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サブカル大蔵経409グラント・ポゴシャン『アルメニアを巡る25の物語』(和器出版)

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設立2800年の有数の古都エレヴァンの建築資材、トゥファというバラ色の凝灰石。バラ色の街「the pink city」p.48

 2800年の歴史のある街!!エレヴァンを首都とするアルメニア共和国🇦🇲。

アルメニアの発明家スピリット。世界初のいくつか。MRI、ATM、AT、ミキサー車、吸引補助器、カラーTV、シンバル。p.84

 ATM発明!!なんか仕組みがよくわからないものはみんなアルメニアンかも。

 驚くべき歴史の古さと、発明の多さなどで世界に影響力を持つ国。なんか日本と似てるのかな?アララト山は富士山ぽいし。

 アルメニアは、歴史、文化、満載の国だけど、タブーも多そう。隣国アゼルバイジャンとの国境も閉鎖されたり飛び地があったり、歴史的にもモンゴル、ロシア、トルコとさまざまな国の圧力を受けてきていて、史上最大の事件、タブーは、オスマン帝国のアルメニア人大虐殺。

第一次大戦が勃発し、ロシアは連合国側に、オスマン帝国はドイツ陣営になり、アルメニア民族が西と東に分かれて戦うという民族間の危機に。オスマン帝国はアルメニアに猜疑心を募らせ、アルメニア人へのジェノサイドが始まる。p.150

帝国内に住んでいた250万人のアルメニア人のうち、なんと150万人以上が殺害されました。p.42

 それを公式に認めた国の中に日本は入っていない。なかなかそれを含めた内容を出版するのは忖度が働いて難しい。そこを著者の知人の出版社和器出版が引き受けたのかな?

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 著者ポゴシャンさん。

チャーチルも愛したアルメニアン・ブランデー。p.40

ヤルタ会談でスターリンがチャーチルに勧めた。私も取り寄せました。ゆっくり飲んでも身体に残る濃厚な味わいでした。

エルサレムの居住区クォーター。イスラム教、ユダヤ教、クリスチャン、そしてもう一つはなんとアルメニア使徒教会。p.75

 エルサレムにもアルメニアン…。

十字架の石ハチュカル。ノラトゥス村のハチュカルの森p.75

 綺麗です…。少しケルトを連想します。

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インド・ヨーロッパ語族の祖先の祖語。ギリシャ語派、インド・イラン語派、アルメニア語派の三つに別れる。p.89

 アルメニア語、スゴすぎる。ロマンありすぎて、空想の国が現実に現れたよう。

ブドウの葉で米と肉を巻いて蒸したトルマ。p.103

 ヨーロッパとアジアをつなぐ地域ゆえ、葡萄の葉とお米という雰囲気のレシピも興味深いです!

 本書を読んでみて、いくつか驚きがあったのですが、ノアの方舟の聖地・アララト山はトルコ領でした…。そういえばトルコのガイドブックの最後の方のページにアララト山が載っていて、トルコとキリスト教が連想しづらかったのですが、もともとはアルメニアゆかりの山だったのが、大戦以降の領土分割で…。

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日本とアルメニアを結んでくれたポゴシャンさんにアルメニアンブランデーで乾杯!


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