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たぶん雪で合ってる

2月6日
昼間、街を歩いていたら、白いものがブワッとあたり一面に舞った。
どこかのビルから、塵だか埃だかが撒かれたと思った。反射的に身を固くした。
それが、もしかしたら雪かもしれないと理解するまで、5秒はかかった。

例えば、コインランドリーの前を通りかかったとき、
洗剤、洗い立ての洗濯物、それが乾いた匂いがして、
ああ、良いな!と思ったあと、待てよこれは「他人の洗濯物の匂い」じゃないか?と一度考えてしまってから、もうそう思うようになってしまったし、
雨上がりの土の匂いが嫌いじゃなかったのに、あれは埃の匂いだよと言われてからそう思うようになってしまったし、
猫のお腹の匂いはお日様の匂い!って言うけどあれも結局埃の匂いで、じゃあお日様の匂いは埃の匂いなの?そんなわけは

大人になるというのは、様々な経験を経て、あらゆる物事を「正しく」諦めていくことだと思っているのだが、
実は、本当は諦めなくて良いこともたくさん諦めてしまっていて、むしろそんなことばかりで、それが大人になるという罠
本当は諦めなくていいのに、諦めた方が楽(だと思い込んでいる)なことを、いつまでも諦めずに持ち続けられる人、子どもの部分を持ち続けられる人が
本当に素敵な大人だし、そもそも私たちみんな子どもだったんだから、罠だと気づけばこっちのもんなわけ

だけど、真っ白な粉雪を「うわっゴミだ!」と思ってしまったのは、さすがにひとり苦笑してしまった、これも経験が生んだ良くない大人の思考回路なのか?コインランドリーのときもショックだったけど上回ってるぞ。なぜか少し恥ずかしくもなって、逃げるように歩き出したら、すぐ止んだ。あまりに一瞬だった、本当に雪だったのか?雪だろう、白い埃が街中に舞う方が珍しい。
今年は雪が良く降る。昨日は見間違えようのない雪だったし、今週末も雪マークが付いているので、心してかかる。

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