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工藤吉生の短歌まとめ・第三十期【2018年10-12月】15首

工藤吉生の短歌まとめ・第三十期
【2018年10-12月】15首


▼この時期の主な出来事
「うた新聞」10月号にエッセイ掲載。
診断メーカー「きょうの短歌」作成。
「ヘタンカコンテスト」投稿。




〈1〉
赤くてもいいよサッカーボールなら寄ってたかって蹴るまでのこと

〈2〉
レバンドフスキを徹底マークしろ クドウヨシオは相手にするな

〈3〉
引っ張られながらも走る攻撃のこういうふうでなければならぬ

〈4〉
転ばされ手を上げ叫ぶ大声のこういうふうでなきゃいかんのか

〈5〉
ブーイング あいつもどうせコネだろと名無しさんから言われてるかも

〈6〉
九千円たしかにあって受け取ってけれどもごまかされてる感じ

〈7〉
トラックに「男乃道」と書いてあるオレと関係なさそうな道

〈8〉
電線にとまるだなんてできる気がしない スズメに生まれたくない

〈9〉
天空の城に住んだらゴミのような人を見下ろし泣く日もあろう

〈10〉
霊になり歩く自分と仮定して暮れた地面に空を見上げる

〈11〉
眼球のない目でこっちをにらんでるマネキンのコートもう秋だねえ

〈12〉
玉ねぎが十キロ入っている箱を持ち上げるときこころはひとつ

〈13〉
クイズ出しブーとかピンポン言っている中学生の男の背中

〈14〉
看護士のピンクの肩を見てすぎて午後の散歩の六割おわり

〈15〉
ムフゝゝな 感じになつた オンナのコが いたけどフラれたりけり だから戻ってきた紅葉(さだめ)のごとし またヨロシクな




〈1-5〉「未来」10月号
〈6-10〉「未来」11月号
〈11-14〉「未来」12月号
〈15〉ヘタンカコンテスト


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