Anjelik

欲に正直に貪欲に生きた20代。その頃にオーストラリアで出会ったスロバキア人と結婚。 東…

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欲に正直に貪欲に生きた20代。その頃にオーストラリアで出会ったスロバキア人と結婚。 東欧在住10年目のアラフォー女。 ロードバイクが趣味の子なし夫婦。 某IT企業でリストラされ現在無職を満喫中。 2023年に虹の橋を渡った愛猫との記録が中心です。

最近の記事

いつも一緒だから大丈夫

フリスコは元飼主の義妹から聞いていた通り、極度の怖がりだった。 そんなフリスコに私は毎日何度も「いつも一緒だから大丈夫」と伝え続けた。 家の玄関から一歩出てマンション内でお散歩の練習をしていた頃も、一歩出ては振り返り、心配そうに私の顔をチラ見する度に「一緒だよ、大丈夫」と励ましてきた。 フリスコが亡くなる時、隣で「一緒にいるよ大丈夫」と声をかけると表情がすーっと軽くなったような気がした。 穏やかな表情で眠るような最期だった。 「いつも一緒だから大丈夫」が伝わってくれて

    • 猫と引越し

      私たちはスロバキアの首都から南へ40キロ離れた小さな町に住んでいた。 近くに住む義父は獣医なのでフリスコは本当にお世話になった。 よく家まで来てもらって、注射を打ってもらった。 ただ小さな町の病院なので、設備が整っていないこと、猫に関する知識がないこと(義父は家畜専門)と不安要素があり、フリスコの体調が落ち着いてきた2年目に首都へ引越しをした。 引越し準備のストレスでフリスコは右手を舐めすぎて毛が一部なくなってしまった。 新しい家に着いた日は、ケージから8時間出て来ず

      • 猫が失踪!?

        フリスコが我が家に来て間もない頃、心臓が一瞬止まる出来事があった。 その日は秋晴れで暖かく、フリスコはお気に入りのバルコニーで過ごしていた。 私と夫は室内で仕事をしていた。 フリスコの様子を見に行くと、いつもの椅子の上にいない。どこにもいない。 ここは5階。まさか。 落ちたのでは、と意識が飛びそうになった。 あたふたしていると、右側から視線を感じた。 お隣さんのバルコニーからフリスコが私をじっと見ていた。 生きていたことに安堵したのも束の間、どうしよう。 こ

        • 猫は時間がわかる?

          フリスコは夏は外が明るくなる朝4:30に起床し、小さくみゃっと鳴き申し訳なさそうに私を起こしにくる。 無視すると力強い頭突きと布団をカリカリして起こしにかかる。 欲しいのはウェットフードの液体。 その後、また眠りにつきアラームがなる6:30に飛んでくる。 寝ている私の胸の上に座り、苦しくなって起きるまで私の顔を見学。 在宅の私が仕事を終えるのは17:00。 17:00になるとムクっと起き上がり、デスク回りを歩きスリスリしてきて圧をかけてくる。 残業の日は大きな声で抗

        いつも一緒だから大丈夫

          人間の食べ物に興味のない猫

          フリスコは人間の食べ物に興味がなかったが、私たち夫婦が食事をしていると一緒に隣で食事をしたがった。 あんなにご飯を用意しろと催促するのに実際にはあまり食べず、同じ空間で「食べる」という同じ行動をし満足しているようだった。 唯一フリスコがキッチンテーブルに上がり、興味津々に匂いを嗅ぐものがあった。 たまごボーロを一回り大きくしたような子供用お菓子。  スロバキアでは大人もよく食べていて、ケーキに使ったりもする。 ボーロを食べることはせず、匂いをひたすら嗅いで舐めて楽し

          人間の食べ物に興味のない猫

          犬と猫と不思議なつながり

          最近見つけた私の幼稚園アルバムには将来の夢は「ペットショップ屋さんになること」と書かれていた。 幼稚園で仲の良かった子の家が動物病院で3匹の大きな犬が家にいて衝撃的だったのを覚えているが、ペットショップ屋になりたいと思うほど、動物たちと触れていないのだが。 記憶にないだけか。 小学校の通学路では、秋田犬に吠えられるのが怖くて遠回りをして帰宅していた。 近所に良い香りがするポメラニアンを飼っている女性がいてよく学校帰りにさわらせてもらいに行っていた。 小学生の頃、私は同

          犬と猫と不思議なつながり

          猫と鼻血

          フリスコを預かってから1年くらいは週の半分は病院通いだった。 嘔吐や下痢、食欲不振が主な症状で何を試してもなかなか改善されなかった。 ある日フリスコがくしゃみをする姿を見た。 猫も人間のようにくしゃみをするのかと、のんびり観察していた。 それから数日後の朝、フローリング掃除をしているとフリスコがバルコニーから室内へ戻って来て、私の隣でくしゃみをした。 掃除用の白いバケツに赤い液体が飛んだ。 私は驚いてフリスコを見ると、顔まわりが血で赤くなっていた。 私はパニックで

          猫と鼻血

          愛猫がいなくなった今

          フリスコが亡くなってから6ヶ月経つのだが、フリスコの物であふれた家にフリスコがいないことが寂しい。 フリスコを撫でるためにあった自分の手を見ると寂しさが溢れる。 夜、目が覚めると隣でいつも寝ていたフリスコがいなくて、フリスコが愛用していたブランケットをつい撫でてしまう。 フリスコを想うといまだ涙が止まらないが、幸せな3年間だったと心が温かくなる。 フリスコの思い出話をする相手がいてよかった。 ちなみにフリスコからあまり好かれていなかった夫は私よりも盛大に泣く

          愛猫がいなくなった今

          猫の魔力

          フリスコが我が家の子になってから、我が家から消えたものがたくさんある。 何でもクンクン匂いを嗅ごうとするフリスコに危険な物はすべて捨てた。 • お花 私は毎週土曜マーケットでお花を買うのが大好きだったが、買うのをやめた。 • プランター バルコニーで花やハーブを育てるのが趣味だったが、やめた。 • キャンドル 毎晩、電気代わりに使用していたが全部捨てた。 • ルームフレグランス お気に入りのリラックスできる香りだったが迷わず捨てた。 • 毛皮の椅子かけ 毛皮をかじ

          猫の魔力

          あの頃のこと

          コロナが猛威を奮っていた頃、他のヨーロッパ諸国と同様にスロバキアでも一時、外出禁止を余儀なくされた。 食料品店以外は営業停止、スーパーも入店できる人数、時間が限られていた。 義親の知り合いが何人も亡くなり、私がお世話になっていた内科の先生も亡くなった。 義父は獣医なのだが、隣町に住む獣医仲間は皆亡くなった。まだ若かったのに。 あの頃、動物病院は営業を停止するかどうかは、医師の判断に任されていた。 義父は義母の反対を押し切って営業を続行した。 どこの動物病院も閉まり始

          あの頃のこと

          猫のヒゲ

          フリスコが我が家に来た時、ストレスで毛並みが悪く、肩の一部が円形脱毛症のようになっていた。 長いヒゲも統一感がなく枝毛ばかりだった。 この枝毛が一層フリスコをなんとかしてあげたいという気持ちを強くさせた。 毛並みは3ヶ月くらい経った頃には、すっかりフワフワになっていた。 ヒゲがまっすぐになり枝毛がなくなったのは、1年以上あとのこと。 よくヒゲも床に落ちていてドキッとした。 ヒゲがキレイに整ったフリスコの顔を見て、やっとここまで来たかと感慨深く、涙したあの日を思い出す

          猫のヒゲ

          猫の爪

          フリスコが我が家に来て1ヶ月経ったある日、床に小さな白い何かが落ちていた。 拾って観察してみると、爪っぽい。 フリスコの爪がまるまる剥がれ落ちていた😱 これは大変だ😱 流血しているに違いない😱 慌ててフリスコの爪を確認するも、負傷していない。ご機嫌で爪とぎをしていた。 どういうこと? ネットを読み漁って、問題ないことが分かったが、爪切りをする必要があることを知った。 爪切り。。。 どこをどのくらいどう切るべきなのだろうか。 爪切りを購入し、Youtubeを

          フリスコとバスマット

          私は視力が悪い。 コンタクトレンズがないと視界がぼやけて、外を歩くことはできない。 ある晩、お風呂あがりにストレッチをしていると、何やら白い大きめの物体がさっとバスルーム前を横切った。 夫が隣で爆笑していた。 フリスコの爪に白いバスマットがひっかかり、パニックのフリスコがマットと一緒に走っていたようだ。 救出に向かうと、すでに落ち着きを取り戻し、何もなかったかのような顔をしていた。 翌日、バスマットを爪がひっかからない素材のものに買い替えた。 今でもバスマットを

          フリスコとバスマット

          猫のため息

          フリスコがため息をついたことが一度ある。 その日は会議が続き、フリスコにあまり構えなかった。 頭突きを何度もして甘えてくるフリスコを少し撫でることしかできなかった。 会議が終わり、ヘッドホンを外すとすぐフリスコが怒った口調で話かけてきた。 しばらくたっても口調が怒っていたので、そんな嫌な話しかけ方したら、そのうち誰も聞く耳をもってくれなくなるよ。 と言ったら、 深いため息をついて去っていった。 猫もため息をつくことに驚いた。 ちなみにフリスコはヘッドホンを外す行為

          猫のため息

          猫が与えてくれたもの

          小さな何もない町に飽き、近くに住む義家族ともうまくいかなくなり、首都への引越しを決めた直後にコロナで外出禁止令。 引越し計画は消えた。 その後、コロナで2020年3月から私も夫も完全在宅勤務になった。 1LDKで2人在宅勤務は息がつまることが多々あり、8月に私は1週間家出をした。 毎日イライラしていた。 そんな時、9月に天使がやってきた。 私の意識は100%フリスコへ。 11月に夫が解雇。 アメリカのIT企業は容赦なく人員削減していく。 夫はひどく落ち込んでいたが

          猫が与えてくれたもの

          散歩が好きな猫

          5階建てのマンションの5階に住んでいたのだが、同じフロアには3世帯のみでみんなフリスコのことを知っていた。 私たちとの生活に慣れてきた頃、極度の怖がりなフリスコに少し外の世界を見せたくて、玄関のドアを開けてみた。 玄関から外を不思議そうに見るだけで、外に出る気配は一向になかったが毎日続けた。 ドアを開けるように催促するようになったので、興味はあるのだろうが出る気配はない。 1ヶ月ほど経った頃、玄関からゆっくり一歩出た。 尻尾は下がり、腰を低くし1メートル程歩き急いで

          散歩が好きな猫