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気づいたらデンマークに来ていた(ほぼ自己紹介)

今私はデンマークにいる。
だが、つい『1年前の写真』を見ると、10年間務めた会社に通い、何年も住んだマンションでご飯を作る今はもうない日常を送っていた私がいる。
1年でこんなにも自分の意思で生活が変わることは人生で一度もない。

まさか自分が、デンマークに留学に来るなんて、つい数年前まで全く思ってもいなかった。
色んな人生の出会いは、その時は気づかないくらい静かにやってくるものなのなのだと改めて実感する。

私がデンマークについて知ったのは『ニールセン北村さん』というデンマークに住む女性が、地元でデンマークのリアルについて話す会があるということで、友達に誘われるという軽いノリで仕事終わりに参加した時だった。

その時私は、地域のクライアントさん向けに商業施設や住宅の設計などの仕事をしていて、海外とは全く関係がなく、『デンマークって確か北欧の国だったよな〜』『インテリア有名で好きだな〜』くらいの認識だった。

そんな私はニールセン北村さんの話を聞き、大きな衝撃を受けることになった。

『同じ人間という生物なのに、こんなにも生活が違うなんて』

話しを聞き終わった後の正直な感想はこれだ。
日常の些細なことは忘れやすい私だが、今がでもこの話を聞いている時の感情は覚えている。

・デンマーク人の会社からの帰宅時間は15、6時頃
・国の法律で有給は5.6週間は取るようにと決められている
(そして実際にみんな取っている)
・公立なら大学まで無償で行ける
(むしろ補助でお金がもらえる)
・フォルケホイスコーレという民主主義を育てるための学校があり、それに政府がお金を補助している

など、
正直それを聞いた時、『そんな、またまた〜有給なんて口だけで、結局取れないんでしょ』と、にわかに信じられず頭の中でつっこんだりしたが、目の前にいるニールセンさんは、実際にデンマーク人は有給をちゃんと取っていると話している。どうやら本当らしい。

当時の私の働き方は、
・帰宅時間21時以降が当たり前
・週末も仕事をしている時もある
・有給は取ったことがない
・上司はみんな男性
という職場環境だった。

その環境しか知らない私が、有給を5.6週間も取っていて、15時頃という小学生みたいな帰宅時間に帰って、しかも日本より生産性が高い国があるということは、『こういう国は存在します!』と言われても、実際にイメージするのがかなり難しかった。私の脳みそは混乱していた。

そして、強く、
『なぜその〝違い〟が発生するのか、その違いを発生させている〝根幹の考え方〟や〝環境〟を知りたい』
そう思ったのだった。

特に私が色んな話を聞く中で興味を持ったのが『フォルケホイスコーレ』というデンマークをはじめとする主に北欧にある特殊な教育機関のことだった。
このNOTEでも色んな方がこの教育機関についての記事をあげているが、ざっくり私の認識で言うと

〝かつてデンマーク人が民主主義国家を作っていこうと考えた際、デンマークの国民一人一人が健全で活発な話あいができるような知識を持つことが
、民主主義国家には必要だよね。〟ということで、まずは国民一人一人に教育を!という目的で作られたのがフォルケホイスコーレという学校らしい。

健全な民主主義国家の運営に当たり、国民の考える力や、民主主義とはどういったものかや、その他色んな知識を得る学校を作ろうという発想が素敵だし、それが実際に存在しているということも尊いし、その学校の運営のために国民の税金が使われているという事実がすごいなと感じた。

他の多くの国にはない、この特殊な教育機関があるということは、色んな人たちが〝思い〟を持って行動した証だし、政府が補助している(税金が使われている)ということは、ある一定数の国民の意見として賛成されているという事実がある。

このデンマークという国は
『他の国とは違う仕組みがたくさんある』
他の国とは違うということは
『自分達の考えで、話し合い、作り出し、選んでいる』
ということを想像した。

だからこそ、強くその根幹にあるものは何かについて、現地で、話を聞いて、生活して見て、知りたいと思った。

そうして、その私の〝好奇心〟は、私を今デンマークに滞在させている。
私はデンマークのデザインを学ぶためのフォルケホイスコーレにいる。

ここに来るまで新卒から働いていた会社はとても仕事が楽しく、同僚にも恵まれていたため、まさか自分が本当にデンマークに来るとは思ってもみなかったが、色んな思いがありフォルケに行くことを決めた。
(この経緯についてはまた別の記事で触れたいと考えている)

今ちょうどデンマークに滞在して3ヶ月が経とうとしているが、〝心から来て良かった〟と感じている私がいる。
ここに来るに当たって失ったものはとても大きく、毎日3歳児のような何もできない時に涙涙の生活をしているが、それ以上にこの滞在を通して色んな方に話を聞き、意見を交換し、その人たちから紡ぎ出される言葉たちが本当に素敵で、胸の奥からジーンと考えさせられるものばかりだ。

日々の中で色んな気付きや感動が散らばっている。
(それもあって、SNSが苦手な私がこのNOTEを始めたのもある。)

現在はデンマークで
・風呂敷のワークショップをデンマークで開催したり(急に登場)
日本の伝統的なサスティナブルな発想が好きではじめた活動
・建築の仕事に関係するインタビューや自宅の取材などをさせてもらっている

その他の活動についても今後このNOTEで自分の頭の中の整理としてもまとめていきたいと思っている。

そして、いつか私をここにくるきっかけをくれたニールセンさんにもお会いする機会を得ることができたら最高にラッキーだなと思っている。(神様・・!)

以上、現状の報告のようなほぼ自己紹介のようなnoteでした。
どうかあたたかく見守って頂けると嬉しいです。






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