1度は失敗した100mileを2年後に完走して『愚か者』になった話「トレーニング編」

2017年、初めての100mile、そして初めての海外レース(トレイルランニングでは)として挑戦したレースがGrand Raid Reunion。
~Le Diagonale des Fous~フランス語で『愚か者の対角線』と呼ばれる100mile。完走者は愚か者として讃えられる。
2017年に完走して愚か者になるはずだったのだが、様々なアクシデントに見舞われ完走できずに幕を閉じた。
それから2年、100mileレース完走、そして愚か者になるまでのお話し。

トレーニング=遊び

まず自分のスタンスから。
『トレーニング』と聞くとなんとなく辛そうなイメージになるので、『遊び』という感覚で動き回っている。
キツくてもなんでも、『遊び』だと思えば、苦痛を感じることもないし、「毎日遊びたい」という気持ちになる。
このマインドセットのおかげで毎日楽しくトレーニングすることができた(とは言えサボることも多いし、毎日計画的にトレーニングということはできていません)

※便宜上『トレーニング』と表記します

海外ロングレースを意識したトレーニング

海外レース(ヨーロッパ圏)で通る山は日本の山となんか違うよね?と感じている。

・登り下りの1回の高低差が大きい
・基本的に標高が高い

大きな違いとして感じたのはこの2つ。
事前に準備をしておけるなら。。。と、ここを重点課題としてトレーニングを組み立てた。
この後にでてきるトレーニングの内容は必ずしも万人に通用するとは思わない。そして生活サイクルの違いなどで実行できるできないもでてくる。けれど自分はこれをやったおかげでちょっとは強くなったなと思うトレーニング。

トレーニングで意識したのは2つだけ

<距離耐性と登攀力の強化>

・距離耐性強化

2017年レユニオンDNFの理由に全く運動ができなかったという背景があった。今思うとパワハラ上司の無理難題に答えつつ、平日はもちろん休みの日もほぼ仕事というストレスフルな環境にいた。まずここを変えよう!と転職(笑)
仕事と生活を充実させられる環境を手に入れ、2ヶ月ほどかけて月間走行距離を徐々伸ばし、3ヶ月目からは月間走行距離を400㎞~500㎞程度まで引き上げた。それを3ヶ月キープした。
これのおかげで、簡単にはへこたれない地足をつくることができた。
ちなみに自分の場合、ロングレースで心が折れそうになる1番の理由は『足裏の痛み』。具合いの悪さとかはまだ耐えられるのだが、足裏の痛みだけはどうしたって耐え難い。。これは距離を踏んで、足そのものを強くするほかないなと思ったのも距離耐性強化の理由となっている。

・登攀力強化

前段でも記載したが、海外レースで通る山と日本の山との違いは登り下りの1回の高低差が大きいこと。
長い登りは人によっては走れるのだろうけど、自分の場合は1回につき1,000m以上のアップダウンが基本みたいなコースを走り続けるのは無理。
歩いて登るスピードを強化して、走らなくてもある程度の速度をキープできるようにしようと考え2つのトレーニングを実施した。

1)バイクトレーニング
2)高山の縦走

1)バイクトレーニング

平日気軽に山に行けたワンダフル高尾ライフから、結婚を機にいつでも皇居を走ることのできるワクワク都会ライフへと変わったのだが、週末しか山に入る機会がなくなったため、それに代わるトレーニングを探していた。
そこでおススメされたのが『バイクトレーニング』。山に行かなくても似たような負荷を与えることができるし、なんなら走るよりもキツいトレーニングができるので、自宅にスピニングバイクを設置。

■インターバルトレーニング

目安は1分間に50回転回せる重さ。
この重さで2分×10セット(レスト2分)
この時意識するのは踏み込み。通常のバイクトレーニングだと引き上げを意識したペダリングなのだが、山の登りを意識した場合、踏み込みを意識して太ももの内側に効くようにする。
もちろん心臓もキツいが、踏み込むパワーがつく。

■中強度持続トレーニング

なんていうトレーニング名称なのかは不明ですがw
60回転を目安に30分〜60分。ただただ回し続ける。
20分くらいすると足がもげそうになってきて、40分くらいからは感覚がなくなってくる。60分達成すると、白くなれる。
トレイルの長い長い登りって、なんかこの足の疲れ方に似ていて、とにかく耐えるためのトレーニング。

目立ったことは何もなく、ただこの2つとつなぎのゆるゆるサイクルを続けただけ。でも、足の回転は良くなるし、足の筋持久力も上がるし、心肺機能も上がる。さらには精神的にもキツいので、2,000mアップくらいなら苦痛も何もなく登ることができるようになった。

2)高山の縦走

単純に縦走が楽しいからというのが1番の理由になってしまうけど、1回の登り下りで1,000mほどを繰り返し取れる山脈で1〜2泊の高速・長時間縦走
重要なのは『高速』『長時間』であること。
荷物が重いので走ることはあまりできないけど、ロングレースで使える速く歩くことの練習なので走ることはできなくても気にしない。そして長時間動き続けることで、レースに必要な体力も同時に付けてしまおうという作戦。
今年は新穂高〜雲ノ平〜五色ヶ原〜室堂を2泊3日で行ったりと充実の縦走だった。(これについては別途掲載予定)

海外の山に対応するためのトレーニングはこんな感じ。むしろこれだけ。。。
これを2年間でおおまかな練習時期も決めて行った。

■1月~5月:距離耐性強化
■6月~9月:登攀力強化
10月~12月は本命レース後なので、そこまで追い込まず

緻密なデータ分析もしなければ、練習計画もあやふやだけど、気負わなくても日々のトレーニングは確実に自分の体にしみこんでいるものなんだと思った2019年のレユニオンでした。

これにてレユニオンのあれやこれは全て終了。

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