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ウルトラマン第15話 / 「恐怖の宇宙線」を見ました。 #ウルトラサブスク

100文字短評

ウルトラマンが子供に超イヤがれる異色回。ウルトラマン&科特隊VS怪獣ガヴァドンというのは見せかけで、本質は、遊びが大好きな子供VS子供心を忘れてしまった大人と言った所かな。ガヴァドンA可愛い。

小学生のムシバは「白いオタマジャクシ」のような怪獣ガヴァドンの絵を描いて、クラスメートから失笑を買った。大きな絵ならば見栄えも良いかもしれないと、ムシバは資材置き場の土管に大きくガヴァドンを描く。翌朝、なんと巨大なガヴァドンが出現!特殊な宇宙線と太陽光線が融合し、ムシバの絵が実体化したのだ!

監督:実相寺昭雄

出演:黒部進

出演:桜井浩子

出演:小林昭二

出演:石井伊吉

出演:二瓶正也

特殊技術:高野宏一

脚本:佐々木守

(C)円谷プロ

ウルトラマン第15話 / 「恐怖の宇宙線」 TSUBURAYA IMAGINATION
より)
 

感想

音楽怪獣ベートベン登場!(嘘)

今回登場する怪獣は音楽怪獣ベートベン……というのは大嘘で、昭和とは思えない異様な可愛さを持った萌え萌え怪獣、もとい二次元怪獣ガヴァドン君です。

なんでも変わった宇宙線だか放射線だかが地球に降り注いで、二次元の物が三次元になるという(怪)現象が起きてこの世に現れた怪獣です。

……科学的にどうなんだ、それ!とか言う細かいツッコミは野暮、無粋というものでしょう。

あれですよ、あれ。
力太郎とかこんび太郎とか垢太郎みたいなことなんですよ。

『力太郎』というのは岩手県の昔話で、じいちゃんとばあちゃんが自分のこんび、つまり「垢」を集めて固めて人形を作ってみたら、その人形に何故か生命が芽生えて、立派な人間になりましたとか言う、恐ろしく汚い人造人間物語です。
だけども、これを真に受けて、自分の「垢」で人形を作る人なんていない訳でして。

宇宙線で実体化だの、放射能で突然変異して超人化とか怪獣化とか言うネタも、昔から一部で「科学的ではない」「ありえない」とか毛嫌いされる訳でありますが、物語を作るために適当にでっち上げた、その場限りの"説明"を真に受けたり、議論しちゃうのがおかしくて、無粋じゃないかなと私は思いますね。
変にリアルティって奴をフィクションに持ち込んでしまった弊害もあるとは思いますが…。
……あ、話が逸れているなぁ。

たくさんの土管が置いてある時代を感じるカット

今回は、ムシバというあだ名の少年が土管に怪獣の落書きを描こうとする所から物語が始まります。
……土管って落書きがあると、品質やら材質やらに何か致命的な影響があるとも思えないですし、バンクシー辺りが落書きをして下さったら途端に手のひらを返すのが我々大人という哀れな生き物ですが、子どもたちの落書きを見付けたおじさんは当たり前ですが、超激怒です。(まぁ上司に叱られるのもあるかもですしねぇ。)

昭和とは思えない謎の萌え度

ムシバたち少年が描いた落書きガヴァドンは、上記の特殊な宇宙線を浴びた結果、三次元世界に出現します。
このガヴァドンAの可愛いことなんの
そしてこの怪獣がすることはただ寝るだけという。
デザインだけじゃなく、性格まで萌えを極めているとか、ガヴァドンって平成や令和の人間がタイムトラベルして制作陣にネタを吹き込んできたんじゃないですか。

撃て!撃て!("怖い大人"のムラマツキャップ

子どもたちがお遊びで生み出した怪獣ガヴァドンはただ寝ているだけだというのに、無慈悲に攻撃を加えていく科特隊。
どこか鬼気迫る視線のムラマツキャップ、これは子供たちの願いを踏みにじる怪獣、"大人"といった所でしょうか。

ただ寝ているだけの怪獣を全力で包囲する戦車部隊
歩兵まで総動員である

怪獣ガヴァドンは、まるで遊び疲れた子供が全力で昼寝するかのように、ただ寝ているだけだったのに、科特隊と防衛軍は全力でこれを包囲して攻撃の機会をうかがいます。

この対比はまさに、遊びが大好きな子供と、子供心を忘れてしまってただ目先の仕事に追われる我々大人という構図にも思えます。

怪獣ガヴァドンとウルトラマンの最後の戦いも、子供の夢を踏みにじる大人の側にウルトラマンが立ってしまうという構図のため、子どもたちからは大ブーイングです。
子どもたちから盛大に嫌われるウルトラマンというのは前代未聞で、非常に面白かったので、ぜひともツブイマでご確認下さい。

心が真っ暗になるムラマツキャップ

怪獣ガヴァドンによる公害(騒音。つまり、いびきである)もあり、最終的に怪獣ガヴァドンは、ウルトラマンの手によって宇宙に運ばれることで、科特隊の今回のお仕事は完了…地球に平和が戻る訳ですが、上記画像のこの残酷なオチにはやはりムラマツキャップに同情を覚えずにはいられません……。

総評

ウルトラマン第15話 / 「恐怖の宇宙線」、ウルトラマンが子供たちから「帰れよー」「やめてくれよー」「殺さないでよー」と大ブーイングを食らう前代未聞の回でした。
ウルトラマンと科特隊が怪獣ガヴァドンと戦うというのは表象、見せかけで、本質は、遊びが大好きな子供VS子供心を忘れてしまった大人と言う、かなり深いお話だと思います。
それにしてもガヴァドンAって可愛いなぁ。
あ、昔のニッポンはあんなにたくさん土管を作って、その辺に置いといたんですから、子供たちから何か落書きをされた土管が今も地中に埋まっていたりして……。


本日のお気に入りの台詞

「あ、ウルトラマンだ。お願い帰って!やめてくれよー!帰ってよー!」

「あ、ウルトラマンだ。お願い帰って!やめてくれよー!帰ってよー!」

★布教

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