見出し画像

感情をちいさくまるめてポケットにしまって忘れたことにしよう(なんでもない日に短歌でタイトルをつける日記1/27~1/31)

好きな歌集から短歌を、毎日の日記のタイトルに頂いて、一週間分の日記を書いています。たまに自分で短歌を詠むこともあります。

27日

タイトルを端から眺めていく時間 好きも嫌いもまだないままに

『音楽』岡野大嗣

『不適切にもほどがある』第1話視聴。途中まで、比較的楽しんで見ていたが、ミュージカルのシーンが個人的には冗長のような気がする。往々にして好みの分かれるものだし、さまざまな意見があるだろうけど、2話以降を見るべきか検討中。改めて、冬ドラマのラインナップを見る。現状、見続けるだろうタイトルは『光る君へ』、『アイのない恋人たち』、『春になったら』、『さよならマエストロ』など。

28日

「悩む」とは想像力に火をつけて無数の道を照らすことです

『あなたのための短歌集』木下龍也

引き続き、求人と睨めっこしている。いろいろと求人を見ていると、もっと自分に向いている仕事を探してみたいという欲がふつふつと湧いていくる。しばらく続けているテレオペに飽きた、というのもあるし、自分自身の得手不得手を考えると、もっと別の仕事があるように思う。思いたい。選択肢を今まで考えてなかった仕事に広げたことで、悩みが深まっているが、どうなることやら。

昨日、投稿したnoteのタイトルに詠んだ短歌に手を加える。もとの下の句は「オルタナティブを探す毎日」だったが、改めて詠みなおしてみた。

失われつつある若さが恋しくてオルタナティブを探す路地裏

「毎日」だとのっぺり漫然と探しているかどうかもわからない態度で探していそうだが、「路地裏」とすると、とにかく必死に探している雰囲気になるのではないか。たぶん、そこでは見つからないだろうけれど(笑)。

『乳と卵』を読了した。思考を垂れ流しているような文章は、口語とも違って、端的に言って読みづらい。読みづらいってのは、書きづらいことの裏返しでもあると思う。つまるところ、よくこの文体で1冊書いたな、と感心してしまうような読み味。内容についても、なかなか小説で見かけない類の登場人物たちの物語だと思う。そう考えると、二重の意味で小説にしづらい気がする。
続編の『夏物語』は長いからそのうち……。

29日

フライングタイガーで要らない物を買う 元気はそれで出ることがある

『音楽』岡野大嗣

今日はやたらと暴言を撒き散らす客の電話対応をした。暴言の間に謝りつつ、「自分は知的障害があるから」と暴言の言い訳をする客。そういった客のそれぞれに苛立つということはないが、暴言を聞くのは疲れる。
そういうときの処方箋にちょうどいいのがフライングタイガーのオンラインショップ。商品紹介が実に愉快だから、ぜひ見てほしい。
たとえば、この商品の紹介文。

そらしたね、目を。 逃げたね、今。 逃げられないんだよ、このクチビルからは。 さあ、覚悟しな。この愛を、受け取りな。 バレンタインのフラワーベース。高さは8.8cm。 バレンタインなら、あなたの前に。 バレンタインなら、フライング タイガー コペンハーゲン。

ものを買わずとも元気をくれる、サービス精神旺盛なフライングタイガー。 ちなみに、岡野大嗣さんの歌集『音楽』にはもう一首フライングタイガーの短歌がある。

フライングタイガーの一方通行に花見の脇をゆくようにいる

用もなく男ひとりで実店舗に入るのは気が引ける。が、主役は桜だと思えば、周りを気にせず来店できるような気がする。

30日

あくびして頬に涙がたれたとき泣き叫びたい自分に気づく

『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』枡野浩一

年末に6年目を迎えたiPhoneの画面に縦ストライプが入った。カバー画像の通りだ。光の関係で白く見えるが、実際はもっときつい色合いをしていて、さすがに新調しようかと思案している。仕事探しに右往左往しているこのタイミングでの、破損はさすがに頭を抱えた。2月以降の仕事でいい職に就ければ、心おきなく機種変更できるのだが、そういう意味ではそれをモチベーションに職探しをがんばるしかないか……。

改めて自分の現状の「ヤバさ」を突きつけられた気分だ。寒風吹き荒ぶなかで、ふっと目尻に涙がにじむ。泣き叫びたいわけではないし、むしろ笑えてくる。いや、積極的に笑い話にしていこう。開きなおるしかない。

noteやニュース、WEB記事などは、しばらく読む気にはなれないが、こんな状態でもスマホとしての機能はきちんと使えるのだから、不思議である。

31日

容量を 食う感情は 圧縮を 繰り返されて もう開けない

『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭

2月以降の仕事も決まらないままに、派遣先の最後の出勤日を迎えてしまった。加えて、のどが痛く風邪気味という踏んだり蹴ったりな状況。スマホの画面も当初は開き直っておもしろがろうとしていたものの、使っていると不便だらけでやっぱり開きなおれない。

ぼくの要望通り、派遣先の退職の送別品としてEAAを受け取った。別れはそれなりに寂しいものだが、もともと人付き合いには拘泥しないようにしているので、また新しい生活に向けて、前を向いて歩いていこうと思う。
退勤後に、なぜかテンションが上がって、本を3冊買ってしまった。新品本を1冊。中古本を2冊。芥川賞受賞作の『東京都同情塔』(九段理恵・著)『夜はおしまい』『星のように離れて雨のように散った』(ともに島本理生・著)

そうこうしている間に、日本代表はアジアカップを勝ち進み、一方で伊東純也は性加害報道で俄かに話題になっている。無罪推定の原則を考えれば、出場しても問題はないはずだが、こればっかりは人気商売だからな。サッカーファンとしては残念でならないが、不謹慎ながらアジアカップの成績とそれに対する報道にどう影響するかは気になるところ。

どうでもいいけど、「せいかがい」で変換すると、「成果外」だの「精華街」だのと変換されて、案外PCもバカだな、と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?