に違反してリクルートされた兵は、果たして正規軍と見なされるか?

戦争そのものは国際法上「合法」である。ただし何をしても「合法」な訳ではなく、国際法に定められた範囲での行動が強制される。正規軍の指揮下になければ戦闘行為をしてはならず、先の「義勇兵」は戦時国際法違反の可能性が高い。また正規軍の指揮下にない戦闘行為に対しては「ジュネーブ条約」が適用されず、その人権は保護されない。つまり「義勇兵」は非人道的な取り扱いをされても一切文句は言えないし、非人道扱いそのものが「合法」とされる。恐ろしいのだ。

また、「エネルギー・食糧の禁輸」や当事国への「武器や金銭的援助」は慣習的に戦闘行為とされる。だから国際法上、日本は既にこの戦争に参加しているとの解釈もできる。国際法を知らないことは、本当に恐ろしいのだ。

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