やっと会える

私達が最後に会ったのは、コロナという未曾有のウイルスが世に蔓延し始める前の夏のことだった。

冬、もしくは春に会えたらいいね、なんて希望は、国境の閉鎖にあっけなく阻まれ、会えないまま、2年が過ぎ、いつかもう、会えないのが当たり前になってしまっていた。

いつ会えるのか分からなくて不安で泣いた。
ロックダウンしている町に住む彼に、会いに来てなんて無理を言った。
彼のビザは切れ、私達は悩んだあと、彼は母国へ帰った。日本に来るための手筈を整え始めた。
よく分からないビザや結婚の書類も、無我夢中で集めた。

そうしたら、明日には会えることになっていた。

明日、約3年ぶりに、彼に会います。

私達が一緒にいるために、私達は結婚することになった。
私は自分の家族や友達、仕事、始めた歯の矯正を理由に、彼に日本に来てほしいと言った。

もちろん彼は、オーストラリアに来るように言った。
そうすればよかったかもしれない。
私達のどちらかが、大きく環境を変えれば済む話だった。

彼は、日本に来てくれると言った。

もしかしたら無理を言ったかもしれない。
彼の人生を大きく変えることに不安があった。
不安で不安で、久しぶりに親の前で泣いた。
正直、今の時点でもまだあるかもしれない。
半日後に彼は来日するのに、正直まだ不安だ。

なぜ今泣いているんだろう?
嬉しい?一緒に暮らしていくことが不安?
分からないが、好きになって、「結婚する」と決めた相手だ。

頼れるのは私だけで、
異国の地で暮らし、
異国の言葉を話し、
異国の習慣を知り、
新たな生活基盤を作っていく。

彼のことを支えていかないでどうする。

頑張れ、私。
頑張れ、彼。

新しいチャプターの幕開け。

不安でも、もうここまで来た。
これからずっと一緒に、最高のパートナーと暮らす。
それでいい。その事実でいい。

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