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身を切る改革どうするか問題

こんにちは。

維新と言えば、身を切る改革を大看板に戦ってきた政党であることは、
もう皆さんご存じだと思います。

今回は、この身を切る改革について考えて見たいと思います。


そもそも身を切る改革とは?

あくまで私の理解ですが、身を切る改革とは、
「議員の身分を見直す」ということです。

一部アンチやあまり詳しくない方は、
「行政の無駄をカットすること」
あるいは飛躍して、
「市民のサービスを削ること」
そのものだと誤解されている方も多くみられます。

テレビのコメンテーターすらそのような理解にとどまっている方も、
たまに見かけます。

身を切る改革とは、
民間感覚からはかけ離れた議員特権を見直すことで、
行財政改革を行う覚悟を示すことです。

政治家たちが自分たちの待遇を見直さないのに、
役人が給料カット等に応じるでしょうか。

んなわきゃない。

10年以上前の財政破綻寸前の大阪では、
奇跡ともいえる財政再建を果たしました。

それもこれも議員報酬削減等を行って、
まず政治家が模範を示したからです。

だからこそ、役人も維新の改革にある程度協力していた経緯があります。

そういう経緯があるから、
大阪では身を切る改革は一定の支持を得ていると思われます。

では、その他の地方では?

では、他の地方ではどうでしょうか。

私が、維新のオンラインサロン(2022年2月で終了)に出入りしてたころ、
全国の維新支持者の方々と交流させていただく中で、
驚くほどの認識のギャップに驚きました。

「身を切る改革なんて意味ない」
「報酬カットなんかを行うから、いい候補者が集まらない」
とか、そういう趣旨の批判的な言説が結構あったのを覚えています。

私は、

「維新支持者でもそれくらいの認識なんだ。」
「全然趣旨が伝わってない。」

と、少々残念に思いました。

当初そういう風に感じていましたが、
段々冷静になって考えると、
かつての大阪とそれ以外ではおかれている状況が違う
ということに気が付きました。

大阪は財政破綻危機がすぐ目の前であった。
減債基金の取り崩しという禁じ手を使ってまで、
見かけ上の府財政を良く見せて糊塗しないといけなかった。

でも、他地域がそんな状況にあるかというとそんなことはない。
(今は京都市がまずい状況ですが・・・)

だとしたら、議員が自らの報酬を削る身を切る改革に、
その必要性を感じないのもある意味当然なのです。

特に東京は、財政が豊かな自治体ばかりで、
とある席では、
維新の政策マエストロと言われ、
大阪維新のチャーターメンバーでもある浅田均さんが、
「東京では身を切る改革系の訴えはなかなか響かない」
という趣旨の発言をされていました。

そんな状況の中だと、
身を切る改革は
「良いことをやっている」とか、
そんな前向きな意見はおろか、
むしろ、
「議員報酬をカットすることで、自分たちの仕事のハードルを下げてないか」という疑いの目まで向けられてしまうのです。

だから、報酬削減一本やりだけでは、
なかなか難しい。

足立康史衆議院議員の提言

昨年の党代表選において、
足立康史衆議院議員は「身を切る改革の適正化」を掲げていました。

同様に梅村みずほ氏も身を切る改革の見直しを党代表選において、
提唱しています。

政令市等もともと報酬額の高かった議会の議員はまだしも、
それ以外の市議や町議等は必ずしも元々高額な報酬を貰っていたわけでもなく、議員生活を続けるため泣く泣くアルバイトもしているという議員もいるという実態は中々衝撃的でした。

地域を良くするために議員になったはずなのに、
アルバイトでそれどころではないとなったら本末転倒。

どこかで、現状を変える必要があるというのが、
両氏の問題意識だと思います。

私は、この考えは賛同できるものです。

足立康史衆議院議員のspaceで、ある方が発言されていましたが、
身を切る改革をすることで議員の仕事の魅力が下がり、
これがある種の参入障壁になってしまうこと(現職の身分保障)になる
側面を指摘する意見もありました。

バランスを損なえば、かえって民主主義の危機を招くことにもなりかねない危険もはらんでいると思います。

しかしそれは、
結局は議員の世界の内輪の議論に閉じていて、
あまり我々一般人にとって、大きな興味を引くことはないと思います。

そして、私には一連の議論が、
議員の報酬額ばかりに注目が集まっていることに、
疑問と不満を感じます。

そもそも、身を切る改革は、議員の身分を見直す改革。
議員報酬削減だけではないはずです。

身を切る改革の新たな力点

私が必要だと考えるのは、
身を切る改革の力点を単なる議員報酬削減から、
議員定数是正や長期欠席議員に対する報酬削減条例の制定等に
移すことです。

何度も繰り返すように、
そもそも身を切る改革は、議員の身分の見直しのことであり、
議員報酬削減だけではないはずです。

平成23年の大阪府議会における議員定数大幅削減は、身を切る改革の代表例の一つ。

議員報酬削減は東京等の有権者に響かなくとも、
議員定数や長期欠席議員に対する報酬削減は、
大阪だけではなく普遍的問題と言えると思います。

特に長期欠席議員に対する報酬削減は、
昨今話題となった無免許で人身事故を起こした都議が、
雲隠れ的に議会を長期欠席したにも関わらず、
我々の血税を原資に議員報酬が支払われていたことで、
東京のみならず全国的に大いに関心を集めました。

同様の事態を想定し、
大阪府議会では問題の当事者たる東京都議会に先んじて、
昨年12月に長期欠席議員に対する報酬削減条例を可決させ
世間から評価されたことは記憶に新しいです。

このような論点ならば、東京等の有権者の賛同を得やすいと考えます。

また、議員定数については、問題を可視化することで、
ニーズ喚起できる部分もあると思います。

例えば、東京23区内でも、
世田谷区は、有権者約77万人に対し、世田谷区議会の定数は50。
(1.5万人につき定数1)

一方、千代田区は、有権者約5.4万人に対し、千代田区議会は定数25。
(0.2万人につき定数1)

全国で行われる国政選挙とは違い、
世田谷区よ千代田区の区議会選挙は別の選挙の話なので、
両特別区間で一票の格差は問題とはなりませんが、
より少ない数の固定票で当選してしまえる千代田区議会の在り方等は、
議論に値するのではないでしょうか。

身を切る改革と言っても千差万別であり、聖域なく議員の身分の見直しを行う中で、東京の有権者に響く論点を掘り当てていくことが肝要ではないかと考えます。

ちなみに、議員報酬削減の削減を実行しなくてはいいということを意味していないので、そこだけは誤解なきよう。

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