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宮川くんの家にスーパーマリオをやりに行ったときの話

小学校4年生のときにスーパーマリオブラザーズが発売されたんだけど、同級生の中では呉服屋の息子の宮川くん(金持ち)が一番早く手に入れて学校で自慢しててめちゃめちゃ羨ましかったからやらせてもらおうと思って宮川くんの家に遊びに行ったら、宮川くんずっと一人で延々とスーパーマリオをやり続けて、最初はおれも「おー!すげー!」とか言って宮川くんを盛り上げながら見てたんだけど、いつまでたってもやらせてくれる気配がないのでちょっと遠慮がちに「次おれにもやらして」って言ったら、宮川くんは「ああ、うん」と言っただけでその後もずっと一人でスーパーマリオをやり続けて、しばらくのちに満足したのか電源を切ってスーパーマリオのカセットを抜いてから、「コレやりなよ」と言って「スーパーアラビアン」というよくわからないゲームのカセットを差し込んでコントローラーを渡してきたんだけど、これがスーパーマリオを見た後だとどのツラ下げて"スーパー"名乗ってンだよという泣きたくなるぐらいつまらないゲームで、でも成れ果て少年は気が弱かったので素直にそのスーパーアラビアンを少しだけ遊んで何かを察してスーパーマリオをあきらめて帰った。

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