好きなゲームに順位をつけること

先日ツイッターで「#自分を作り上げたゲーム4選」というタグが流れてきた。なるほど面白いと自分の4選を考え始めてみると、たったの4作品に絞るというもは実に難しく、数日かけてなんとかこの4作品を選んだのだった。
そもそも、ジャンルもハードも時代も全く違うゲーム達に順位をつけることは不可能だ。だから結局はゲームの点数ではなくて、私の人生というか出会いというか、そういう極めて主観的で他者に関わりないようなところで評価することとなった。
しかし、さんざん考えてやっと選んだのにこの「悩みポイント」がどこにも発露できずに脳内で消えていくのはなんかもったいない・・・。
そんなわけで私はnoteに記しておくこととした。

自分を作り上げたゲーム4選

ツイートにも書いたが、大切に思っているゲームはたくさんある。
「この作品を入れなくて本当に良いのか?」という作品が他にもたくさんあって、しかしそれでもこの4作品を「外す」ことができなかったのだ。
単純な面白さやゲーム史上での価値などではなく”私の4選”として選んだのがこの4作品だ。

・アレサ2-アリエルの不思議な旅-
・moon
・魔界戦記ディスガイア
・九龍妖魔學園記

個性的な仲間達と善き人々の世界を救う旅
正統派RPG「アレサ2-アリエルの不思議な旅-」

最初に説明しておくが、「アレサ2」という名前のゲームは2作品ありGB版がストーリー上の先行作品であり、私が選んだSFC版が続編作品である。
ただし私はGB版~SFC版アレサ1は遊んだことがなく、たまたま手に入れたSFC版アレサ2から始めたのでストーリーの全ては理解していない。
後にSFC版アレサを入手したが、GB版はGB自体を持っていないので諦めた。

スーパーファミコンのゲームなので、相当に古い。
それでも私にとってこのゲームが特別なのは「人生で始めてクリアしたゲーム」だからだ。正確にはスーパードンキーコングの方が先だったような気もするが、私のゲーム人生のスタート地点なので選ばないわけにはいかなかった。そしてもちろん、非常に楽しく良い思い出となったからこそ私は今でもゲームが大好きなのである。

アレサ2はファンタジーRPGだ。
主人公のアリエルが未知の世界に迷いこみ、個性的な仲間たちと出会いと別れを繰り返しながら世界の危機を救う(そして元の世界へ帰る)というものだ。キャラクターたちはとても個性的で活き活きとしている。
シナリオは王道だがソツがなく、衝撃や感動もたっぷりと盛り込まれている。一本道であるが、仲間の言動に説得力があるのでパーティの入れ替わりも自然と受け入れられる。多くの登場人物それぞれの人間性に触れながら旅をすすめるので世界への没入感も楽しめる。
※これから新規にアレサ2をプレイする人が何人いるかわからないが、一応この記事ではネタバレには触れないこととする。

戦闘システムは少し変わっていて、バトル画面では4方向に敵がランダムに表れる。進行方向の背後から敵が現れると先制攻撃を受けてしまい、囲まれると逃走が不可能となる。とにかく1方向でも敵を倒せば逃走が可能になる(失敗もある)のだ。現在ではめずらしくもないが、当時としてはかなり新しい試みだったのではないだろうか。
他にも装備品を生み出したり特殊な属性を付与したりしてオリジナリティを出せるシステムなども面白く、できることの幅も広かった。

アレサ2は1994年発売、メーカーはジグソーパズルメーカーのやのまん社だ。もちろん現在は製造終了しているが、中古品を手に取る機会があればぜひプレイしてみてほしい。
アレサシリーズの前作をプレイしていなくても問題はほとんない。
ちなみに私は音楽も大好きで特にレッドソー地域で流れる音楽が大好き。
割と序盤だからぜひ聞いてみて!聞け!!!!

アンチRPG、moon

アレサ2からRPGに入った私はその後FF、DQを含む様々なゲームをRPGを中心にちょこちょこと触っていた。今となっては少し恥ずかしい事だが、学生だった私は主に地元の小さな中古ゲーム屋(まだゲオは無かった)で安いプレステのゲームを買っていたのだった。
田舎の個人経営の店だからか品揃えは名作に限らずというか混沌という感じで、とはいえゲーム情報に詳しくもなかったので”パケ買い”をしていた。つまりほとんどのゲームを事前情報ゼロで遊んでいたのです。

moonとの出会いは衝撃的だった。
クリアした後、ゲームに対する認識というか、ゲームを作っている人を意識するようになった気がする。つまりゲームは木の実がなるように気が付いたら中古ゲーム屋に安く並ぶものではなく、誰かの思想・誰かの活動の成果なのだということだ。
このゲームの中は素敵な音楽に満ちている。いわゆるシステム音ではなくて喫茶店で流れるような”音楽”がたくさん入っていて、プレイヤーはゲーム内でその音源(レコード)を入手することで自由にその音楽を楽しめるようになる。ところで現実に私がこの音楽を手に入れるにはどうすればいいのかと思いいたる。誰かが作曲し、演奏したこの音楽。この三味線を弾いているのは誰なのだろうか。

発売は1997年、メーカーはラブデリック。
この会社は他にどんなゲームを出しているのだろう、サントラはあるのかな?と調べたら、メーカーは解散していた。
どうやら破産とかではなく方向性の違いとかのようだが、中古でたまたまこのゲームを手に入れた私にはこの会社のファンになる資格はない。
中古価格が高騰しており、現在は入手は困難だ。

やりこみ要素の爆弾、ディスガイア

ディスガイアは私が初めて全額を自分のお小遣いで支払って新品予約購入したゲームであるため、特に特別な思いを持っている。
大人になった今、発売中のゲームを中古購入することはまず無くなった。
そして、基本的にゲームは売らない。どんなゲームもお金を払って批評したいと思っているからだが、それと同時にこのディスガイアの購入による成功経験も大きく影響している。
私は本当に幸運なことに、初めて買ったゲームが素晴らしい作品だった。
支払った金額、予約から購入までの期待、これらを上回るだけの満足感を与えてくれるゲームと出会えたことが、新作の予約購入をする大きな理由のひとつでもある。

このゲームの凄いところはとにかく”終わらない”ということ。
もちろんシナリオには終わりがある。マルチエンディングのシナリオはほとんどの状況を持ち越したままはじめからスタートする(2周目以降)ことができる。単純にシナリオ改修までの時間が長いのか?そうではない。
まずレベル制限は9999。ダメージは100万とか1000万とかに上る。
シナリオキャラクター以外にもキャラクタークリエイトが可能で、戦士・僧侶・魔法使いといった基本的な職業からモンスター・魔族まで様々なキャラを作り、強化していくことができる。
更に道具(なんと消費アイテムにまで!)にも強化・育成要素がある。
メインシナリオではせいぜい80レベルもあれば十分なところ、サブシナリオやアイテム育成では100や1000レベルの敵がゴロゴロでてくる。
いったい何人のプレイヤーがすべてをやりこみつくしたのか。そもそもそんなことは可能なのか?

発売は日本一ソフトウェア。2003年発売のPS2ゲームだが、現在は追加要素の入った移植版がたくさん出ているのでお手持ちのゲーム機でも恐らく遊べるだろう。好評を受け、続作もボンボン出ている。
ちなみに私はディスガイアシリーズではこの無印しかプレイしていない。
2の発売時、まだ遊びきっていないのに次に行くのもな~と思ったのもあるし、あまりラブコメが好きでないからだ。なによりも私の最強キャラである僧侶(男)がリストラされてしまったのが悲しく、いまだに購入予定はない。
ただし私はすっかり日本一ソフトウェアのファンで、以降ファントム・キングダム、ソウルクレイドル、グリムグリモアといった新作を予約購入したり、ディスガイアのやりこみ要素の元になったといわれるラ・ピュセルなどもプレイした。どれも本当に良い作品で、いずれ紹介したいと思っている。

考えるという遊び、九龍妖魔學園紀

私にとってゲームというものは勉学とは反対の位置にあるものと思っていたし、恐らく私の両親もそう思っていた。だからゲームをしていると決まって「勉強もしないで遊んでばかり!」と怒られたものだった。
(そして私の場合、その通りであった)
九龍妖魔學園紀(以下九龍)はそんな私にとって衝撃的な作品であった。

九龍は学校の地下に眠る日本書紀などの日本神話をモチーフにした遺跡に潜入し、謎を解いたりモンスターと戦ったり仲間との生活を楽しんだりしながら秘宝の入手を目指すゲームだ。
「日常(學園)パート」「探索パート」「戦闘パート」に分けられ、日常では情報収集やシナリオの展開・仲間や装備に係ることができる。探索パートでは迷路のような遺跡内を謎を解きながら進み、素材や宝を入手する。戦闘パートは探索中に発生するザコ戦とシナリオ進行に係るボス戦がある。
どのパートも面白く、非常に完成度が高い。詳しくは個別に紹介したい。

私にとって衝撃的だったのは探索パートの内容だ。
例えば大国主命が何をした人(神)か説明できるだろうか?天照・月読・須佐之男の三柱はそれぞれ、イザナギ神の何から生まれたか知っているか?
なんとそれが探索パートのカギになっている。もちろん知らなくても何とかなるし、ゲーム内で説明もしてくれる。しかし私は知りたくなった。図書室で日本書紀を借り、ゲームの後に読み耽った。(結局宿題はしなかった)
するとゲームの中の細かな設定に理由があることに気が付き、もっと面白くなったのだ!”知”と”ゲーム”が同じ場所にあるという経験に驚いたし、嬉しかった。もちろん日本書紀に詳しいことが現代日本における”知”かは微妙だ。しかし、例えばWW2を題材にしたような作品を遊ぶとき、歴史を知るのと知らないのでは楽しみ方が変わるだろう。
知識を得ることは勉強ではなく、それ自体が娯楽であるし、他の娯楽をもっと味わい深くするのだということを実感した。

九龍妖魔學園紀はアトラスから2004年に発売された。ハードはPS2。
もしも購入を検討されているなら、無印ではなく「re:charge」の購入を強く勧める。内容は全く同じだが、非常に良好な追加要素がたくさんある。
無印からre:chargeへはセーブデータを引き継げないので、試しにやってみるかな~というつもりだとしてもre:chargeの方が全面的に良い。
発売元がアトラスだからか、3以降のペルソナシリーズに近いものを感じる。特にモンスターデザインなどはメガテン的な雰囲気がある。
ただし戦闘システムは大きくちがう。私はこの戦闘システムが実に気に入っているので、後継作を長く待ちわびている。
PSPで発売された東京鬼祓師は良作であるが、ハードの都合か若干のスケールダウンが感じられる。それでも十分に良い作品なので九龍がすごすぎたんだよなぁ・・・。

個別の記事を作ります

語りが長すぎてぜんぜん選外作品について語れないじゃねーか!
ごめんなさいねぇ…。記事分割させていただきます(ヨボヨボ)