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スラム西成

こんばんは。シャイニングわんらぶ、水谷です。

僕らは社会人コンビで、お互い普段は芸人ではなく別の仕事をしておりますが、僕はここ数年はずっと配達員をしています。

今配達しているエリアが、大阪のスラム街と呼ばれる西成区で配達をしていますが、今日はその話を少し。

大阪に住んでる人はわかると思うけれど、昔から西成区と言えば本当にいいイメージはひとつもなく、とにかく治安が悪い。

ここ数年で政府から手を加えられ多少綺麗になったものの、如何せん元が元なので景観もやはり褒められたものでは無い。

勿論、昔から地主として住んでいる人達もいるし、持家がそこにあったり親族の都合等で致し方なくそこに住んでいる人や、一部地域に綺麗なマンションがあったりもするので、まともな人がいないという訳では無いけれど、それでも住民は変わった人、厄介な人が多い。

治安悪いことで有名なせいだろうが、平均して家賃は隣接区域より遥かに安いため、とにかく金がない人種が住み着きやすく、総体的に益々治安が悪くなる、そんな地域だ。

西成区で財布を落とそうものなら高確率で帰ってこないし、鍵付きの自転車を放置しようものなら次の日には無くなっている。

そんな地域で、毎日毎日宅配便の荷物を届けていると、ふと思うことがある。

「僕は本当に合法なものだけを運べているのだろうか??」

西成区では今でも日常的に非合法ドラッグの売買が路上で行われていることもある。

配達先には怪しい転売ヤーも無数にあり、へんな外国人や、不自然な金持ち、急に声を荒らげる情緒不安定な人間等、かつて配達していた西宮市や池田市では見ることなど無かった人間が無数にいる中で、毎日毎日無数の荷物を運ばされていると思うと、疑わずにはいられないのだ。

かといって、僕達配達員はそれらの荷物を確認することを許されるわけが無いので、どれだけ怪しい荷物があったとしても届けるしかないのだ。

(昔大麻で捕まった先輩の部屋と同じ匂いがしたな……)
とか思いつつ、見て見ぬふりをしながら配達を続けている。


そんな西成区だけれど、良い事もそれなりにある。

商店街がまだ元気な事だ。

昔から住んでいる地元民も割と多いため、商店街にある店の半分ほどはチェーンに客を取られずまだ息をしている。

年齢層が高めなのか、ブティックやバーバーといった昭和のお店がまだ元気に経営をしている。

建物も、まぁ多分お金が無いのだろうが昭和の雰囲気を残したまま、改装もされず古臭くも味のある建物が多くあり、そういった社会の教科書から飛び出てきたような街並みはここでしか見られないのかもしれない。

時代がうつり変わって令和の昨今では、便利に代わり失ったものはいくつもあるけれど、この街には沢山のものを捨ててここに来た人と、沢山のものを捨てられずにここにいる人たちが混じっているような気がしている。

そんなスラム街、西成区。

ごめんね、僕は好きになれないけれど、きっと君のことが好きな人は沢山いるよ。

多分。

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