モード

モードとリアルの境目に

はじめに

最近ハマってるマンガ『ランウェイで笑って』を読んでいて、「ファッションと音楽って似てるのではないか?」と思いました。。
今日は、そんな大好きなマンガを読んでいて感じたことを綴っていこうと思います。

「モード」と「リアルクローズ」

ファッションには、大きく分けて2種類の服があります。
「モード」と「リアルクローズ」です。

「モード」とは、非日常的なデザインの服を指します。
よくパリコレで見かけるデザインが、いわゆるモードな服です。
モードな服は、とにかくデザイナーがお店に卸したり、着る人のことを考えずに好きにデザインをするため、一点物のアートな作品になるのが特徴です。

「リアルクローズ」とは、アパレルショップに並ぶような、実用性に重きを置いた服を指します。
作り手がどうやって作ればいいか考え、販売時・流通時のコスト(量産可能か)考え、買った人が着やすくなるように考え、現実的に作っていくのが特徴です。

『ランウェイで笑って』では、よくモードとリアルクローズを対比して説明したり、表現したりします。
作中では、「モード = アート、芸術」,「リアルクローズ = 広告デザイン」というふうに比較されていました。

「モード」は、デザイナーの思想や表現したいことといったメッセージが込められています。
が、込められたメッセージは、受け取る人によってバラツキが出やすくなります(デザイナーの意図通りにメッセージが伝わるとは限らない)。

それに対して「リアルクローズ」は、
「万人が同じメッセージを受け取って、同じように解釈すること」
を求められます。さしずめ、CMや看板に描かれる広告です。

ファッションは、上記のように2種類に大別できます。

音楽の「モード」と「リアルクローズ」

音楽も、ファッションと同じように「モード」と「リアルクローズ」の2種類に分類できそうだと思いました。

音楽でいう「モード」とは、"自ら作曲した曲"のことだと思いました。

作曲家が「こんなことを表現したい」「こんなメッセージを伝えたい」と想いを込めて作った曲は、音楽のジャンルを問わず作られた時点でモードだと思います。
もちろん、まだ発明されていないジャンルの音楽を生み出した場合も、新しく発明された音楽は"モード"だと思います。

音楽の「リアルクローズ」は、例えば次のような音楽だと思います。

・カラオケで歌われる歌(他人が作った曲のカバー曲)
・既存曲のアレンジ

「今あるもので、一番良いものを作る」のは"リアルクローズ"の真骨頂です。
なので、誰かの作曲した曲をカバーしたり、アレンジしたりする活動は、"リアルクローズ"に近い表現だなと思いました。

また、何かの作品のために作られる曲(タイアップ曲やイメージソング)もまた、ある意味"リアルクローズ"な曲なのではないかと思います。

というのも、「作中に出てくる登場人物の心情描写」や「物語の世界観を伝えるための表現」を求められるため、求められる感性は、芸術性ではなく、万人受けだと思うからです。

上記のように、音楽も2種類に大別できると考えます。

系統の優劣

前述で「モード」と「リアルクローズ」について、
特徴を比較してみましたが、別に優劣をつけたいわけではありません。

「モード」には「モード」の良さがあるし、
「リアルクローズ」には「リアルクローズ」の良さがあると思います。

世の中の服が全部「モード」だったなら、まず仕立てるのにお金がかかるので、貴族・金持ち以外は服を着れなくなりますし、どれもこれも奇抜過ぎて着方も分からないような服で溢れかえります。

反対に「リアルクローズ」な服ばかりしかなかったら、
世の中に変化が生まれません。新しい文化や思想も息絶えます。

音楽も同様だと思います。つまり、色んな音楽があるから
それぞれの良さが出るし、自由に音楽を楽しめる。

どちらのファッション・音楽が優れているかではなく、
どっちもあるからお互いの良さが出るのだと考えます。

最後に

僕はまだまだ歌しか練習できていないため、作曲はできません。

しかし、アーティストになるのであれば、「モード」ではないまでも、
「リアルクローズ」な基準で作曲していくことが重要と考えます。

まずは耳コピでもカバー・アレンジでも良いから曲作りの経験を増やし、
ゆくゆくは代わりのない「モード」な曲を作りたいと思います。

追伸

『ランウェイで笑って』面白いので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
ちょくちょく読み返してみても、感動できるお話ばかりだと思いました。


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