むか〜し、ある“求人広告を作っている”会社の面接に行った。
「求人広告の制作」しか情報がなくちょっと？？？と思いながらも、当時そういう会社をいくつか受けていたこともあって、まっ似たようなモンやろ思て面接に向かった。
とあるビルの何階か、結構広いフロアに机とPCが並んでいてよくあるフツーの会社。ちょっと小綺麗やし私服の人や女性の方も何人かいてはって、DTPとか広告制作会社ではよくある風景。

で、部屋に通され待つ。
と、Tシャツ着た同年代のにいちゃんが２人入ってきた。
さすがに面接はスーツ姿のおじさんやと思てたから「え？」となったけど、どうやらそのにいちゃんらが今日の面接官らしい。
ま、とりあえず１次面接としてその部署かなんかの社員さんなんやろな、と。

で、よくよく聞いてみると「求人広告の制作」ってのは『風俗の求人広告』やったわ!!

正直そんな予想してなかったけど、あーはいはい、なるほどねー、と。
ってか、向こうも「実はね、風俗のなんですぅー」みたいな言い方してたからなー。

で、こんな求人広告を作ってて〜こんな求人広告を作ってて〜言うて資料を見せられんねんけど、まぁいわゆる“萌え”ってゆうやつ？そういうイラストが載ってる広告で、“萌えキャラ”って言うのん？よう知らんけどそういう女の子がバナナ持ってるぅとか、“萌え”の女の子が下着姿で寝そべってるぅ、
みたいなやつやねん、どれも。
おもろ!! 思て。

で、まぁ自分的には（その風俗ってことが）全然問題なく、見た所ちゃんとした会社のちゃんとした仕事やし、当時DTPで仕事探してたし、未経験OKなら尚更やし、しっかり自分をアピールして面接が進んでてんな。

で、「これで面接は終了です」となった後にそのにいちゃんが一言、
「んじゃ、実技テストやりまぁす、女の子のイラスト描いてくださぁい」と。

『え!!?』

ってなるやん、そんなん聞いてへんしぃ。
イラスト描けなあかんなんか聞いてへんしぃ。
しかも、さっき見た資料に描いてあったような“可愛い女の子”のイラストを描けと。んじゃ20分後くらいにまた来まぁす、と。

で、部屋に一人になって考えたな、マジか!!って。
あんなん（萌えのん）よう描かん!!って。

で、自分がその後どう考えたかって言うと、
『トライしてみよう!!』
って思てん。
一瞬「そんなイラスト描けないんで、すいませんこれで失礼します」ってのもホンマ一瞬思てんけど、
なんかおもろいやん!! やってみようゼ!!
って思てん。

なんか、まぁ全然たいしたことないけど、なんか逆境やん、そら受かるつもりで面接行ってるし、それなりに気合い入れて挑んでるし。
で、その面接の最後の最後に萌えの女の子描けー言われて、そんなんよう描きましぇ〜ん、て。逆境やん。もう受かるわけない面接やん、逆境やん。

でも、その逆境を楽しんダレ!!って思てんな。
なんかコレおもろいやん!!って思てんな。

って、これって究極の“エンターテインメント”やと思うんスよ、ボクわ!!
これぞエンターテインメントやと思うんスよ!!
いかに逆境を楽しむか、自分にとっての負のモノをいかに“笑い”に変えるか、大笑いこそできなくてもそこに何かを見つけてクスッとでも笑えるようにするか。（↑↑↑もちろん全然たいしたことない逆境やけどね）
ってか、おかげで今こうしてココに書けてるしな。

で、“萌え萌え女の子”を描くわけやけど、そんなん描いたことないねんからようでけんねん。ほんでそのにいちゃん２人もさっきの資料置いといてくれたらええのにしっかり持って行ってて、参考にするもんもないしー。
で、20分くらいかけて描いたんかな、もうその可愛い路線は絶対無理やからなんかキャラ的なんにしたかな、なんか３頭身くらいのキャラクターっぽいやつ、それでごまかして。
いゃでも自分的にはようできてたで、しかし。

で、その面接官のにいちゃんら２人が30分経っても戻ってけえへんから、できました〜言うて呼びに行って『これでドヤ!!』思いながら見せたら一目見たにいちゃん２人が声合わせて一言、

「かわいくねぇ〜〜〜〜〜!!」って。

３人で大爆笑して面接終了。

落ちました。