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『俺が代 さよなら平成ツアー』アフタートークゲスト極私的紹介

今回のツアーでは、各地で5人のゲストを呼んで、終演後にアフタートークを実施する。話し合いは行っているが、基本的に、僕がこの作品を上演した後に喋りたいと思った方々ばかりにトークをお願いした(劇団主宰者としての数少ない役得なのである)。その結果、大学教授、舞踏家、プロデューサー、能楽師、漫才師と、多種多様なラインナップとなった。そのラインナップを、極私的に紹介します

名古屋公演 4月19日 相馬千秋
芸術公社の代表であり、あいちトリエンナーレのパフォーミングアーツ部門のキュレーターを務める相馬千秋氏。彼女がディレクターを務めたF/Tがなければ、おそらく僕はこんな芸風にはならなかっただろうし、おそらく演劇なんて辞めていたであろうというくらい、彼女の演劇に対する姿勢については影響を受けた存在(だが、一番始めは、CINRAのインタビューで話をして、ほぼケンカ腰で突っかかっていた記憶がある)。おそらく、社会と演劇とが接続する可能性について、あいちトリエンナーレのキュレーションも含めたアフタートークとなるのではないかと思います。

名古屋公演 4月20日 笠井叡
今回の名古屋公演で、「笠井叡さんの『日本国憲法を踊る』との上演にしたい」という話を聞いて、腰が抜けるかと思った。まさか、笠井叡とかもめマシーンのセット券が販売される日が来るとは……(セットで5000円!)。60年代から活躍し、ダンスではなく「舞踏」という表現ジャンルを新たに生み出した伝説と形容できる人物。年代も、表現のジャンルも異なる中、どのようにして日本国憲法を取り扱っているのか、という話ができればと思っています。

早稲田公演 4月28日安田登(能楽師)
下掛宝生流ワキ方の能楽師として活躍する安田登氏。昨年、「音で見るダンスのワークインプログレス」のレポートのために取材をした時に、「謡いによって生起するイメージを「見る」という話や、文字以前の「言葉」という話を聞いたのがとても印象的だった。彼の著書のタイトルを借りれば、俺が代という作品は、憲法と観客との「あわい」に立つものではないかと思う。

早稲田公演 4月30日細馬宏通(人間行動学者)
人間行動学者という、とても不思議な肩書を持っている人。今年から早稲田の教授に就任した。以前、介護をする必要に迫られた時、彼の著書「介護するからだ」を読んだら介護生活がかなり楽になった。人間のコミュニケーションは、極めて微細な動きによって成り立っている。憲法を発する身体は、どのようにして言葉とコミュニケートしてるのか、といった話になると楽しいと思っている。なお、初めて、アフタートークをお願いする代わりに、引っ越しを手伝うということになった。大学教授研究室の引っ越しは大変だ。

沖縄公演 5月5日榎森耕助(せやろがいおじさん)
お笑いコンビ「リップサービス」のえもやんこと榎森耕助氏。「せやろがいおじさん」という名前で活躍するYouTubeの動画を見たことがある人も多いだろう。おそらく、演劇のアフタートークの経験はないだろうと思ったものの、ダメ元でオファーしたところOKが出た。
演劇かお笑いかという表現方法こそ違うが、「護憲/改憲ではなく憲法に触れる」という僕らのスタンスは、彼のビデオに近い部分があるのではないかと思っている。僕は、彼のスタンスに対して心底共感する。

なお、せやろがいおじさんのラインスタンプも販売中


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