見出し画像

【021】そうだ、新潟の越後妻有里山現代美術館MonETに行こう【たさか】

新潟まで、現代アート美術館、トンネルに行ったよ

車がないとなかなか気軽に行けない新潟まで、誘ってくれてありがとうしちみ氏!
とても貴重で楽しい経験でした。

まず初めに向かったのは、越後妻有里山現代美術館 MonET

画像1

外観は四角く、建物全体はコンクリート打ち放しの壁。
真ん中には、正方形の池があり、階段とコンクリートの柱で囲まれています。
この池をぐるっと回り、階段を少し下ってみたり。
どこかギリシャの神殿遺跡のような“荘厳さ“を感じます。
直線の柱、美しい形である正方形の池のせいでしょうか。
しかし、柱で囲まれた四角い池の上空には屋根などはなく、青空が広がり開放感がありました。
最初は池について、四角いなぁという感想しかなかったのですが、美術館二階からみると……

画像2

水面に鏡写しのように建物が写っている、ように見えますね?
池の底に、錯覚を用いた“建物が鏡写しになっている”ように見える絵が描かれていたのです。
すご! とても面白いなと思いました。
あたかも、波一つ立たず、透明な水で。
そこには、静かな美術館の建築が映し出されていました。

少し視線を上に向けると、ガラス張りの二階スペースが見えます。
外から少し、展示されている美術品が見えたり、カフェスペースのような場所も。

早速中に入ってみます(大人1000円)。
今回は二つ、作品を紹介できたらと思います。

受付すぐ横、天井から吊るされた作品が美術館に入る前から存在感を放ちます。

画像3

〔ゴースト・サテライト〕
ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー

最初見たときは、宙に浮いていることもあり、飛行機か何か空にあるものだと思いました。
羽だと思わしきものが付いていましたし。
一つ一つが、廃材で作られていることは一目見て分かりましたし、どれも特徴的でこれは何が使われているんだろうかと、見入ってしまいました。

画像4

画像5

『ゴースト・サテライト』の名の通り、この作品群のそれぞれは、“人工衛星”です。

越後妻有を日本の中心から遠く離れて存在する衛生のようだ、と感じた作家。その存在感や力強さを表そうと、越後妻有滞在中に集めたものを織り交ぜ、現地で取材した際に得た雪国での生活の知恵や伝承されたお話、怪談、空家や廃校の様子、打ち捨てられる道具類などから想をえて、美術館のエントランス吹き抜け空間を構成。来場者は寝座りして作品鑑賞ができる。

(ECHIGO-TSUMARI ARTFIELD  作品紹介ページより引用)


東京と越後妻有、地球と人工衛星

「地域の新しい可能性」どこにでもある汎用の言葉だと思います。
永遠の課題、人口が減少し地方はどんどん小さくなっていくのでしょうか、いつかぽッと消えてしまうんじゃないか、と自分の地元である小さな町にも思いを馳せます。


長野県大町で開催されている北アルプス芸術祭を見に行った時もそうでしたが、「地域」に対する、切実な思い、願い、愛着が作品から感じられるような気がしました。


続いて、

画像6

(なぜこのアングルしか撮らなかったのか。正面が分かりにくい作品でしたが、もしかしたらどこからでも見ることができる作品だったのかも?)

〔エアリエル〕
 ニコラ・ダロ


ニコラ・ダロの作品は、実は大町北アルプス国際芸術祭にもありました。

シェイクスピアの戯曲「テンペスト」に登場する“エアリエル(嵐を起こしたり幻覚を見せたりする大気の精)”などからインスピレーションを受け制作。パラシュート布で作られた2つの吊り人形が機械仕掛けで動き、台座の上のドラムセクションがリズムを奏でる。エアー・アクチュエータが空気を送り気まぐれな風が吹くことで、予想もしない情景が目の前に広がる。

(ECHIGO-TSUMARI ARTFIELD  作品紹介ページより引用)


写真奥に見える、空気を操作するピストン部分から「プシュー」と音が聞こえ、それも作品の一部です。

動いている様子は下の動画から。

布によって空気と風の動きが可視化されるようになります。

そこにいるのは、確かに空気のはずですが、どこか人間じみた動きをしているようにも感じます。横に揺れたり、ぐるんと振り向くような動きをしたり。

実際にその場で間近で見ると、圧倒的に「そこになにかいる」ような、見えないものが見えるという違和感と若干の恐怖で、エアリエルにくぎ付けになってしまいます。

それは、作品に付随する「音」の仕掛けも影響しているそうです。詳しくは、エアリエルを作ったニコラ・ダロへのインタビュー動画をご覧ください。

私が言葉で再解釈するには、あまりにも足りていないような気がするので……



美術館の後には、もうひとつアートを見に行ったのですが、それはまた別の機会に書けたらと思います。


文章で見る、写真で見る、映像で見る、

よりも圧倒的に、やはり自分の目で耳で体で感じるほうが、アートの存在と作品が周囲に与える影響、逆に作品に与えられた影響を知ることができるのだ、と改めて考えた日でした。

たさか

2021/10/28


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?