家父長制PI

家父長制はパターナリズム(paternalism)ともいわれる。父と子の関係にしばしば見られるような、他者の利益を名目に他者の行動に強制的に干渉しようとする考え方のこと[3]。父親が小さな子供のために、よかれと思って子供の意向をあまり聞かずに意思決定することから来ている[4]。
(「家父長制」Wikipedia 最終更新 2019年4月30日 (火) 13:52)

日本には家父長制PI(=主任研究員、ラボ長)が本当に多いと思う。家中(ラボ)では労働者の権利もなければ、賃労働という資本主義社会の大前提すら否定される。「女性PIの研究室の方が上手くいっている」のは「女性はきめ細やかな気配りが得意だから」なんかじゃなく、この有害な男性性を発動しないからだろう。

また、「女性比率が上がらないのは女性の能力不足」というのはいわゆる自己実現的予言だ。「女性は能力が低いので、ポストは与えられない」と上層部の家父長的男性集団が“予言”する。すると、ポストに就ける女性は少なくなる。それを見て「ほらポストに就ける女性は少ない」「女性に能力がないだけだ」という。

これを女性差別といい、これを是正するためにあるのが女性限定公募等のアファーマティブアクションだが、正直焼け石に水だと思う。向こう2世代くらいは、女性差別解消には全然追いつかないだろう。マチルダ効果の影響の方が余程強いし、経路依存性(これまで辿ってきた女性差別の数々やそれが人の価値観に与えてきた影響が大きいので人々の考え方が中々変わらないということ)はそう簡単に拭えない。

女性差別解消のための微々たる女性限定公募を男性差別と言ってる人達には是非安心して欲しい。特にこの日本においては、根深い女性差別からは到底脱し得ないし、相変わらず高い下駄を履き続けているのは男性のほうなので、少なくとも向こう十数年は心配ご無用だろう…。

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