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1度は失敗した100mileを2年後に完走して『愚か者』になった話「ギア編」

2017年、初めての100mile、そして初めての海外レース(トレイルランニングでは)として挑戦したレースがGrand Raid Reunion。
~Le Diagonale des Fous~フランス語で『愚か者の対角線』と呼ばれる100mile。完走者は愚か者として讃えられる。
2017年に完走して愚か者になるはずだったのだが、様々なアクシデントに見舞われ完走できずに幕を閉じた。
それから2年、100mileレース完走、そして愚か者になるまでのお話し。

■レース必携品

大会HPに記載されている必携品は以下

 –ライト(予備バッテリーを含む)
 –サバイバルブランケット(1.4m×2m以上のサイズ)
 –水(1ℓ以上)
 –包帯または粘着性バンド(2.5m×6〜8cm幅)×2個
 –行動食
 –レインジャケット
 –長袖の防寒ウェア
 –給水用コップ
 –身分証明書(海外エントリーの場合はパスポート)

ロングレースの割に必携品が少ないのがこのレースの特徴。
参加者の半数以上がフランス人(レユニオン島からの参加者もかなり多い)のため、家族がサポートに入っている場合が多い。
必要最低限の装備を選手は自分で持ち、サポートエリアごとに必要になったアイテムを入れ替えるというのが大半の選手のスタイルだ。
日本から、家族・仲間と一緒にここまで来たが、サポートなんて贅沢なものはない。つまりレースが始まれば自分1人でゴールまで生きてたどり着く必要があり、もともと荷物多めの私はさらに荷物を積むこととなった。

■レース中に携帯していた物

–ライト
・LED LENSER H8R(ヘッドライト)
・GENTOS 閃(ハンドライト)
・予備電池(ヘッドライト用×2、ハンドライト用×1)
–サバイバルブランケット(1.4m×2m以上のサイズ)
–水(0.5ℓ×3本、うち2本に水を入れ、1本は予備でザックに詰め込む)
–包帯または粘着性バンド(2.5m×6〜8cm幅)×2個
–エマージェンシーキッド
・傷パワーパッド(大)×2枚
・コンタクトレンズ×2セット
・消毒綿×5
・滅菌ガーゼ×3
–行動食
・ジェル×15本
・ベスパハイパー×3本
・果汁グミ×2袋
–レインジャケット
・NeoShell Jacket(Answer4)
–レインパンツ(必携品ではなかったが寒くなった場合を考え必携)
・NeoShell Pant(Answer4)
–長袖の防寒ウェア
・PowerGrid(TM) Full-Zip Foodie
–手ぬぐい
–給水用コップ
–身分証明書(海外エントリーの場合はパスポート)

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今回の装備を選択する際に1番迷ったのが長袖の防寒ウェア
2年前のこのレースの印象は『暑い』だった。昼夜問わずとにかく暑くて、夜の時間帯も半袖で行動することができていた。よって2017年の長袖の防寒ウェアはソフトシェルを必携していた。
しかし、今年はレース2日前に現地に到着したのだが、夜になると涼しい。宿は海に近いため、標高は0mに限りなく近い。今回のレースプランでは標高の高いエリアを夜に抜ける予定だったので、パワーグリッド フーディを必携することにした。
この選択が大正解で、このレースの核心部とも呼べるエリアでフーディが大活躍をした。

■ドロップバックに入れた物

ドロップバックは2つ(ゴール後の受け取り荷物を含めると3つ)預けることができる。サポートのない人にとってのドロップバックは愛おしい存在。
何を入れておくかも大事なポイントとなる。

第1ドロップバック(65㎞地点、Cilaos)

–交換用のライト
–補給食
・ジェル×15本
・エネモチ
・果汁グミ×2袋
・梅シート
–飲み物
・麦茶の粉末
・レッドブル(炭酸大好き!)
–レインウェア上下

65㎞地点のカットオフはスタートから19:45後、18日の夕方だ。
つまり最大限にレースを楽しんだ場合(笑)、あと2晩山の中を彷徨うこととなる。順調に進むことができれば、あと1晩越えればゴールだった。
ここでライトを交換しておけば、交換したてのライトとザックの中の予備電池2本で、光量最大でもおつりがくる計算。
さらに2晩越えた場合や、最悪のケース(遭難とか)を考えても、フル充電の電池が3本あればなんとかなると踏んで、このエリアにライトを入れておいた。
また暑さにやられてあまり飲めなくなることを想定してジェルはとにかく飲みやすい、飲み込めるものを準備。
ここまでに雨が降ってしまった場合を考えて、予備のレインウェアも入れておいた。
第2ドロップバックエリアを越えると低山(高いところで1,000m弱)だったので、仮にここからのセクションで雨が降ったとしても次のドロップバックでは交換しないことを想定していた。

第2ドロップバック(128㎞地点、Savannah)

–歯ブラシ
–予備シューズ
–補給食
・ジェル×15本
好きな味かつ飲みやすいサラサラ目のジェルを準備
・果汁グミ×2袋
・ハイチュウ
–飲み物
・緑茶の粉末
・レッドブル
–食べ物(この場で食べる)
・アルファ米(五目味)
・柿ピー

ロングレースの必需品は何ですか?と聞かれたら間違いなく「歯ブラシ」と答えると思う。
それくらい時間が経過するにつれ、口の中の環境は劣悪になっていくので、今回は後半戦開始前のこのエリアにドロップイン。
雨が降ってしまった場合は、ここでシューズ交換をすることも考えていて、替えのシューズも入れていた。
今回のレース、雨は降らなかったものの、シューズトラブルが起きていて、アキレス腱が腫れていた。ここで交換するか否か。悩んだ結果シューズは交換せずに進んだが、これが今回1番のミスだったのかもしれない。

レース中(ドロップバックを含む)に持っていったものの半分以上を使わずにゴールできたが、自分の力量と経験をもとにこれでもかというくらいに装備は準備をしておくことが大切だと思っている。
「ない」よりは「あっても使わない」が良い。
レースにより必要なものも変わるが、どんなレースでもだいたいこれくらいの装備は持っていることが多い。
レース中に自分ではない誰かがトラブルに見舞われていた時も、「何もできない」よりは「何かできる」状態にある方が良い。

◾️装備の選び方

「経験です」
というと乱暴だけど、こればかりは本当に経験による部分が大きく、自分だったらここでこういう行動をするだろうと仮説して装備を選択することが多い。
ちなみに…シューズは試し履きしたものを使うことをおすすめします
最近、めんどくさがりが悪化したため(それだけではないけど)、前日に購入したシューズでレースを走ることが増えた。
これは過去に何度もそのシューズで走っていて、足を入れた瞬間の違和感さえなければ問題ないと判断していたから。
今回も同じ要領で、レースに旅立つ直前に購入したシューズをチョイスした。
多少違和感があっても100kmくらいまでなら誤魔化しが効く
しかし、100kmを越えると途端に誤魔化しが効かなくなったので、違和感を感じないシューズでも試し履きは大切です。

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