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「貯蓄から投資へ」気にしなくてもいい3つの理由

先日、インスタでこんな質問を受けた。

「1000万円ほど預金したままです。やっぱり、もったいないですよね?」

不安と焦りが、そこには感じられた。
投資をしていない自分だけ取り残されている。そう思っている人が、実は多いのではないだろうか?
僕が、この手の質問をされたとき、「投資なんてしなくてもいいですよ」と答えることを心がけようと思っている。

これは、気休めではない。3つの理由がある。
それぞれの理由には、次の3人の思惑が絡んでいる。

•不安ビジネスをあおる銀行員
•自己顕示欲丸出しの自称投資家
•経済オンチのエコノミスト

これから一人ひとりを紹介していこうと思う。
こんな人たちのために、不安や焦りを感じる必要はないのだ。

不足ビジネスから不安ビジネスへ

まずは、不安をあおってくる銀行員の話。
「老後資金、心配ですよね。預金で眠らせているのは、もったいないですよ」
こんなことを言われても気にする必要はない。この言葉には大きな矛盾が隠れている。

そもそも、不安をあおってくる人は用心した方がいい。現代社会では、”不安ビジネス”がはびこっている。

昔は簡単にビジネスを広げられた。モノが足りない時代だったからだ。食べ物、衣類、家電や車、自分の生活に不足するものがあるから、簡単にお金を使ってくれた。ところが、十分にモノにあふれた現代では、簡単には買ってくれない。
そこで、ビジネスマンたちは不安をあおる。受験ビジネスが典型例だ。都会で子育てしている人は身に覚えがあるだろう。まわりの子どもたちが学習塾に行き始めると、「うちの子も行った方がいいかな」と思って、塾の説明会に行ってみる。
すると、「小学校高学年になってからだと遅いんです。低学年のうちから学習する習慣をつけないと手遅れになります」などと不安をあおられて、低学年のうちから中学受験という重課金ゲームに参加させられる。
銀行も同じだ。銀行の人たちが、このままだと老後資金が不安じゃないですかとやさしく声をかけてくれる。
そして、「預金で眠らせているのは、もったいないですよ」と言って、投資運用をすすめてくる。彼らが投資の手数料で儲けようとしているのは間違いない。
しかし、おかしくないか?
預金は銀行の金庫で眠っていない。銀行の仕事は金庫の中でお金を保管することではない。企業に融資したり、日本国債を買ったりして運用することだ。
しかし、その彼らは自分たちで運用する自信がない。だから、投資の手数料で稼ごうとしている。
彼らの言葉は相当割り引いて受け取った方がいい。彼らが老後を心配してくれるのは不安ビジネスのためだ。そして、運用するのが簡単ではないことも十分わかった上で、投資運用を勧めている。

儲けている時だけ自慢する自称投資家たち

次に紹介する人は、自己顕示欲丸出しの人たちだ。

「コツさえわかれば株なんて簡単だ。100万で買った株が、300万で売れたよ。一ヶ月で200万円も儲けた」
Twitterでもネット記事でも、こんな話をよく目にする。自分も株式投資を始めなきゃいけないと思ってしまう。
周りにもいないだろうか?聞いてもいないのに、自分の儲け話をしてくる人。
「7000万円で買ったマンションが1億円で売れたよ。絶対マンションに投資した方がいいよ」
彼らは、投資をすすめたいわけではなく、自分が儲けたことを自慢したいだけだ。
これらの情報には自己顕示欲による偏りがある。
世の中には、儲けている人たちだけではない。100万円で買った株を300万円で売った人の裏には、100万円で株を売った人と300万円で株を買った人が必ず存在している。
損している人は、「株なんて難しいぜ。俺は200万円も損しちまったぜ」なんてつぶやいたりはしない。
僕らの目にする情報は自然と偏っていく。

投資について、こういう反論もあるかもしれない。
「値段が上がり続けていれば、だれも損しないはずだ」
これはねずみ講と同じで、高くても常に買ってくれる人が存在し続ければその通りだ。しかし、それは不可能だ。いつかは買う人がいなくなり、30年前、バブルは崩壊した。仮想通貨も良い例だ。最近、仮想通貨の話をする人がめっきり減ったと思わないだろうか。

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半径1mのお金と経済の話

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お金や経済の話はとっつきにくく難しいですよね。ここでは、身近な話から広げて、お金や経済、社会の仕組みなどについて書いていこうと思います。 …

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