いつもの頭痛薬でアナフィラキシーショックを起こした話

 アナフィラキシーショック。
 昨今はわりと聞いたことあるレベルの単語になってきましたが、実際のところどんなものなのか。
  自分がなるまで、アナフィラキシーは「蕁麻疹」が出て「気道がふさがり呼吸困難になる」といったイメージが強かった。 ところがこの知っていたのとは違う症状が出ました。
  そのため、危機感が少なく対処が遅くなってしまったのでちょっと長くなるけど経緯を書こうと思います。
 
  当時30歳。 毎度のことながらそのときも生理痛が強めでした。
  下腹も腰も痛いし、生理中は毎回お腹まで下すタイプ。 上記に加え、ひどいときは痛みのあまり嘔吐します。
  なので、鎮痛薬は必須!それも速効性がいい!!
 その日も痛みで寝つきが悪そうで、就寝前にイブプロフェン配合の解熱鎮痛薬を飲む。効いてきたら痛みも和らいでうとうとしてくるだろう。
  しばらくするとお腹や太ももの後ろなどが痒い。 生理中ということもあり、持病のアトピーの調子もよくない。
  発現部位もアトピーがある場所だしと確認もせず、電気を付けて薬を塗るのも面倒でそのまま放置して寝ることに。
  痒い眠いで寝付けないまま時計を見ると深夜2時半。 その後、眠いが勝ってなんとか眠りにつく。
 
  翌朝9時半。 お腹が痛くて目覚める。
  相変わらず下腹が痛いなぁ…と、いつもどおり解熱鎮痛薬を服用。
 5分後。猛烈な吐き気がしてトイレへ駆け込む。
 薬はちょっと溶けた状態で出てきてしまう。 ひとしきり吐き終わったら急激な腹痛からの下痢。
  ゴロゴロ鳴るお腹を抱えて30分ほどもだえる。
  何だよ…今回の生理痛はなんでこんな痛みのフルコースなんだよ(´;ω;`)

 10時。痛みが徐々に治まるとピリピリとした痛みとお腹が痒い。
  服をまくってみるのお腹一面に蕁麻疹。 腕も痒いので袖をまくるとこっちも蕁麻疹。
 慌てて服を脱いで確認すると背中も足も同じ感じでもう全身に蕁麻疹。
 思わず自分でも「おぉ…」とちょっと引く。
  母親にとりあえず電話をかけると兄(一人暮らしで別居)のところへ届け物があるのでそちらへ行っていると。
 帰りは早くて12時くらいかなとのこと。
 我が家の車は一台。車がないので最寄りの内科に行くなら徒歩30分か…。
  相変わらずお腹がいつ下るかわからない不穏な空気を出している。タクシー使うまでも…というか腹具合が不穏すぎるし、徒歩もタクシーも諦めよう。
 そして午後イチで病院いけばいいかなと。とりあえず肌がピリピリ痛みだしたのて、肌に触れる面積を減らそうと思いゆったりした服へ着替える。
  蕁麻疹はたぶんさっき飲んだ解熱鎮痛薬の副作用かもしれない。ただ、 喉が痒いとか呼吸がしづらいなんて症状もないし、すぐに受診なんてわけじゃないよね。
  ちゃんと薬の添付文書も持っていこう、お薬手帳もと準備万端。
  しばらくして顔が熱いなと思ったら顔まで蕁麻疹が広がってきてまぶたがパンパンに腫れている。
「わーお…びっくりするほどブスだな…!これ戻んのかな?」と自分の顔にドン引きする。
  痒みを越えて痛いので、タオルに保冷剤を包んでとりあえず冷やすことにする。

  11時40分。
 母親から連絡があったのか、たまたま仕事で自宅の付近へきていた父親が休憩時間となり社用車で病院へ運んでくれることになる。

  11時45分。
 内科の受付で「この薬を飲んだ後に蕁麻疹がでました」と一緒に添付文書を渡す。
  久しぶりに来院したので、問診票を書いていたら診察室から医師登場。
  一目見て「ここまで全身に広がっているともう皮膚科へいったほうがいい。かかりつけは?」と。
 内科の病院から徒歩5分ほどの場所にある皮膚科がかかりつけだと伝えると、今すぐにそちらへ行きなさいとの指示。
  「お代は…?」と聞くと受付の方から「今回は診察なしで大丈夫だから午前の診療に間に合うようにすぐ行っておいで。皮膚科へは電話しておくから!」 対応が優しさであふれている。
  お礼を言ってすぐ皮膚科へ向かう。
  内科医院を出るタイミングでちょうど母親と合流する。

 11時50分。
 皮膚科へ到着。 受付にて「先ほど○○内科からお電話してもらったもち犬です。薬を飲んだ後に蕁麻疹が出たので、添付文書を持ってきました」と症状を伝え添付文書も渡す。
  即答で「混みあっているので午後の診療になりますね。午後も午前中の患者さんの続きからになるので、それでよければ午後の方に名前を書いてください」 忙しいのは分かるが対応がクールすぎる( ・∀・)
 内科ではすぐに皮膚科で診察を!って感じだったけれど、電話を受けてこの対応は緊急性低かった?
 なんかすぐ診てほしい空気だしてすまんかった。 受け取られた保険証と一緒に添付文書は後方へスルー(´・ω・`)
 よ、読まないの? 読まなくてもいいけど、看護師さんに渡すとか声かけ…もないんだ。
 それよりもなんかさっきからやたら段々だるくなってきてつらい。おとなしく一旦帰ってまた午後に出直そう。

 帰宅後も蕁麻疹は引くどころか増え続けて、全身が痛いしだるい。
 食事を摂るのも診察されてないし怖いなとスポーツドリンクだけを少し飲む。
 顔も赤くない場所のほうが少ないし、時間が経てば多少ひいてくると思ったけど蕁麻疹ヤバくね?
 ぐったりしてきた様子を見た母親が「午後の診療、ちょっと早くいって看護師さんに聞いてみようね」と心配そうにしている。元気がなく、頷くくらいしかできなかった。

  13時50分。
 ふたたび皮膚科へ! 受付にて看護師さんを呼んでもらう。母が。
 いや…喋る元気を失いつつあったので、心配して付き添いで来てくれました。
 看護師さんには先程、 受付へ渡していた添付文書を見せて…症状は言うまでもなく見た目で完璧に伝わっている。
「ちょっとコピーをとらせてきてね」といって戻ってきたと思ったらすぐに診察室へ連れていかれる。
  混んでるのに…午前中の続きの患者さんもいるのに順番抜かして申し訳ねぇ…(´;ω;`)
 症状により順番が前後することがございますの貼り紙を横目にそんなことを思っていた。
 先生からは「かなり全身にひろがっているから点滴じゃなくて強めの内服薬をだすね。肝臓が悪かったりしない?」と聞かれる。
  肝臓は定期的に血液検査しているし、むしろ強いと自信があるよ!
「蕁麻疹が痛いんですけど…」と質問すると「痛い?痒みじゃなくて?」と疑問視される。
 症状がかなり出ているから明日も土曜だけれど午前の診療で来てほしいと告げられる
 そして処置室で塗り薬もつけてもらう。 耳にまで塗りだしたところで「そんなとこにも?!」とびっくりする。
 いっぱい薬も塗ったしもう大丈夫だろう。
 処置と会計を終え、階下の調剤薬局へ薬をもらいに行く。

 14時20分。わりとすぐに名前を呼ばれ、薬剤師さんから薬の説明。
 「食事を摂ってないんですけど、どのタイミングで飲めば?」と聞いたあたりで、急激に目眩がする。
 音が遠くなり、思わずしゃがみこむ。
 「ちょっと目眩がして…」と言うと薬剤師さんから「遅れて症状が出ることもあるので、中で少し休まれて行っていいですよ」とのお言葉に甘えて休ませてもらう。
  母親から薬はもらってくるから車に戻って寝ていていいよーと言われるも、尋常でない目眩になぜか断固拒否。
 なんか本能が病院から離れちゃだめって言ってる。
  他に一組しか患者さんもいないので、薬局内のソファーを借りる。
  お酒に酩酊したときの目眩の比じゃない。
  横たわっていても強く揺れる感じと…「なんか気持ち悪くて吐きそう…」 薬局からご好意でゲロ袋をいただく。
  そういえば朝イチ吐いたし、もうさっき飲んだちょびっとのスポドリだけなので何も出ない。
  目眩、吐き気に加えて尋常でない発汗が始まる。
  額を手でぬぐったらぐっしょり濡れている。
  母が背中をさすってくれているけるど、背中も汗びっしょり。
  発汗と同時に息苦しくなって、荒い呼吸を繰り返すようになる。
 多量の発汗のせいか寒い。
 最初に目眩を感じてから5分も経たずに、どんどん悪化していっている。
 手足が冷たく痺れがあり真っ白になっている…過呼吸かな?落ち着かないと。
 目眩はたしかにものすごいけど、過呼吸起こすほど気持ちは焦ってないはずなんだけどなにこれ。
  明らかに様子がおかしいので「上(皮膚科)の看護師さん呼びますね?!」と慌ただしくなる薬局内。
 周りを観察するくらいの余裕はあっても、激しい目眩と吐き気、発汗に息苦しさで「救急車呼んでぇ…」と内心でうっすら思い始める。
 この間に時々、目の前が真っ暗になったのは今思えば失神だったのかもしれない。
 上階から看護師さん到着。
「すぐ先生に診てもらいましょう!立って!」
  立てないよ?!横たわっているのが限界だよ!!
 上下左右の感覚すらつかめないし、起き上がるとそれだけで目の前が真っ暗になるし足もグラグラで力が入らない。
 母親と看護師さん2人がかりで半ば担ぎ上げるように立ち上がらせ、無理やり歩行。
 目の前が真っ暗になった後は、地面が目の前で体が折れているからここでようやく「暗くなるのって気絶やな」と気づく。
「寒い…眠い…」息苦しいし気持ち悪いのになぜか急激な眠気。
 「寝ないで!頑張って!」雪山遭難みたいだなぁ…( ´`)寝たら死ぬやつ。
 そして母と看護師さんにとって、難所の上り階段。すでに息絶え絶えである( ・∀・)
  何度か目の気絶する直前。

 ケツから温かいものを感じる。

 「あ、漏らしたかもしれない」 「これ…大のほうじゃね?」「う◯こ?うん◯なの?」

  肛門括約筋は自律神経の管轄。自律神経は生体の維持にかかわり自らの意思とは関係なく働いている。
  つまり肛門括約筋は自分の意思と関係なく弛んで、う◯こが出てしまうことは通常ではまずありえない。もし…仮にもしも漏らしたなら自律神経の働きが正常ではない。
 だとすると意識レベルが相当下がって危険な状態なのでは? これでいよいよ倒れて動けなくなったら、お母さんめっちゃ気にする。
 しっかりしないとヤバい。 それよりクソ漏らしたってバレたら三十路としてヤバい。
  生理中だからナプキンでなんとか間に合っててくれ(必死)
 漏らした疑惑で急激に意識がハッキリして勉強したばかりの人体の構造を思い出す。
  これまで休み休み歩いていたので休憩するかと聞かれても「休んだら歩けなくなるから(`・ω・´)」と別人のように階段をしっかり上りきる。
 そのままベッドのある処置室へ直行。
 
「靴脱がなくていいからすぐ横になって!」 「あぁ!靴そろえたりしなくていいから!」 すごい周りが今まで見たことない慌ただしさ。
  先生もいるし看護師さんが3人もいる。医療スタッフ総動員じゃないですか、これ。独占。
  「回復体位とらせて!血圧はかって!脈も!」 足元を少しタオルで高くして仰向けで寝かされる。
 これが回復体位…。
 左手で血圧。右手で脈拍。 「ちょっと首で脈を測らせてね」手首だと微弱でとれなかった模様。
「血圧でません!」 「もう1回測って!救急車を要請してきます」
  救急車?!
「ルートはとりますか?」 「搬送先にまかせるからとりあえずそのままで!」
  ドラマの会話だぁ…(°∀°)
 血圧測定不能が気になって「血圧、何で出ないんですか?」と聞いてみたら 「ちょっと下がっていて測れないみたい。大丈夫だからね!」と励まされる。
 もう…かれこれ4、5回そうだけど…そっか、ちょっとなら大丈夫だな(´・ω・`)
 これ、ちょっとではなかった。手首で脈がふれないときの推定血圧は80以下。
 首で脈がふれるのは60以上。そのため、上の血圧が推定60以上、80以下なのでしっかり低血圧です。

 「△△皮膚科です。救急車をお願いします。30歳女性、顔面蒼白でショックを起こしています」
 あれ?医師がいうショックってヤバいやつじゃなかったっけ?一般人のショックと違って。
 これ、わりと危険な状態のときに使う言葉じゃなかったっけ?
 呼吸は落ち着いてきたけど、顔面蒼白って言ってるし寒いし汗びっしょりだしな。
  寒がっていたら毛布をかけてもらえて、救急隊の到着をそのまま待ちます。
 いや…確かにさっき救急車呼んでって思ったけども想定外。
 意識もあるし、さっきより楽になってきたから救急車を呼んで申し訳ないと遠慮の気持ちが芽生える。
  腕がさっきから血の気がなく真っ白だけど蕁麻疹は消えた?
 蕁麻疹がないなら大丈夫かも、とそわそわする。
 
 幸いなことにも消防署が近くにあったのでスムーズに救急車の到着。
  階段があったせいか搬送に救急救命士3名全員で到着。
「担架に移しますね!イチ・ニ・サンッ!」これも ドラマで見たやつだ!
  階段を降りるため担架に付いているベルトで体をしっかり固定。すごいな、これ。
  母親と皮膚科の看護師さんも同乗して救急車へ。
 待合室をただならぬ空気にしてしまったが、そのまま搬送…ごめん、ホントあの時いた患者さんたちごめん。
 
「名前と生年月日は言えますか?」 「…西暦ですか?和暦ですか?」 ちょっとぼーっとしていたか初めての救急車に動揺していたわけの分からない質問をする。
  「どっちでもいいです」
  うん。自分でも、どっちでもいいと思う。ホント何で聞いちゃったんだろうね。
 「もち犬、昭和63年○月△日生まれです」
「意識レベルクリア!」 これもドラマで…以下略。
 「※橈骨拍動なし」 トウコツってなんだろう。後で調べようかなと謎の余裕と好奇心がある。
  ※橈骨【トウコツ】手首の骨のこと
 
  確認しながら指で酸素飽和度を測り、心電図も機械をつけたりテキパキ進んでいる。
  看護師さんから症状などの説明も。
  救急救命士さんが搬送先を車内の電話で探しながら走行して救急車すごいな…でも固いな、寝心地は求めちゃいけないな。
 15分ほどで病院へ到着し搬送完了。
  母親は待合室へ、自分は…ここはどこだろう。
 しばらく寝て待っていると別の場所からも救急車で腹痛の女の子が運ばれてきたり、手術が終わりましたよとおじいさんが連れてこられ家族に説明があっていたり。
  ざわざわしている。 ざわざわ…。
 病院に着いた安心感で寝たのか、意識がなくなったのか不明だがここからは記憶がない。
  針が刺さったことにすら覚えてないけど、点滴が終わったらしく起こされた。
  症状も治まったし、最後に診察があった。アナフィラキシーショックだった。
「また蕁麻疹とかぶり返しませんか?」と母親が心配して聞いていたけれど
「100%ではないけれどほぼ心配はいりませんね」と薬を処方してもらったのが16時半。
  やっと終わった( ´`) 真っ先にトイレに行くとやっぱりあの時ちょっと漏らしてた。
 ちょっと泣きそうだったしだいぶショックだった、精神的に。
  帰宅して朝から何も食べていなかったのでまずは食事!
 数種類の薬も出たので飲んで…安静にと言う両親へ「シャワーだけでも!」と懇願して漏らしたことを完璧になかったことにする。
  お母さん、心配かけてごめんな…。 親父も仕事の合間に病院つれてってくれた挙げ句、早退までさせてすまんかったな。
 ありがとう、おやすみ…。
 
 そして腹痛で目覚める深夜3時。
 下痢再来。
 蕁麻疹復活( ・∀・)
 確かに100%じゃなかったね。本人より慌てる両親。 救急搬送された病院へ電話して決めようと提案するなぜか冷静な張本人。
 さすがに救急車は呼ばず自家用車で深夜に再来院。
 そこにはお昼に会った先生がいた。 当直だったんですね…。
 これは起こしてしまった感じですね…。
 注射をしてもらって帰宅。 今度こそ症状は無事に治まりました。
  その後2週間は服薬が続いたけれど、1日でアトピーが出ていた肌がツルツルになった。
  飲み薬のステロイドってすげぇな!( ・∀・)そりゃあ肝臓が悪くないか聞かれるわけだわ。
  嘔吐や下痢、腹痛もアナフィラキシーの症状の1つだと後日知った。
  というより
 ① 皮膚、粘膜症状(全身の発疹、痒み、赤くなる、腫れる、蕁麻疹など)
 ② 呼吸器症状(呼吸困難、気道が狭くなる、ゼイゼイとという呼吸)
  ③ 循環器症状(血圧低下、意識障害)
  ④ 持続する消化器症状(腹部の痛み、嘔吐、下痢など)
 ①~④の中から複数の症状が出たらアナフィラキシー。
 血圧低下など循環器の症状が出たり重いものがアナフィラキシーショック。
  わたしの場合、生理痛とその諸症状に似ていて気付かなかったけど②以外は全部じゃね?
  ショックも調べたら血圧低下により目眩、多量の発汗、悪寒、呼吸が早くなる、脈拍が弱い、眠気や顔面蒼白など全部体感したわ、これ。
  非常に危険な状態じゃないか…。 血圧測定不能ってこういうことだったのか…。
  漏らさなかったらあの強烈な眠さに負けてそのまま意識消失したままだったと思う。苦しいしきつくて、このまま寝たら楽だなと考えてたから。
 最後にギリギリ保たれた意識の中で漏らした疑惑、まぁ事実漏らしましたけども!
 結果、意識が覚醒して体だけは事なきを得た(・∀・)精神的ダメージは甚大。
  日本人の恥の概念ってすごいと思う。

 あと症状をぶり返す経過はやっぱり珍しかったみたいで。
 二峰性反応といってまれに起こる。症状が重いほうが起こしやすくはある。
 皮膚科があってなおかつ入院可な病院に搬送されていたら一泊入院コースだったのだろう。
 色々と珍しい経過をたどったしと落ち着いてから、宝くじを買ったらフツーに外れた。
  後日、ちゃんと調べたくてアレルギー科のある病院にも行ってみた。
 「血液検査だと精度がそこまで高くない。入院してする検査だとこの薬の成分でアレルギー起こしたかはわかるけれど、そうするよりこれが入った薬は飲まないようにすればいいだけだよ」 イブプロフェンとアリルイソプロピルアセチル尿素、どちらかが入っているものは今後は服用しないよう告げられた。
「もし飲んでしまったら、まぁ1回倒れてるなら感覚がわかると思うから。意識があるうちに救急車を呼んでね」
「救急車、呼んでもいいんですか?」 この期に及んでまだ気が引けている。
「一人暮らしだったら呼ばないと最悪そのまま死ぬよ?躊躇せず呼んでいいよ!」

 死ぬの?!

 じゃあもしもの時はすぐ呼ぶよ!!
  用量・用法を守って飲んでいた薬でも急に飲めなくなることがあります。前日の昼までは本当に何もなかったんだよ!
 イブプロフェンとは高校生のときからの付き合いだから、15年は使っていたのにな。飲んだ後、おかしいな?と思ったら油断せずにすぐに病院へかかりましょう。
  思った以上に遅れて症状が出ることもあります。
 薬の箱の中の添付文書は捨てないで…せめて箱だけでも取っておいて有事の際は持っていってくださいね。
  以上、よくある頭痛薬を飲んだら救急搬送されたお話でした。
 
 そんなわたしは今、ドラッグストアで登録販売者として働いている。人体の構造もこの資格試験のために勉強していたので、あのときなぜか走馬灯のごとくよぎった。
 喘息、食物・医薬品・化学物質アレルギーとアレルギーの申し子のようになってきたけれど、仕事上では大変に役立っていて複雑な心境。
 

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