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タイの政治経済について難しいことを書いています。

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素人によるタイの政治経済についてのまとめです。自分の備忘目的にて、有料マガジン設定しておりますが全くオススメしません。
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2016年11月の記事一覧

【タイ】タイの農業政策の今後

【タイ】タイの農業政策の今後

連載「【タイ】コメ担保融資制度の政治利用の経緯と今後の行方」(全5回)の最終回では、今まで述べて来た過去の経緯を踏まえ、国際商品市場相場への影響も考慮の上、他国の農業政策とも比較しながら、今後のタイの農業政策の方向性について考察する。

 世界各国の農業政策をみると、対象となる作物や、財政支出の規模の違いはあっても、政策の変遷のプロセスには一定のパターンが存在している。よって、タイの農業政策の今後

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【タイ】コメ担保融資制度を巡る政治的扱い

【タイ】コメ担保融資制度を巡る政治的扱い

連載「【タイ】コメ担保融資制度の政治利用の経緯と今後の行方」(全5回)の第4回では、今日現在、軍政下において、同制度がタイにおいて政治的にどのような扱いを受けているのかを2014年5月のクーデター前後から現在までの報道資料をベースに明らかにする。

1.インラック政権下での混乱 2011年8月に発足したインラック政権は選挙公約として掲げた大衆迎合策を実施し、最低賃金の大幅値上げ(全国一律300バー

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【タイ】コメを巡るタイの農業補助政策の政治利用の功罪

【タイ】コメを巡るタイの農業補助政策の政治利用の功罪

連載「【タイ】コメ担保融資制度の政治利用の経緯と今後の行方」(全5回)の第3回では、コメに関するタイの農業補助政策が、いつごろからタクシン派による政治利用に繋がって来たのか、その変質の経緯を振り返るとともに、その功罪を検証する。

1.コメに関するタイの農業補助政策の変質 タイの農業補助政策が性質的に大きく変化し始めたのは、タクシン・シナワット元警察中佐(当時)が率いるタイ愛国党(พรรคไทยร

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【タイ】コメの流通の仕組みについて

【タイ】コメの流通の仕組みについて

連載「【タイ】コメ担保融資制度の政治利用の経緯と今後の行方」(全5回)の第2回では、タイのコメの流通の仕組みについて触れる。

 タイのコメ担保融資制度を理解する上での前提条件となるのが、タイのコメのサプライチェーンに対する理解である。

 日本人にも「タイ米」の名で馴染みがあるように、タイはコメの一大産地であり、タイの国内需要以上に余剰生産されたコメが盛んに輸出されている。

タイの国土面積は日

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【タイ】新国王即位の見通しについて(2016/11/29更新)

【タイ】新国王即位の見通しについて(2016/11/29更新)

2016/11/29の午前、NLA(立法議会)が招集され、ワチラーロンコーン皇太子による国王(ラーマ10世)への就任を承認(acknowledge)、LNA議長により宣言(proclaim)された。2007年憲法上に規定されたプロセスに沿った手続きであり、宣言(proclamation)はタイ時間で11:20に出されたが、宣言から3分後にはBangkok Postが予定稿をウェブサイト上に挙げた。

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