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自分昔話 #4

これは、フィクションです。
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頭はあまり良くないが、トラウマめいたものはある。
しかし、思春期のような瑞々しさで傷つくことはもうないし、傷つかないから開き直ることも出来ない。
開き直った時の清々しさが味わえなくなったことがコンプレックスと聞いても、中学生には理解できまい。

——と、妙なマウントを取りたいわけでもなく、思い出したことがある。
飲食店で働いていた当時、後輩からトラウマの話を聞かされた。正確には、トラウマになりそうだった話なのだが、寸胴から火が上がり、目の前で火だるまになった別のスタッフを見て、出勤するのが怖いという相談めいた話だった。

自分は、「行ってみたら何ともなかったということもあるから、一度行ってみてそれで駄目だったら辞めたらいい」というふうに返した。
出勤した彼女は、結果的に「何ともなかった」という落ち着きを得、それなりに悪くもないアドバイスだったのだろうと思う。

トラックに轢き逃げされた自分だけれど、修理した自転車で再び出発することに、何のトラウマも覚えていないことに気付いて、一番好きだった人の話を思い出した。
轢き逃げされて、良かったことの一つ——なのかもしれない。

深夜帯に彼女がホールで、自分がキッチンというシフトの時間が、今にして思えば、相当に幸せな時間だったと思う。
もし、この時間を恒常的に続けられたならば、“人生あがり”でも良かっただろう。

ロンドンブーツの淳さんが、現在の奥様を射止める過程で、奥様の名前を習字でひたすらに書き続けたという話を聞き、ありえないと笑っていたが、確かに、どうしてカニみたいな顔をした彼女だけが特別であったのだろうと、文章にして考えたことがある。
「どいつが笑ってんだよ!」——という話になるのだが、自分の場合は、あくまでロジカルに理由を掘り下げるための行為だったから、まあ、ちょっと違うよね……ということにしておこう。

果たして、二律背反究まって、「自分のことを好きじゃないことが好きな理由」というのが、決定的な一項として挙がってしまったのだが……これ以上は文字にできない♪(リズムは「恋する凡人」)。

ついでに。
早速——「早速」と言っていいだろう——、警察官殿に違法走行で呼び止められてしまった。
「少しくらいトラウマになっとけよ!!」
……か?

が、とはいえ、「(自転車で)旅なんかしてると、何回も(警官に)声掛けられるでしょう」って、何だそりゃ?!
物珍しい=「職質」要件って、ただのマイノリティーいじめなんじゃねえか!?(思ってても口に出すなよロートル)。

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