運転を探究する 2012-09-12
仙台までの往復800km
4年前も一度経験した道のりなのだが、その時はどうだったかというと、肩から首の上までがかなり痛くなり、さすがこの距離は一人で運転するもんじゃないなと思ったのである。
その行程を再び、ということになったので、1週間ほど前から車に乗るたびに楽な座席の位置などを研究していたのだが、残念なことにあまり収穫は得られず。
本物の車でレッスンはできないけれど、行く前に運転するという想定でのレッスンやりたいなーと思いつつもかなわず。。。
ひとつだけ、自分で気づけたのは視界がフロントガラスで切り取られ、空の方の視界が狭くなると、つい首をすくめて上下が同じくらい見える位置に顔を持っていきたくなるということ。
運転の場合は信号機があるより上の空は見えなくてもいいのだが、つい上下バランスよい視界にしたくなるらしい。
これは気を付けてみるか、と思っていたが当日のレンタカーは意外とフロントガラスが広くてそれをあまり気にせずにすんだのでかなり楽だった気がする。
当日、結構あわてて家を出て、あまり座席の高さや前後ろなど調整しないまま高速に乗ってしまったが、ひとまず肩の引き下げをせず、ハンドルをふわっと繊細に握ることに注意を払うことにした。
東北道に入り、ほぼ踏みっぱなしのアクセルの踏み方を探究してみることにした。
アクセルにつま先をのせ、足全体の重みをかけるようにして踏む。
足裏で踏むのではなく、力がつま先に流れるようにというイメージ。足先で押すような。
と、道路の凹凸で車が揺れると、股関節からつま先までがショックを吸収するように揺れた。
これは体験したことない面白い感覚で、力が抜けてることを実感。
でも鼠蹊部がつかれるような感じもすこしあったので、これは今後、レッスンで聞くのも含め要研究だなぁと思う。
やっぱりかかとを床につけてそこを支点に足裏で踏むのがいいのかなぁ。
足でもうひとつ面白かったのは、途中、右足の外反母趾が痛くなったこと。
つまさきを親指のあたりばかりでなく5つの指全体と考えたら痛みが引いた。
ということは、どういう原因で起きるかわからなかった外反母趾の痛みの原因が、親指周辺に力を集中させることによるものだったということ。
今までこの痛む時の状態に、歩くこととの関係性があまりなく、不思議に思っていたのだけれど、これは興味深い発見だった。
そして、ハンドルの切り方の探究。カーブを曲がる以外は、軽くハンドルを握るだけでいいはず。
カーブを曲がるときはある程度力を必要とするが、両手で動かす必要はない。
右カーブだったら右手だけゆっくりと力を入れ、左手はひざに置いておいたっていい。
右方向にハンドルを切るとすると、ハンドルを握っている場所が1時の位置、3時の位置、4時の位置、どこに手をおいていると一番腕の機能にとって自然に力を加えられるのか。
その力のかけ方で感じたのは、ハンドルを押しつけるのではない、ひっぱるのでもない、ぶらさがるのでもない、ただ腕の重みをかけるのが一番腕に無理がないと感じた。
どう違うかがはっきり言えないのだけど、腕の重みをかけるのが一番自分の体の使いやすさに納得できた感があった。
余談だが、自分がコントラバスで弓を使うときにも「腕の重みをかける」というフレーズは出てくるのだった。
そしてまだクリアになりきれていないそのイメージが、ちょっと豊かになった気がした。
走り方も少々探究。
今までは、無難なところを走る。追い越し車線がすいたらそっちを走る、といったようなそんなかんじ。
今回は、前の車との車間距離が縮まってきたら、追い越して車線に戻り、また前の車が近づいてきたら追い越し、というまああたりまえの走り方を意識した。
そういうルールを決めたせいか、まわりの車の走りで嫌な思いをさせられることがなかった気がする。
そうやって運転を探究し、シンプルにしていくのが面白くて、行きも帰りも片道は5時間近くあったけど、ひとりでも全然飽きずに、そして疲れずに運転できてしまった。
行って牛タン食べてうろうろっとして、お店でセッティングして40分2ステージ。打ち上げ。
前回自分で運転していったときは夜ホテルに帰ってきてそのままシャワーを浴びる余力もなく寝落ち、翌朝は朝ごはんを食べにも行かずに寝る選択をしたのだった。
しかし今回はこっちの普段のお店で演奏した後となんら変わらず。。。ほんと400キロも運転した後とは思えない状態で、しかも頑張った感もなく、普通に眠くて普通に寝て、普段と変わらない時間に起きられて、朝ごはんも食べて、眠くもなくて。帰りの400キロもそんなに心配にはならなかった。
前回は体力温存をすごく意識したけど。
翌日は昼に牛タン、昼過ぎに30分ほどの演奏をし片づけてすこし人の演奏を見て、出発。
行きよりも自分の運転手順に慣れたのか、途中で「自分はただ楽に座っているだけみたい」などと思える瞬間があったりした。
しかし、さすがに都内に入る頃は多少の疲れが出てきてすこし肩が張ってきた気がしたので言い聞かせモードに入ることにした。
「頭が自由に動いて、私の体全体がついてくる、そして、最小限の力で運転ができる。」
「楽な首、自由な頭、そして最小限の力で運転できる。」
「頭が自由に動いて、私の体全体がついてくる、そして、ただ座っているように運転ができる。」
これを高速降りるまで言い続けながら運転してました(笑
そして帰宅。
以前だったら、車から降りたら「いや~疲れた」と肩を回したりストレッチもどきをやってしまったはず。関節をぱきぱきいわせたりね。
それが今回は首を左右に傾けただけで終了。
翌日の出勤も仕事も淡々と普段のようにこなし、仕事後も普段の疲れ具合、といった状態。
使えたんだよね!アレクサンダーテクニーク。
今年のGW、アレクサンダーテクニークの合宿がえりの運転で、どんどん肩がこっていくのにがっくり悲しくなったけど、たぶん来年は大丈夫。な気がする。
またいろいろ探究しながら運転したいな~。
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