#12 せめて音くらいは

志望校に無事合格した長女と通信制高校で2年生になれた長男に、AirPods Proをプレゼントした。

家人には内緒。音のもたらす精神的効能に関心が薄いからね。

私は金銭管理が下手だし貯金も投資も不得手で、だいたいいつもそこそこの返済を抱えてるし、うちは夫婦共稼ぎの割にはエンゲル係数が高いから(ワイン代)、決してお気楽な贈り物ではない。

でも。

思春期の頃、音楽がどれほどの威力を持つか。どれだけその不安定で脆い心と身体を支えてくれるか。
歌詞や歌い手そのものも大きいだろう。でも今は音質や没入感というものがある。

そういうの、特に好きな子たちだし。
私のAirPods Proずっと欲しがってたし。

これからも周囲の大人は理不尽な否定をするだろうし、友人達とだっていろいろあるだろう。部活の先輩ともめたり先生にムカつくこともあるだろう。

誰とも話したくない時、あなたたちに寄り添ってくれるのはきっと音楽だ。

私に出来ることは、寄り添い時に励まし包んでくれるものを提供することくらい。
感覚を刺激してくれる機器とコンテンツ視聴くらいだ。

せめてもの。

思春期を経験したひとりの大人としての、贈り物。

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