2023/9/29(ラブシャレポート)

 よく考えたら先月に行ったライブレポートをしていなかったと思うので、このタイミングでまさかのライブレポを行います。

8月26日(土)SWEET LOVE SHOWER
 朝から山中湖に突撃したおかげで、渋滞の影響も受けず会場入りすることができた。
 ユニゾンスクエアガーデンを最前で観るために、そのひとつ前のNEEから観ていたのだが、あまりにもNEEが良すぎて最近定期的に聴いている。ギター夕日が本当にギターが上手くて、見習わなければと思った。楽曲でいうと不革命前夜はやはりキラーチューンとして、初見の僕のハートをしっかり射抜いた。Baかほの安定感とコーラスの良さたるや。顔もかわいいし素敵。結婚してほしい。不革命前夜といえばまた夕日の話になるのだが、ロータリースピーカーのようなコーラスサウンドで味付けしたギターリフが特徴で、「SIMAITAI」あたりのBase ball bearを思い出した。現代ロックにおいて、ああいった飛び道具のような音作りは同期のイメージが強いけれど、確実な440Hzで音を出すことのできない不安定なギターという楽器で鳴らすんだ、という意志を、人はロックンロールと呼ぶのだろうな、と改めて思った。夕日に関しては何となくレッチリとかあの辺の影響を受けてそうだな、と思っていたが、ちゃんとボードにターボディストーションとCE-1が載っていてにやにやした。くぅのアディクトーン製のギターもいい音していてよかった。リズムギターがリズムギターらしい音で存在する、それは当たり前のようでなかなか難しい。
 そのままユニゾンスクエアガーデンを観た。最前の距離感で観るユニゾンは迫力が違う。スピーカー近くだったから、音圧で頭がやられそうだった。おおよそ3ピースバンドで出していい迫力ではない。特に田淵。あんなに動きながらだとピッキングのニュアンスまでこだわれないだろう、と思っていたがその通りで、前バンドNEEのかほと比べると明らかにピッキングパワーが強すぎる。指ではじく音、バチっという弦の鳴りすべてが凶悪。3ピースバンドのサウンドメイクを考えると、ある程度出力があるベースはありがたいけれど、あそこまで凶悪でなくて良くてよ? Dr鈴木の圧倒的なドラムプレイは相変わらず目を見張る物がある。何がどうなっちゃっているのかがわからないが、この男もまた鋭く僕の頭を刺してきた。この日のユニゾンはリズム隊が僕を食って掛かってきていた。
 続いて須田景凪。正直アニメのOPのメロウ目当てで観に行ったが、須田景凪=バルーン=シャルルつくった人ということを忘れていて、不意に来たシャルルが大変よくノれた。昔カラオケで友人の歌うシャルルを聞かされ続けていたが、本人歌唱はやはり違うね……歌が上手い。
 雲を恋う、パレイドリアも最高にはまってしまい、連日リピートしている。じめっとした夏の終わりにぴったり。
 斎遊記 というユニゾン斎藤のアコギステージを見に行った。ギターも歌も相変わらず上手い、この男。若者のすべて、最高でした。
 土砂降りの雨に見舞われながら、最後はASIAN KUNG-FU GENERATION。雨が頬を伝う中、ブルートレインから始まる。状況と曲の親和性が高く、雨もまた演出かな……とすら思った。アジカンでなければ出すことができないグルーヴがそこにはあった。

 僕は音楽をスピーカーで聴くのが好きだ。それも、スマホのスピーカーで流したりする。音楽をやっている人間として有り得ないと思われるかもしれないが(なんなら否定してくる人間など山ほど心当たりがある)。
 この聴き方は、生活と音楽を混ぜられるから好きなのだ。細かく音楽を聴くのも大事だと思ってるし、そういう聴き方ももちろんしている。きちんと聴くたびに垣間見える技術者へのリスペクトは一ミリたりとも忘れたことはないし、そういった方のクレジットはTHE FIRST TAKEにもきちんと刻まれていて欲しいと思う。
 でも僕は、音楽は生活の一部だと思っていて、生活あるいは日常の中の大部分を占めている空気に溶かす聴き方が一番人間らしく聴けている気がしているのだ。ライブが好きなのはそういうところにあって、雨合羽を着用することで多少ハイが削れて聞こえたりとか、どんなに大きなスピーカーで鳴らしても、耳元に垂れる雨音のほうが大きかったりとか、他の客の声とか(いや合唱し始める奴は嫌なんだけど)、僕はそういうのと混ざった音楽が好きなのだ。今回のアジカンで、やっぱり僕の好きな音楽は生活と混ざり合っているものなのだと再認識した。また、山中湖という場所も良く、天然のリバーブが効いていて、うっとりする良さがある。
 場で音楽を鳴らすことで、僕らは心で交流する。僕が苦しいのは、音楽をやりながらも心で交流できていないからなのだ。僕は人気者になりたくて音楽をやっているんじゃないし、ビジネスとして音楽をやっているわけじゃない。なのに、これらを行って、僕は一体どうやって人の明滅を視ることができるのだろうか。一番音量が大きくて前に来るのは、生活と音楽。ボリュームミックスがうまくできていないのだ。
 
 といった感じでライブレポというものを初めて書いてみたが、あまりにも私情が挟まり過ぎている。世の#日曜日だし邦ロック好きと繋がりたい  タグを使用している貴様らのように生きることができないため、貴様らが読むには難しいかもしれないが、僕は貴様らとともに音楽を共有したことは思い出の一部として残っている。向こう三年は貴様らのいる音楽フェスに行く気はないけれど。
 次回、9/1 TOOBOE -交遊録-編に続く。

牛丼を食べたいです。