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096:「光学接着樹脂」という言葉が今も気になっている

以前のnoteに書いた「光学接着樹脂」という言葉が今も気になっている。なぜ気になっているのかといえば、今とても「接着」という現象に興味があるのと、「樹脂」というモノ的な雰囲気、さらには「光学」という点は「反射」という現象にもずっと興味を抱いてきてきたから。要するに、気になることがすべて入っている言葉だからということになる。

ACGギャラリーの上にはショウルームがあって、そこに砂山さんが使ったと思われる商品の説明があって、これも興味深かった。「光学接着樹脂」によって、光の反射をコントロールする。このとき「光学接着樹脂」あるけどないように振る舞うことで、「ある」ことになる。マテリアルの不思議さがある感じ。

「接着」という現象で二つのサーフェイスをあたかも一つのサーフェイスのようにしてしまう「光学接着樹脂」。光学接着樹脂は二つのサーフェイスのあいだにあるから、「インターフェイス」になっているともいえる。けれど、それは光学的には「ない」ものとして機能するように設計されている。しかし、樹脂としてガラスと液晶ディスプレイのあいだにある。「接着」という機能ではあり、「光学」的にはないように振る舞う「樹脂」が、二つのサーフェイスのあいだのインターフェイスとしてある。

「光学接着樹脂」という言葉から、上のnoteでも少し考察した小山泰介さんと砂山太一さんの作品をもっと考えてみたいし、エキソニモの《キス、または二台のモニタ》もこの言葉で考えることもできるかもしれない。この場合は「光学」という意味が変わってきて、二台のモニタを接着する樹脂として光があるというこのなるのかもしれない。

二つ以上の複数のサーフェイスがあって、それらの「隙間」をどう考えるのか。「隙間」のままにするか、あるいは「考えない」というのではなくて、「隙間を埋める」ことを考える。サーフェイスの向こう側を考えて、サーフェイスを厚み=バルクをもった存在として考えてみる。


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