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#逆噴射ピックアップ 個人的備忘録:1031収集分まで

逆噴射小説大賞2019の応募期間が終了しました。

書き手として参戦された方、ひとまずお疲れさまでした。読み手として参加された、あるいは絶賛読破中の方、いつもありがとうございます。俺もお前もMEXICOの荒野に立つことを自ら選んだ戦士であり、今は生き延びている。まずはそのことを称え合おう。

エントリー作品は640本、参戦人数は218人(誤収集、規定違反により選考対象数は変動する可能性あり)に到達し、リンク先には凄まじい熱量のパルプが並んでいます。データは桃之字さんの記事に詳しく、読めば今大会をより楽しめること請負です。

以下は前回同様、mktbnに大きく深く刺さった「俺のために書かれた作品」のピックアップと何が刺さったかという備忘録です。はっきり言って投稿作品は全部面白いので全部読め(俺は全部読んだ)という気分ですが……もしお前が苛烈なパルプ群の勢いに手をこまねいているのであれば、荒野を進む一助となるはずだ。


mktbn個人的備忘録:1031収集分まで

アルフォンス・ミュシャ:死季
アイデア、知性、描写、先への期待感、あらゆる要素が最高峰。

大麻拳
想像外の組み合わせでありながら「確かにそうなるな……」と納得してしまう。すべてを内包する力強くシンプルなタイトルも大好き。

Unlocker! 美女の扉と少年の鍵
性癖! セクシャルな描写はパルプに付き物というイメージがありますが、今大会で前面に出してきた冒頭は意外と少なく、完全に目立っています。

アフリカの疾風
ノンフィクションかと思われるほど、本物の手触りがある物語。

家族だもの
怖い。ありとあらゆる暴力がこの家で煮詰められている。

貪婪の王はかつえる
タイトルの言葉選びでゾクゾクします。語り手はいかにして生き延びたのか。

殺戮と構築 あるいは役に立つ死体
ハードSFな超技術と生活感のギャップ。非常に本物らしい小説の冒頭。

カミカゼの消えた日
!? 話は分かるのに全く展開が予想できない。すごい。

シーユーレイター・アリゲーター
軽妙なタイトルからリアリティと胡乱さの坩堝、からの一気に訳が分からなくなる引き。いや……その人が出てくると……どういうことに……?

熊もいなければ森もない
現代百合に落とし込まれたモチーフ。原型(エリシャ - Wikipedia)を知ったうえで読むと非常にスリリングです。

Freaks' Country Roads
広く遠く広がる世界も、手が届く範囲の生活も見えます。


期間が開きすぎて候補作品が膨大になりすぎたこと、一作一作のパワーが前回大会よりはるかに強いことから、俺も一読者として100%シリアスに「とにかく好みで続きが読みたい冒頭」を選んだ。完全に不遜なことを言えば「前回分と合わせた中から優勝作が出るんじゃないか」とすら感じている。もちろん一参加者の妄言に過ぎず、俺からは栄誉も報酬も捧げられない。そもそも戦場に立った時点ですべての戦士は称賛されるべきで、全員に何らかの幸運が訪れて欲しいとも俺は心から願っている。
だが大賞作は一本。彼の日、勝者は一人。もし俺が選ばれないのならば、俺の愛するお前か、俺の愛する作品のどれかであって欲しい。そう考えることは悪徳ではないはずだ。

なお前回大会の一次&二次選考結果発表は11/30、最終結果発表は12/27でした。気を張って過ごすと大変です。今はただ心穏やかにダイハードテイルズ出版社の動向を待ち……備えよう。以上です。

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