マグカップ内の液体をこぼさずに運ぶには

この記事は”A Study on the Coffee Spilling Phenomena in the Low Impulse Regime"の内容になります。
Jiwon Han., Achievements in the Life Sciences., Vol.10, 1, 2016, 87-101

コップやグラスに入った飲み物をこぼさないように運ぶには・・・?
という問題について研究。

この論文では容器を振動させることで液体にどのような流動が発生するかについて検証しています。
振動や攪拌時に液面が長期的な周期で大きく動くことをスロッシング(Sloshing)といいます。スロッシングの発生→容器の縁を超えて液が溢れてしまうことでこぼれてしまいます。
スロッシングが発生する条件は与える振動数によっても、容器の形によっても、内容量やその粘度によっても変わってきます。

水のような粘度の低い液体を攪拌する際スロッシングを防ぐ方法としては攪拌によって生じる流れを遮るような邪魔板を入れるようなことをします。他にも流れを安定化させるような固体を混ぜたりすることで達成されます。これは縦型洗濯機の中に洗濯物を入れるようなものです。
飲み物を運ぶ場合でも流動を妨げるような複雑な形状をしているコップを使えばいいかもしれませんが、そんなコップはきっと飲みにくいでしょう。
液中に氷などをたくさん入れることでダイナミックな流動を抑え、スロッシングを抑制することができるかもしれません。

今回の論文で行っている検証で面白いのはどういう持ち方をするとこぼれにくいかという話。
効果的な持ち方の名前がかっこいい。"claw-hand"法によりスロッシングが抑えられるそうだ。
claw-hand法がどのようにスロッシング抑制しているかについての考察も論文で触れている。

この論文はオープンアクセスになっているので誰でも読めます。
ひまなときに読んでみて

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