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足首を骨折して手術を受けてきた話

腓骨 遠位端骨折

足首はとても複雑な構造の関節。単関節ではなくて、いくつかの骨と靭帯、筋肉、腱が重なり合ってできている。
その中の1つ、『腓骨』の、『遠位端』を骨折した。
腓骨の遠位端ってどこだよ?って言われそうw
わかりやすく言うと『外踝(そとくるぶし)』。足首の外側にボコッと出っ張った部分をポキっとやってしまった。

今回は発生機序は語らず、手術前日~2日目までの過ごし方や起きたことを記載する。

ドキドキして眠れない。。。なんてことはない手術前日

前日の午後から入院。
入院するにあたり、PCR検査を受け、陰性ならばここでも受けられるけど、陽性だった場合は別の病院で受けてもらわないといけなくなると言われ、しばしロビーで検査結果を待ったが、問題なく陰性。これでここで手術を受けられる!と内心ガッツポーズ。
足首の骨折は、関節内に骨折部が侵入していない、かつ転位がない(ずれていない)場合は、手術不要でギプス固定のみとなる。
しかし自分の場合はこのどちらもアウト!見事に関節内だし、下端が外側に転位していた。そのため、80代くらいの方だったらこのままにするけど、年齢もまだ若いし、手術したほうがいいでしょうという先生の判断に合意。
もともとの運動レベルまで戻すことも不可能ではないと思っている。ということはやることは1つ。早く手術して早くリハビリに取り掛かること。これが今できる最善なのでは?と考えて、手術の予約が取れる日程の一番近いところ(受診した日の翌日というスケジュール感)で受けることになった。

麻酔科で手術時に使用する麻酔の種類について説明を受ける。
今回は下半身だけの感覚をなくす脊椎麻酔。腰椎麻酔とも言うらしい。
方法は、腰部から針を刺し、背骨の中の脳脊髄液の中へ麻酔薬を注射して、みぞおちあたりからお尻・足までしびれさせるとのこと。
腰椎に針を入れるときも局部麻酔をするため、局部麻酔のチクリという痛みのみ。と言われたけど、この説明を聞いたあとに病室でいろいろググったら痛そうなブログが出てきて少し心配になった。

夕食は18時。21時までは食事可だけど以降は固形物は禁止。朝6時までは水またはお茶(糖質を含まない)はOKだが、それ以降は絶食。
夕食が最後の晩餐みたいな感覚だった。ここからもう何も食べれないのか。。。せめて美味しいならいいんだけど、ここは病院。でてくるのは病院食。とても健康的ではあるけど物足りなさを感じる夜ご飯だった。
20時ごろに看護師さんがやってきて、バイタルチェック。
血圧、体温、血中酸素濃度、すべて問題なし。
「明日手術ですね。時間が1人目の患者さんが終わってからなので確定ができないけど、おそらく12時ごろかな~」
12時!!12時だと!!!朝6時以降お水も飲めずに6時間過ごすのか。。。夜のうちにちゃんと給水しておこう。そんなことを考える。
そして消灯後は、個室だったのでたろーと通話。少し気持ちが和らぐ。
通話を終えてからは明日手術の予習。誰かが書いた論文や、誰かが書いたブログを読み漁り、手術の内容はおおよそ把握した。
眠って起きたら終わっていることも理解したw
不安で眠れなくなるかと思っていたが、神経の太さはおそらく日本一を誇る私。不安なんて全くなく、病院のベッド寝心地最高と思いながら深い眠りにつく。

ボルトは何本入っているんですか?

6時-
目覚ましがなる。目を開けると知らない天井。。。
あ。ここは病院だ!と寝ぼけながら理解し、6時1分になるまえに水だけ口に含んだ。(これならセーフでしょ?)
8時-
みんなは朝食。お世辞にも美味しいとは言えない病院食も、食べれないとなると美味しそうに見えた。
9時-
点滴開始。手術用の点滴の針は一番太いゲージのものを使うらしい。確かにいつもの点滴針よりも太い。しかし痛みはなく、すんなりと装着できた。
ちなみに点滴を通す場所は利き手ではない方の腕の親指側の手首から指4本分くらい上のあたり。腕を動かしてもここの血管なら寄れないし、問題ないらしい。

11時-
まだ前の手術が終わらず、もう少し待ってねと看護師さんからアナウンスされる。暇すぎるので、少しSwitchで遊ぶ。
12時-
手術用の機材が届いていないらしく、13時ごろからの開始となるとアナウンスされる。あと1時間か。昼寝しよ。
13時-
それでは行きますね~。と意気揚々と看護師さんが車椅子を持ってやってきた。手術室までは車椅子で移動する。帰りはベッド。
手術室までの道のりが長く感じたけどきっと気の所為。
手術室についてすぐにオペ担当の看護師さんに名前、年齢、手術する部位を聞かれ返答する。そしていよいよ手術が始まる。

手術台までは自力で乗る。そしてそこまで着ていた服は脱がされる。
病室用の着衣だが、手術当日はブラジャーははずして、前ボタンの上着とスエット(パンツは履いている)。これをあれよと言う間に剥がされて、心電図などの各種モニターが装着されていく。
次に麻酔だ。腰部から入れるため、まずは局所麻酔。ほんの一瞬チクリとしたかと思うと、「じゃあ腰部麻酔用のチューブを通しますね~」と身長180cmくらいあるきの抜けた話し方をする麻酔医が言う。そして2~3秒後に「入りました~、じゃあ仰向けにしてくれる?」と。
この時、麻酔どうこうよりも気になっていたことがあった。『今日のパンツなんだったっけ?ミッキーパンツじゃないよね?』とそれだけが心配だった。『ミッキーパンツだったらいい歳したおばさんがなんてパンツ履いてるんだと思われそうで恥ずかしい…』そんなことを考える余裕があった。
「少しずつお尻のあたりがぽかぽかしてくると思うけどどうかな~?」と麻酔医。『ミッキーパンツのことは忘れよう、後で確認しよう』
ポカポカするかな?どうだろう。よくわからない…そう伝えると、チクチク針のようなものを取り出して、不意に肩を突かれる。「いてっ!」つぎにお腹「いてっ」最後に太もも「いてっ」
あれ?全部痛いぞ?
「肩とお腹と足でそれぞれ感じ方が違うと思うんだけど~」とまたも針のようなもので突かれる。肩は痛いが、お腹は鈍い、太ももはほとんど何も感じなくなった。
準備は整ったらしい。麻酔医が「じゃあ少しずつ眠くなりま…」このあたりで記憶は途切れた。「ま」の先はたぶん「すね~」だったんだと思う。
手術後は手術室で目が覚める。この病院ではそういうルールになっているらしい。目が覚めてすぐ執刀してくれた先生と看護師さん、麻酔医にお礼を言った。そしてもうひと言。「ボルトって何本入っているんですか?」
「手術室でこの質問をされた経験はない」と執刀医の先生は笑いながら「8本入ってます。夜は痛むかな~」と言われた。
15時30分-
痛いのは嫌だ。嫌だけどまぁなんとかなるだろ。そんな気持ちで病室まで戻された。
ここからは少しうつらうつらとしつつも意識があったので、各所に連絡開始。無事に手術が終わったこと。今の所なんの痛みもないこと。
それぞれ良かったとの返答がきて、元気になったらまた遊ぼうと言ってくれるのが何よりの良薬になった。

1日中正座をし続けて足がしびれて動けない。。。そんな感覚

静脈麻酔から覚めてきても、足の感覚は戻らない。ジンジンするし、自分の意思ではまったく動かせない。足の指動け!と脳で司令をだしても、指は留守番中なのか全く反応をしてくれなかった。
麻酔が切れてくるのは体の上から順にで、腰、大腿、下腿、つま先といった感じ。少しずつ筋肉に力を入れられる範囲が増えていって喜んでいた。この時までは。

私の本体はそこにいないので、そこを叩かないでください

20時-
ついにその時がやってきた。腰部麻酔が完全に切れて、痛みちゃんたちが暴れだした。UTMFの中止で盛り上がる世の中(私の周りの世界)。それと同じ、いやそれ以上の勢いで暴れだす痛みちゃんたち。
この時このことをブロクに書くならどんな痛みか言葉にできるようにしようと思っていた。
外踝を四方から金槌で叩かれている感じ。休みことなく、ずっとフルスイング。自分の意識がそこにいるように錯覚するほどに痛い。でもそこにはいないかたこれ以上どんどんしないでほしい。
21時-
ナースコール。耐えきれない。。。点滴を入れてもらうが、まったく効かない。これただの生理食塩水かなんかじゃないの?というくらいに効かない。もう一度ナースコール。「効きません。痛いです」
今落としている点滴が終わったら別のやつを入れてくれるとのこと。この間にも骨折経験のある仲間とメッセージを交わし、最悪座薬だな!と言われ座薬に怯える。
22時-
1個目の点滴が落ちきったタイミングで2個目の点滴。
「少し眠くなるからね~。また痛くなったらコールしてね~」
天使。強制的に眠らせてください。お願いします。
完全に眠れたわけではないが、うとうと。看護師さんが巡回に来るたびに起きて少し会話。
1時-
点滴の効果が切れたらしく、また痛みちゃんたちが起き始めた。外踝付近を執拗にどんどんしてくる。。。
いたい。。いたい。。。眠れない。。。
ナースコール。
「さっき入れた薬が強いのだから、1時半から2時にならないと入れられないの。頑張って我慢してね」
ナースコールの意味…と思いつつもあと30分我慢すればまた痛み止め入れてもらえるなら耐えるのみ。
お気に入りのYou Tubeを見る。しかし1分1秒が長い。全然進まない。感覚にして30年くらい経ってやっと30分経過。ナースコール。
さっきど同じ順番で痛み止めを処方してくれるとのこと。つまり最初の1時間はこのまま耐えなければならない。(前回も1個目はまったく効かなかった)
100年。いやそれ以上に長い時間を経て、眠くなるタイプの痛み止め投与。これで眠れる。。。さようなら世界。

寝てる時に体がビクってなる現象をなくしたい

手術翌日の朝、昨日よりは少しは引いた痛み。これならなんとかたえられる。。のか?踝のあたりから熱とともにどくどくとする痛みが絶えずやってくる。手術翌日には痛みが引いてくるというブログをたくさん見たけど、あれは嘘なんじゃないかな。めちゃくちゃ痛いし、ロキソニンだけではとても太刀打ちできる気がしなかった。ぐっとこらえて、ロキソニンだけで耐えたけど、許されるならまた点滴を入れてほしかった。
これは傷口の痛みもあるらしい。痛み止めでは抑えられない痛みらしく、時間とともに緩和してくるから我慢するしかないと言われる。
午前、午後とリハビリを受けて、同室も女子3人でいろんな話しをして時間を潰す。夜は眠れなくなるだろうと予想し、睡眠導入薬を処方してもらう。
22時に薬を飲み、朝までぐっすり。起きる直前い体がビクっとなって、同時に足に激痛。。生理現象なんだろうけど、これ起こらないでほしい。

怪我はいつ誰にでも起こり得るもの。怪我をしないに越したことはないけど、もし怪我をしてしまったら。骨折の手術ってだいたいこんな感じの痛みがついてくるんじゃないかな。
最後にパンツはボーダーだったことに安心した、そんな骨折して手術を受けてきたお話し。

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