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『クロスカントリースキー』で目標ができた話

2019年3月30日(土)、私の生活を大きく変える出会いがあった。
『ALP ATTACK』というトレイルランナーを中心に集まったローカルなクロスカントリースキーのレースに出たことから始まる。

ゴールを目指して必死にもがく。その裏では1秒を削るレースが繰り広げられていた。

レースにはトレイルラン界隈の有名選手が勢揃い(トレイルランニングとスキーは相性が良いらしく、昔からスキーを滑って育ったトップ選手が多いとのこと)。またクロスカントリースキーのトップ選手や、元オリンピック選手なども集結(場違い感が凄かった)。
コースは2.5kmを2周する5km。ランニングの5kmなら簡単に終わることができるが、初めてのクロスカントリースキー。乗って1時間くらい。過呼吸気味でとにかくゴールだけを目指し、必死にもがき苦しんでのゴールとなった。
一方でトップ選手たちは1秒を削る熾烈な争いを繰り広げていた。
体力、技術、そしてギアの選択など、単純に滑るだけではないあらゆる角度でのしのぎを削り、ゴール後に倒れ込むほどに白熱したバトルを近くで見ることができたのは良い経験になった。

「大丈夫です!僕が挽回するので安心して滑ってください!」

私の生活が大きく変わる出会いはこのときだった。
レースが終わった後に、トップ選手との交流も兼ねて2人1組のプチリレーが行われ、このときに組んでくれたのが小山祐選手。

▼小山選手のnote

ノルディック複合の日本を代表する選手で、ジャンプはもちろんだが、クロスカントリースキーの滑りは本当にすごい!とのお墨付き。
彼に出会ったことで、本格的にクロスカントリースキーにハマっていくこととなる。
「絶対に足を引っ張るので申し訳ないのですが、よろしくお願いします」それはそうだ。今日初めてクロスカントリースキー板に乗ったばかりのド素人。足を引っ張らないはずがないのだ。
それに対して「大丈夫です!僕が挽回するので安心して滑ってください!」と爽やかな笑顔とともに、降ってくるありがたきお言葉。
これ、ファンになるよね。惚れるよね。一生応援しようと思うよね。
リレーの結果は私が足を引っ張り過ぎで、ほぼ最下位でバトンを渡したにも関わらず、半分近くの選手を抜かしてゴール(順位は覚えていない)。彼からすれば惨敗なのだろうが私からすると大勝利!
リレーの後にも少し滑り方を教えてくれ、クロスカントリースキーの楽しさに魅了された1日になった(この後に2019年で1番盛り上がった宴会があったけどその話はすごく長くなるから割愛)

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『マイ板』って響きがいいし、やる気も出る。なにより所有することに喜び感じる自分にはご褒美。

クロスカントリースキーのギア一式購入をゆうくん(紹介は終わったからいつもどおりの呼び名で)のアドバイスのもと揃えることができた。
ド素人の自分にはもったいないアイテムだが、先行投資が大切。

余談だが新しいことを始めるとき
・年間5回以上、2年間は継続する
・命に直結する
どちらかに引っかかる場合は、早い段階で最低限の道具は揃えるようにしている。
年間5回、レンタルした場合、2年くらい続ければその費用はだいたいペイできる(置き場とか、お手入れの費用は除く)し、命に関わる道具は何かあった場合に自己責任にできる方が自分にも周りにも精神的な負担が少ないから。なによりテンションが上がって夢中になれるのがマイギアを持つことのメリット。

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クロスカントリースキーって??

クロスカントリースキーは2種類に分かれる。
1)クラシカル走法
古くから伝統的に用いられてきた走法技術のみが認められ、スケーティングによる推進は認められない。大きく摺り足する様にスキーを左右交互に滑らせる交互滑走 (ダイアゴナル)、左右同時に突いたスキーポールを支持点にし腰・背中の屈曲によって揃えたスキーを滑らせる推進滑走、スキーをV字状に大きく開き雪面に内側エッジを掛ける様に左右交互に置いて坂を登る開脚登行、またはこれらのバリエーション的走法をコース地形や状況に応じて使い分ける。必然的に開脚登行を要する上り坂を除き、コースの大半がトラック内での滑走となる。
2)フリー走法
走法技術に一切の制限がなく、下り坂で滑降する場合を除き、事実上コース全般をスケート滑走技術をスキーに応用したスケーティングでの滑走となる。スケーティング技術にはサイドキックの左右サイクルに対するスキーポールを突くタイミングで数種類のバリエーションがあり、コース地形や状況に応じて使い分ける。またスキーポールを突かないスケーティング技術もあり、主に滑降時に加速させる時にはスキーポールを脇に抱え、ゴールスプリントなど全力加速にはスピードスケート同様前屈して両腕を大きく振る。
(出典:Wikipedia
ようは型にはめた滑り方となんでもありな滑り方の2種類。

このうちの『フリー走法』を2020年から本格的に練習し始めた。

クロスカントリースキーの魅力(MKT調べ)

楽しい
いやいや。楽しいってなによ?って話しだけど、とにかく楽しい。
これが長く続けるために必要な一番の魅力かもしれない。

雪質に自分のコンディションをあわせる
たいていのスポーツでは(自分のスポーツ歴だとバドミントン)、1回できるようになった動きって、コツを掴むのか2回目は案外簡単にできるし、より精度の高い動きにすることができると思う。
クロスカントリースキーでは雪質がどんどん変わるため、同じ動きでも、板への力の伝え方を変えないと進まなくなる。
『雪質に自分のコンディションを合わせないと進まない』とのこと。
1回できても同じ動きでは対応しきれないところに、深さを感じる。

繊細なギア選び
板の種類(自分は1本しか持っていないけど)、ワックス。この2つだけで掛け合わせは無限大。
板の長さは身長によってほぼ決まるけど、硬さは、体重、筋力、その人の滑り方やその日の雪質で変える。例えば硬い板は反発は貰えるけど、踏む力がなければ滑らせることができない(らしい)。
そしてワックス。雪質、コース設計、日向、日陰などを考慮して選択して重ねていく。また滑らせるためにストラクチャーという特殊な溝を彫り、滑らせるための工夫を施す(らしい)。
このあたりの知識はまだないが、レース結果を大きく左右するあたり、ギア選びはかなりの繊細さが求められる。体力だけではなく勝負ができる(ベースは必要だけどね)ところも魅力的。

一生飽きない反復練習
板への重心の乗せ方、良いポジションは雪質に左右されない。良いポジションに持っていくことで、その先につながると思っている。素早く良いポジションに乗る。スケーティング技術を磨く。そのための反復練習。同じことの繰り返しって何も考えていないように見えるけど、実はかなり頭を使うので、脳も体もクタクタになるのがたまらない。

『できない』『動けない』
私はたぶん人より運動能力は高め。ちょっと練習すればだいたい思い通りに動けるようになることが多い。
クロスカントリースキーはそれが通用しなかった。できないことがあたり前。新しい動きを取り入れようとするものならば、転ぶし、ロボットみたいな動きになるし、イメージとの乖離がすごい。だからこそ、少しの進化で喜びを感じられる。

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夏のアクティビティにもつながっていて、『走る』ときの動きは格段に良くなったと感じる。動きが安定するから走るときの接地や重心移動などがスムーズに行える。『速くなる』とは別軸だけど、動きが安定すれば体を速く動かすときの動きも安定して良くなると思うし、クロスカントリースキーはハードな全身運動だから、走るとき少し楽に感じられる。

クロスカントリースキーの始めるためのハードルの高さ(MKT調べ)

どこでやればいいの?
そうクロカンスキーをやれる環境が限定されている。スキー場に行ったってできないし、どこでできるのかなんて知られていない。
ちなみに私も、北信越以外でどこで滑れるのか知らない。。なにより自宅近くでできないので移動は必須(これはどこに住んでいてもだろうけど)。我が家は車があるから比較的移動はしやすいけど、車がないと、きっと大変。

専用のギアが必要
私はすぐにマイギア購入しちゃうけど、そうもいかない場合が多い。レンタルするにもお金がかかるし、絶対数が普通のスキーに比べて少ないから、同じ日程で同じサイズが豊富にあるわけではない。サイズ違いなどで我慢するケースも少なくはない。
ただしウェアはトレイルラン用のものが使える!ゲレンデスキーとは違い、とにかく暑い。冬に走る装備があれば問題ない。

今日はちょっと走ろう。みたいな感覚ですぐにできるものではないのが、ハードルの高さになりそう。できるところまで移動して、ギアを調達して、というのが気にならないならいいけど。

さて前置きが長くなったけど、そんなこんなで自分なりの魅力を伝えるくらいクロスカントリースキーにドハマりした私。
この競技での目標ができました!

2022年国体予選にでる!そして国体に出場する!

なにをアホなこと言ってるの?って感じだけど、本気です。『優雅に滑る』という目標ももちろんあるけど、やるからには何か結果のある目標を設定したい。その設定が高い方が燃え(萌)る。
ということで、期間1年で設定した目標は国体出場(国体はクラシカル)。クロスカントリースキーは競技人口が少ないから、練習すれば自分でも国体出場は目指せる(らしい)。

30代半ばにして始めた新しい競技で、国体を目指す!
なんか粋じゃないか。

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