某月某日

（ベトナムから見て）外国人がベトナムに会社をつくるためにはIRCと呼ばれる投資ライセンスが必要になる。

この投資ライセンスを取得しないとベトナムの法人に投資して株主になれないからだと自分は理解しているが詳しくは間違っているかもしれない。

ともあれまずはIRCを取得し、その後ベトナムで事業を営むためのERCというライセンスを取得してようやく会社の登記が完了となる。

本日、S社長からIRCライセンスが取得できたと連絡があって、ひとまずホッとしたのであった。

S社長から送られてきたIRCをスキャンしたPDFをみるとIRCはベトナム語で書かれた5ページほどの文章であった。各ページに偉い人の印鑑が押されている。

ここから１ヶ月弱でERCライセンスを取得する準備をS社長が始めることになった。IRCがないとERCの申請はできないのである。
ERCライセンス取得の瞬間から会社がスタートするため、もしライセンス取得が月末に近いと、すぐさまその月の会計の〆日がやってきてしまう。
法人の銀行口座はERCライセンスがないと作れないため、銀行口座もないのに会計の〆日と給与計算・支払い日がやってきてしまうという恐ろしいことが起こるため、月の前半にERCライセンスが降りるようなタイミングを見計らってS社長は申請をするようである。

このようにベトナムで法人登記は思っていたよりも遥かに複雑でプロセスを熟知した経験者にしか不可能なのである。

以前フィンランドの起業文化・エコシステムを紹介するイベントに登壇させていただいたことがあった。そのときフィンランド大使館商務部の方がフィンランドはネットだけで簡単に登記申請ができてすぐに登記が完了すると言っていて、なんてすごい国なんだと思った。
それに比べると印鑑作成からはじまる日本の登記プロセスはなんて面倒くさいんだろうと思ったが、ベトナムに比べたら日本の登記手続きは遥かに簡単だった。。

続く

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