――その沼のぷろ（オタク）を全員
黙らせるものを描&書こうとすると
ぼくの亡き父のように狂うんで、
ガタガタ云ってくる奴は全て敵で
敵の云う事は無視して良いと思おうと
ケツイしたいいおしりのひ――

彼にとって世界一の存在だった実兄に
車のタイヤはカーブで歪むもんだと教えられたのが
父の狂気の始まりだったようです。
作品に取り掛かる為の勉強と写真量は
強迫神経症的だった。
エビデンスがどうのって今
猫も杓子も騒ぎますけど、
ネットどころかコンピューターも無い
そんな言葉を学者しか知らない頃から
彼は資料を集めまくり写真を撮りまくり
全てを保管しまくってました。

今考えると哀れな程
自縄自縛ガチガチだったのですね。
たぶん突っ込まれるのが怖くて
ファンタジーを出せない人だった。
大好きだった筈なのに。
スター・ウォーズもガンダムも
プラモ作る程度には好きだった筈なのに。
発泡スチロールで1㍍超えの
（たぶんオリジナルの）
宇宙船を作るくらいだったのに。
俺の宇宙では音が鳴るって言葉を
あの頃に彼が聞いてたら、
まちっと面白いもん残してくれただろうなーと思うのでした。

胃の半分を切除した手術の最中に
麻酔が覚めて
天井の鏡みたいなのに写った
己の腹部ご開帳を見てから
尖端恐怖症になったと云ってましたが、
これ↓を描いたのはそのあとだったのでしょうかね。
（ぼくは何故か父が入院していた時期を
リアタイも今も知らないのです。
かわった家族でしょう？）

ぼくが子どもの頃、
法事で彼が彼のおばに
ちょんのこがとなじられて
初めて己の出自に疑問を持ったようでしたが、
その事件がダビデの眠る日を描いた
後なのか前なのかが
今のぼくがちょっと興味ある事です。
スーパーバイキングに再収録する時に
ダビデの眠る日の金本を金剛に変更したのは何故なのか
この「日和りやがって」という怒りを
今度こそ哀れみに変えられるかもしれないので。
従弟がくれたスーパーバイキングを読んで、
ぼくは物凄くがっかりしたのです。
ぼくが子どもの頃に出たものは
雑誌の切り抜き含めて
ぼくが名古屋へ一度帰った時
（彼がぼくと彼の母からの仕送りを
彼の母経由で受けて
鷺の世話に必死だったらしい頃）に
全て盗み見て履修済で、
スーパーバイキングは取材過程は見ていたけれど
作品は彼が死ぬまで知らなったのです。
追悼本で言及してくださったかたがおられますが、
金本といえばどういう出自なのか一目瞭然で、それが良かったのに！
日和った事も新しい命名もダブルでダサくて
心の底からがっかりしたものです。
納得いく説明がほしい。
ま、説明よりも
とっとと輪廻解脱してくれたほうが
嬉しいですけど。

父としては最悪でしたけど、
作家としては推しなのです。
虐待されてた昔から
知らん間に死なれてた今でも。
（いい推しの日だそうで語ってみたなどと供述しており）