WBC2023 "Baseball Spoken Here" 

第5回WBCは、日本代表が14年ぶりに3度目の優勝を果たした。

WBCの大会のレベルは回を追う毎に上がっている。
故に、その中で日本代表が優勝したという事実は、非常に価値がある。

今回、日本代表の優勝の理由は、高いレベルを備えた選手が集まったことに加え、その個をつないだチームとしての強さである。

招集する選手ひとりひとりに声をかけて廻った栗山英樹監督、その志に共鳴したダルビッシュ有、大谷翔平が核となり、日本代表はまさに One Teamとなっていった。

ソーシャルメディア全盛の時代に、我々ファンはその過程をあますことなく見せてもらった。
世界一を目指すという高い壁、高い目標にもかかわらず、彼らには笑顔が絶えなかった。

主力がスランプに陥っても、リードされた苦しい局面でも、声をかけあい、カバーし合い、決して諦めなかった。

野球が好きな人も、興味がなかった人も、日本代表に声援と拍手を送った。
対戦するチームにも、選手にも称賛と拍手を送った。

たった1か月だが、日本の野球の時計の針は大きく先に進んだ。
それは日本代表が優勝したから、だけではない。

WBCという大会は国の優劣を競う場ではない。
WBCとは野球という競技を世界にもっと広める場だ。

そういう精神を秘めた大会だから、ラーズ・ヌートバーが日本代表で参加できたのだ。
この国の代表チームはこんな野球をするのか、あの国の代表にはこんな魅力ある選手がいるのか、発見し、称え合う場なのだ。

第1回WBCで目にしたキャッチコピーを思い出した。

"Baseball Spoken Here"

直訳すれば、「ここでは野球語が話されています」だが、
意訳すれば、「野球という言葉で話そうよ」である。

ダルビッシュ有も、大谷翔平も、ラーズ・ヌートバーも、確かに野球という言葉でチームメートと会話していた。

その輪はチームメート全員に拡がっていき、他国の代表の選手たちにも、そして、野球を愛する人たちに、日本全体に、世界でWBCを観ていた人たちに拡がっていったに違いない。

WBCに「敗者」はいない。
みんなが世界に野球を広めることに貢献した「勝者」なのだ。

世界で野球を愛する皆さん、また3年後に会いましょう。

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