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#8. エコノミストが選んだ「今年の本(経済・ビジネス編)」を見てみよう

ビジネス誌「The Economist」は12月10日(日本時間)、The best books of 2021を発表しました。

本記事では「経済・ビジネス」部門の6冊をご紹介。()内はタイトルの直訳ですので、あしからず。

The World for Sale: Money, Power and the Traders Who Barter the Earth’s Resources(ワールド・フォー・セール:金、権力、そして地球の資源を交換するトレーダーたち)
オイルショック時の巧妙な原油取引により巨億の富を手にしたマーク・リッチなど、一部の商品取引業者がいかにして世界経済を築き、巨万の富を得て、禁輸措置をかわし、地政学を揺るがしてきたかを描く。
② Career and Family: Women’s Century-Long Journey toward Equity(キャリアと家族:エクイティを求める女性たちの世紀の旅)
アメリカの労働経済学者であるクラウディア・ゴルディン教授が、男女間の賃金格差をなくすために女性たちが歩んできた道のりをたどり、夫婦間のエクイティ(公平性)を実現するための闘いに光を当てた作品。
③ The Future of Money: How the Digital Revolution Is Transforming Currencies and Finance(お金の未来:デジタル革命が通貨と金融をどう変えるのか)
現金の終焉から暗号通貨の台頭まで、加速する"お金"の変化が、良くも悪くもどのように経済を変えていくのかを最新の視点から考察した作品。貨幣の概念の再定義によって期待されること、懸念されることなどを示す。
④ The Power of Creative Destruction: Economic Upheaval and the Wealth of Nations(創造的破壊のパワー:経済の激変と国富論)
格差は拡大し、成長は停滞し、環境は悪化し、パンデミックはあらゆる亀裂を露呈させた。資本主義の転覆さえも懸念される現代、フランスの経済学者フィリップ・アギオンらが、経済成長の原動力について最先端の分析を行う。
⑤ The Story of Work: A New History of Humankind(ストーリー・オブ・ワーク:人類の新しい歴史)
人類の労働史を包括的に紹介した作品。家庭、部族、都市、国家などの観点、また男性、女性、子どもなどの役割から労働を考察。貨幣の発明や労働者の集団行動、奴隷制度、余暇の概念、今日のギグ・ワーカーについても説く。
⑥ The Key Man: The True Story of How the Global Elite Was Duped by a Capitalist Fairy Tale(キーマン:世界のエリートが資本主義のおとぎ話にだまされた本当の物語)
アフリカで医療プロジェクトなどを実施する基金として、ゲイツ財団や欧米諸国の投資家から数十億ドルを託されながらも、史上最大級の不正利用で告発されたアリフ・ナクヴィ。ウォール・ストリート・ジャーナルの記者による取材記。

Reference:The Economist
Top Photo:Marjhon Obsioma on Unsplash

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