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「水晶」×「屋久杉」の自然のパワー

 屋久島は、島の道路一周が100キロメートル程度の小さな島ですが、場所によって大きく気候帯が異なります。(山の頂上は亜寒帯気候、平地では亜熱帯気候)その為、生息する植物も多種多様で屋久島固有のモノも少なくなく、1993年12月世界自然遺産に登録されました。
 屋久島は、島全体が岩盤石(花崗岩)で覆われ、植物の生息には適さないとされますが、島全体が緑豊かなのは豊富な雨量が影響しています。栄養価の低い土壌に豊かすぎる雨量と言う矛盾したこの環境が、屋久杉の成長をゆっくりと育みました。結果、木の樹脂分が多くなり、腐敗せずに長生きし、さらに緻密で繊細な木目を生み出す事となりました。
 屋久島では、樹齢1000年を超える杉を「屋久杉」、それより若い屋久杉を「小杉」と分けて呼んでいます。「屋久杉」は江戸時代に多くが伐採され、伐採後は日当たりが良くなり、樹齢数百年の「小杉」が育ちましたが、高度成長時にその多くが伐採されました。その後生態系保護の為、伐採可能な地域を分け管理してきましたが、世界遺産登録を機に伐採は全面禁止となり、「土埋木」のみが取引されるようになりました。「土埋木」とは、江戸時代に薩摩藩が伐採して島から持ち出せず、土の上に放置した「屋久杉」の事を刺します。今では、その「土埋木」の取引も中止され、「屋久杉」を新たに入手する事は出来ません。そんな貴重な「屋久杉」を保有されているアトリエ杢様とご縁で繋がり、水晶の台座の制作を依頼させて頂きました。「水晶」×「屋久杉」の自然のパワーを是非感じて頂きたい一品となりました。


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