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1度は失敗した100mileを2年後に完走して『愚か者』になった話「レースプラン編」

2017年、初めての100mile、そして初めての海外レース(トレイルランニングでは)として挑戦したレースがGrand Raid Reunion。
~Le Diagonale des Fous~フランス語で『愚か者の対角線』と呼ばれる100mile。完走者は愚か者として讃えられる。
2017年に完走して愚か者になるはずだったのだが、様々なアクシデントに見舞われ完走できずに幕を閉じた。
それから2年、100mileレース完走、そして愚か者になるまでのお話し。

■コース図

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■レースプラン

2017年、救急搬送をされ強制終了。「完走したい」「やめたくない」という意志はあったが体がついてこなかった。
この時の結果を振り返り、今回のレースプランに反映した。
タイムチャートの作り方は簡単なもので、大会HPから区間ごとの「距離、獲得標高」から登山用のコースタイムを算出。現在の自分の走力からコースタイムとの割合を出し、目標タイムを割り出した。参考タイムとして、恐れ多くも丹羽薫選手のタイムと自分のタイム(2017年出走時)を比較し、戦略も同時に立てた。

【 参考 】コースタイム算出の計算式
{ 登りの累積標高(100m単位)+下りの累積標高(200m単位)+水平距離(km単位) } ÷ 4

■戦略1 スタートはできるだけ前方を陣取る

2017年のスタート位置は中後方。参加者2,000人とすると1,000番あたりでスタートゲートをくぐった。
控えめな位置からのスタート、実はこれがレース展開を左右する1つの要素となっていた。

【 第1エイド、第2エイドでの丹羽選手⇔MKTタイム比較 】

【第一エイド】14.6km D+668m
◎丹羽選手
1:32:27(通過順位:336位)
◎MKT
1:44:27(通過順位:920位)
【第2エイド】31.5km D+1,403m
◎丹羽選手
3:18:08(通過順位:186位)
◎MKT
4:08:10(通過順位:804位)

第1エイドまでのタイム差は12分。しかしこの間の順位さは548位。
これだけの人数がこの数分間に通過し、山岳パートへ入っていくことで渋滞が発生する。
この渋滞により、第2エイドでのタイム差50分。自分の順位を少し上げたが、丹羽選手との順位は埋まらず618位差。
この後も続く山岳地帯で都度渋滞に巻き込まれ、自分のペースで走ることはできず調子を崩していった。
このことから「渋滞に引っかからない位置で第1エイドを通過すること」が完走へのステップとつながると想定し、1,000人掻き分けて前に出て走ることは難しいので、最初からスタート位置を前の方に陣取ることにした。

■戦略2 マイド峠は夜間に抜ける

日中の気温が30度を超えるレユニオン島。コース中盤で現れる壁のような登りのマイド峠は、直射日光を遮るものが少なく、ほぼそのまま体に降り注ぐ。
実際2017年のレースでは日中の暑さにやられ補給がほぼ取ることができず(他にもいろいろな原因があるが)リタイア。126㎞地点のエイドから救急搬送をされた。
つまり暑い時間帯に難所と呼ばれる場所を進むのはナンセンス。できるだけ夜の涼しい時間に厳しいセクションを越えてしまおうという作戦。

~戦略おさらい~

今回の戦略は2つ。

1)スタートはできるだけ前方を陣取る
2)マイド峠は夜間に抜ける

他にもものすごく細かいことをいろいろ思考したけど、それはレース中に起こるであろうトラブルに対する対応だったので、あとは出たとこ勝負といういつも通りのスタイルでレースに臨むことにした。

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