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ヴィーガンの船瀬俊介vsオーソモレキュラーの溝口徹

【大腸がん5倍死ぬのに肉を食え】

 日本にも、真弓医者とは逆に悪魔に魂を売った医者、学者はいます。

 『がんになったら肉を食べなさい』(PHPサイエンス・ワールド新書)という仰天タイトルの本があります。著者は、溝口徹医師。副題は「がんに勝つ栄養の科学」とあります。

 このかたは、肉好きの大腸がん死5倍! という事実を知っているのでしょうか? これは、日系三世の大腸がん死亡率を、母国日本と比べたものです。肉食中心のアメリカでは、菜食の日本と比べて、大腸がん死を5倍に増やしているのです。

 ちなみに、アメリカ女性の乳がん死は、中国女性の5倍(『チャイナ・スタディー』)。

 肉食、乳製品などが発がん原因となっているのは、言うまでもない。

 さらに、肉食は数多くのがんの引き金になります。

 その理由は、肉食すると腸内悪玉菌のエサとなり腐敗発酵し大量の毒物、発がん物質が発生するからです。さらに前述のように肉好きは、菜食者に比べて8倍も心臓マヒで死ぬ。アメリカ男性の心臓マヒは中国男性の17倍……。

 死因が肉食、動物食であることは、言うまでもない。

 溝口氏は拙著『肉好きは8倍心臓マヒで死ぬ』(共栄書房)に掲げた82項目の科学的根拠1つ1つに反論できるのか?

 彼の著書には、これら科学的証拠は、まったく欠落している。これらエビデンスを知らないで書いたのなら、底無しの無知の大罪である。知っていて書いたなら悪魔的な間接“殺人罪”が、問われる。

 『がんになったら肉を食べなさい』は即、回収、絶版にすべきである。 船瀬俊介〈牛乳のワナ〉より

✔️【真相〈がん細胞とブドウ糖〉】

 これは船瀬俊介の読解力を疑わざるをえません。

 船瀬俊介はただ都合のいいエビデンスをあげているだけで、溝口徹の主張に対する反論は一切おこなっていません。

 たとえば溝口徹の主張に次のようなものがあります。

 がん細胞は、分裂を繰り返し増殖し転移するために必要なエネルギー源を、血液中のブドウ糖から得ています。がん細胞のブドウ糖消費量は正常細胞の6倍以上といわれ、がんが身体に存在すると、まさに大量のブドウ糖が血液中から消費されてしまうことになります。そのため多くのがんで、ときに低血糖発作が起きることもあります。

 糖尿病の患者さんは、血管がぼろぼろになるために心筋梗塞や脳梗塞でお亡くなりになることが多いと思われるかもしれませんが、実はがんでお亡くなりになる方が1番多く、心筋梗塞の3倍以上の死亡率なのです。また糖尿病の場合、ある種のがんの発症率が高くなることも知られています。つまりがんはブドウ糖が大好きで、血液中にブドウ糖があふれていると、生き生きと活動性が亢進し仲間を増やすことになるのです。

 「がん細胞がブドウ糖をエネルギーにする」というのは溝口徹だけでなく、ノーベル医学生理学賞受賞者のオットー・ワールブルクも主張していることです。

 これに対して船瀬俊介は一切反論しておらず、「肉食すると腸内悪玉菌のエサとなり腐敗発酵し大量の毒物、発がん物質が発生するからです」などと的のはずれたことを言っています……。

【エビデンス】

 また船瀬俊介は「私が〈肉好きは8倍心臓マヒで死ぬ〉に掲げた82項目のエビデンスに反論できるのか?」などと言っていますが、溝口徹も〈がんになったら肉を食べなさい〉の中にオーソモレキュラー療法(糖質制限の一種)ががんに効果があるエビデンスをいくつかあげています。

 しかもそのエビデンスを発表したのは、ノーベル賞を2回受賞したライナス・ポーリングと、オーソモレキュラー療法の創始者、エイブラム・ホッファーの2人です。

 船瀬俊介こそ、彼らの発表したエビデンスに反論をすべきだと思うのですが?

【溝口徹は悪魔に魂を売った医者?】 

 また、船瀬俊介は溝口徹のことを「悪魔に魂を売った医者」呼ばわりしていますが、溝口徹がそんな医者ではまったくないことは、〈がんになったら肉を食べなさい〉を普通に読めば誰でもわかることです。いくつか引用します。 

【がん難民】 
 ホスピスにしても転院先を紹介するにしても、それらは良心的な医者がしてくれることです。多くの場合には、「この病院でできることはすべておこないました。1週間後の退院を予定しています」と言い放つだけです。このような場合には、家族は転院先の病院を自分で探すか、自宅に戻って往診などで対応してくれる新しい主治医を探さなくてはなりません。がん難民の始まりです。


【患者の全人的な改善に興味がないがん専門医】
 (前略)大腸がんの患者さんが、腹水が溜まり食事を摂ることができなくなってしまったとき、患者さんの家族が主治医へ相談したところ「水でも飲ませておいてください」と言われて憤慨したという話を聞いたことがあります。この発言には医師の人格的な問題なども関係していると思いますが、実は日本のがん治療のある側面がここに表れているのです。

 日本のがん治療は、がんに対しては治療していますが、患者さん個人に対して治療をしていません。がんに対しておこなえる治療がなくなったとき、つまりこの患者さんのように腹水が溜まってしまい、標準治療がおこなえない、あるいはおこなっても効果が期待できない状態になると、表現はよくありませんが、突き放し、相手にしなくなります。

 もちろんこのような状態になるとトータル栄養アプローチでもがんを小さくしたり消滅させたりすることはできませんが、残された時間の苦痛を取り除き、たとえ短時間であっても日々の生活を家族とともに充実して過ごすことを可能にします。このような患者さんの全人的な改善については、通常のがん専門医には治療手段がないだけでなく、興味もないのが現状なのです。

 がんに対する代替療法をおこなっている医師には、「良い先生」が多い印象があります。どんな状態の患者さんであっても、少しでも改善し充実した時間を持ってもらいたい……そのためにがん治療の主流派の医師から批判されても構わないという気持ちでいる医師が、私の周りには多くいます。

 いかがでしょうか?

 これで溝口徹が悪魔に魂を売った医者でないどころか、医者の鏡のような人間であることがわかると思います。

 ちなみに溝口徹は〈がんになったら肉を食べなさい〉の中で抗がん剤治療に反対しており、「早急に見直す必要がある」と言っています。

 船瀬俊介といえば、日本の反抗がん剤のリーダー的存在として知られる人です。

 溝口徹のそうした発言を、なぜ評価しないのか謎です……。

【感情ヒューリスティック】

 自分が好きなものはメリットだらけに感じ、自分が嫌いなものはデメリットだらけに感じる──これを心理学用語で「感情ヒューリスティック」というのですが、船瀬俊介は読解力の低さだけでなく感情ヒューリスティックの影響で溝口徹の〈がんになったら肉を食べなさい〉を、メチャクチャに貶めることを言ってしまったのだと思われます。

【まとめ】

 ●溝口徹は悪魔に魂を売った医者などではない。

 ●船瀬俊介の溝口徹批判は完全に的がはずれている。


 日本の国民病の1つである糖尿病。しかし標準治療は大変危険なものなのです。糖質制限による治療をぜひご検討ください。

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