あさぎはな

だいがくいんせい(はくし、けいざいがく)。 些細な日常や気づいたことを、1%のフィクシ…

あさぎはな

だいがくいんせい(はくし、けいざいがく)。 些細な日常や気づいたことを、1%のフィクションとともに記しています。ほっこりのおすそわけを中心に、恋人のお話や大学院のこと、研究のことについても。

マガジン

  • 【ネタバレなし】『映画 すみっコぐらし』感想まとめ

    『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の感想まとめです。ネタバレ一切なしのものを集めています。選定基準は、マガジン一番上のノートを参照ください。

  • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー

  • 母とのこと

  • 大学院での日々

    大学院(博士課程)での日々について書いた記事をまとめています。

  • これから大学院に進学する方々へ

    これから大学院に来る人・研究者を目指す人、あるいは大学院に興味を持っている人に向けて。もしかしたら役立つかもしれない、私の研究生活にまつわる記事のまとめです。すでに大学院生となった方にも。

最近の記事

  • 固定された記事

何か私にできることはあるかい

すみません、メンタルやられてしまったみたいです。作業は全然進んでいないのですが、明日、相談にのっていただけますか。 2、3週間に一度の面談を前日に、私は指導教官にこうメールを送った。 もし都合がよければ、明日ではなく、今から研究室にきませんか。 返ってきたメールを見て、すぐに私は出かける支度をはじめた。 *** 作業を全部やめて、休みはじめて1週間以上になる。けれど、まだ指導教官にはそのことを言えていなかった。 1週間程度である程度は良くなると思っていた。実際、か

    • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー(中)

      1型糖尿病になりたての頃の記録を記しています。(上)はこちら。以下、注射の話が主です。画像はないですが、苦手な方は読むのを控えてくださいね。 はじめてのインスリン注射「ひえええええ」間抜けな声が、病院の一室に響いた。 「彼氏さん、注射苦手ですか?」「はい、ものすごく」 本人に代わって私が答える。問うてきた看護師さんは「女の子は血を見慣れてるせいか、男の子の方が案外こういうのダメなのよ」なんて言って、明るくふふふっと笑った。 「なんで注射するの私なのに、あんたが変な声出

      • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー(上)

        突然の、異常なほどの喉の渇き引っ越し作業でドタバタだった昨年10月。 なんだか、やたらに喉が渇いていた。 気のせいかな、と思うも、日に日に渇きは強くなっていき、アホみたいに水を飲んでいた。 飲み物を少しでも我慢しようものなら、喉が張り付くように乾燥して、唾すら飲み込めない。1日に飲む水の量は3倍にも膨れ上がった。 飲めば飲むほど、トイレも近くなる。2時間に一度はトイレに行きたくなり、夜中もトイレに起きるようにもなった。 飲んで、出して、また飲んでーー「なんだか、排水

        • 今年のウミは、今年のうちに。ということで、これまでなかなか筆が進まなかったのに、ばばばっと書いて駆け込みで投稿しました。 ギリギリすぎて、いまもう新年です。ハッピーニューイヤー!良い年でありますように☺️

        • 固定された記事

        何か私にできることはあるかい

        • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー(中)

        • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー(上)

        • 今年のウミは、今年のうちに。ということで、これまでなかなか筆が進まなかったのに、ばばばっと書いて駆け込みで投稿しました。 ギリギリすぎて、いまもう新年です。ハッピーニューイヤー!良い年でありますように☺️

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        • 【ネタバレなし】『映画 すみっコぐらし』感想まとめ
          37本
        • チーズ、アーモンド、ときどき寒天ゼリー
          2本
        • 母とのこと
          6本
        • これから大学院に進学する方々へ
          26本
        • 大学院での日々
          95本
        • 適切な声を、広く世の中に届けるために
          4本

        記事

          家族と向き合う(下):私は私の道を

          「家族と向き合う(上):”新しい家族を作る”ことしか、考えてこなかった」「家族と向き合う(中):"普通"に縛られていた母」の続きです。 「年明けにでも、恋人と一緒に住もうかって話が出てるんだ。だから今度、紹介するね」 そう母に言ったときの私は、能天気だった。 ”普通の”親子関係に近づけたと思っていた。恋人とのことも、「いい人ができてよかった」なんて笑って嬉しがってくれて、順調にいくものだと思っていた。 だから、私の言葉を受けて少し曇った母の顔を、あまり気にとめなかった

          家族と向き合う(下):私は私の道を

          今日は呑み書きの日。ドタバタにつき、水片手につぶやきでこっそり参加(いいのか!?) 生活において一番悲しい瞬間。 それは間違いなく、残りわずかの歯磨き粉がパフっと出て、勢いそのまま洗面台にポトリと落ちたとき。 はい、さっきやりました。その後捻り出すのに一苦労でした…(何の話)

          今日は呑み書きの日。ドタバタにつき、水片手につぶやきでこっそり参加(いいのか!?) 生活において一番悲しい瞬間。 それは間違いなく、残りわずかの歯磨き粉がパフっと出て、勢いそのまま洗面台にポトリと落ちたとき。 はい、さっきやりました。その後捻り出すのに一苦労でした…(何の話)

          家族と向き合う(中):”普通”に縛られていた母

          「家族と向き合う(上):”新しい家族を作る”ことしか、考えてこなかった」の続きです。 2年ぶりに聞く母の声からは、一生懸命なカラ元気さが漏れていた。 「どうしたの、何かあった?」 家出同然状態の我が子に対して、どんな声を出していいのかわからないのだろう。それは私の方も同じだった。 「何もないけど、そろそろ向き合わないとかなって」 ベッドに腰かけて、耳にあてたスマホをかたく握りながら、どこからどう話をしたらいいのか、考えていた。 * 母は、2年前とは打って変わって

          家族と向き合う(中):”普通”に縛られていた母

          家族と向き合う(上):”新しい家族を作る”ことしか、考えてこなかった

          「一緒に暮らそうか」 少し前、恋人と、そんな話になった。日々の暮らしにかかるお金の計算も、引越しにまつわる費用も調べあげ、お互いの収入と貯金とにらめっこした結果、意外とお互いのいまの生活水準を保ったまま、二人で暮らしていけそうだとわかった。 貯金もガッポリできそうだし、彼と私の得意な家事が見事に分かれているために、家事負担は今より減りそう。希望する家賃水準で、そこそこいいお家もわりとある。 いいこと尽くめ、なんだけれど、ひとつ大きな壁があった。私と、私の母との関係だ。大

          家族と向き合う(上):”新しい家族を作る”ことしか、考えてこなかった

          博士課程に進学した理由を、改めて考えてみて

          「あさぎさんは、どうして博士課程に進学したんですか」 最近、学部生や修士生と話をする機会がたまたま続けてあって、こんなことをよく聞かれるようになった。博士課程に入りたての頃はあまり聞かれなかったので、3年目になったいまの私からすると、ちょっと”今さら”な感じだ。 はじめて聞かれたときは、正直、うまく答えられなかった。 「あれ、そういえばなんでだっけな」 なんて素で言ってしまって、相手の後輩を笑わせた。 その場では正直、なんと答えたか思い出せない。 後輩とのzoomを

          博士課程に進学した理由を、改めて考えてみて

          #雨

          窓の外から、しとしとと音がする。 長すぎる今年の梅雨が明けるのはもうしばらく先のことだった。そんなことはまだ知らず、変わりやすい天気予報の晴れマークを見てはぬか喜びを繰り返していた。せっかくの4連休だというのに、やっぱりあいにくの空模様だ。 「今日は家で過ごそう」 わかりやすくガックリと肩を落とす、お散歩好きの彼。 遠出をするつもりなんて元からなかったけれど、「一切どこにも行かない」の選択肢は彼の頭の中にはなかったらしい。彼はむくれた顔のままスマホアプリで雨雲レーダーを

          人に妬まれる彼は、”妬み”を知らない

          人が何時間も何十時間も頑張ってきたことを、ほんの数分でひょいとこなす。 私の恋人は、そんな人だ。ものすごく器用で、要領が良い。 大学受験の時は、それまで部活に夢中になって勉強なんてしてこなかったのに、高3の夏休みに一念発起して勉強し、3年間コツコツ頑張ってきた女の子をひょいと抜かして、大いに妬まれたそう。 「なんで妬まれなきゃいけないのさ」 彼は不思議な顔で言うけれど、そりゃあ、そうだ。私がその子だったら、すんごいむかつくし、妬ましくも恨めしくも羨ましくもなるし、自分

          人に妬まれる彼は、”妬み”を知らない

          「書きたいと思ったが吉日」

          かつて、「猪突猛進な性格」と母に言われていた。 「思い立ったが吉日」を信条とし、ちょっと興味を持ったことはすぐにやってみる。そうして「これ面白い!」となると、ズドドドドとのめり込んでいく。(その結果、ふいに熱がさめて、興味をなくすこともままある) 手当たり次第、なときもあって、もう少しじっくり進めたり検討すべきだったなあと反省することも。そんな反省や失敗を繰り返して、いまの私は、かつての私よりもちょっとだけ、「一度止まってよく考えてみる」や戦略を練ることを覚えた。勢いばか

          「書きたいと思ったが吉日」

          無気力から立ち直る

          4月からの忙しさが、やっとこさ一段落ついた。 6月半ばに「よっしゃ、一段落ついた!」からの「やっぱりついてませんでしたー(絶望)」を乗り越え、7月に入ってようやく落ち着いた日々がやってきた。 気力というガソリンはもうとっくに空っぽ。「あと少し(たぶん)、あと少し(たぶん)」と自分自身を励ましながら、なんとか乗り切った。カッコつきの”たぶん”のせいで、余計にしんどかったぞ。 で、終わったのが7月1日。その翌日の2日から、猛烈な無気力がやってきた。 * なんにもやる気が

          無気力から立ち直る

          相手に説明するときに気をつけたい、”前提”の話

          難しい話を、相手にわかるように口だけで伝えることは難しい。相手によっては察してくれるけれど、中には全然理解してもらえないこともある。 一番わかってくれない、伝わらない相手が、恋人だ。普段の何気ない会話や悩みごとに関しては一番の理解者で、わかってくれることも多いのだけれど。”難しい話”をこちらが説明しようとすると、途端にだめだ。全くもって、分かり合えない。 「結局、なんの話をしているの?」 「もう一回最初から説明して」 何度も何度も繰り返して話して、ようやくわかってくれ

          相手に説明するときに気をつけたい、”前提”の話

          私の推しアイドル・Buono!を紹介させてください #呑みながら書きました

          今日は「呑み書き」の日。 残念ながら、昨日お酒飲んでしまったので、今日はお酒なし。(2日連続で飲むと翌日作業全然できなくなる…) 麦茶で、(研究室から)参加します! * 多忙期間が一段落し、今日はもう休みじゃ!と、研究室の大きなディスプレイでうつしたのは、大好きなアイドルグループ『Buono!』のライブ動画。 期間限定で公式が公開してくれています。 呑み書きだからと、何にも構成とか考えずに書いちゃいます。 とにかく、Buono!最高。ほんと、かわいい。ほんと、み

          私の推しアイドル・Buono!を紹介させてください #呑みながら書きました

          必死にもがくその先に

          何か新しいことを見つけて、それについて記すーー それは、かっこいいお仕事のように見える。実際、他の人の「新しいこと見つけたよ、新しいことわかったよ」の成果に、「かっこいい、すごい」と感嘆のため息をつくことも多い。 いいなあ、私もそんなふうになりたいなあ。 でも、なかなか成果はでない。だから、私はちっともかっこよくなんかない。 * 知識はついた。必要な技術も持ってる。でも、新しいことを見つけることは難しい。新しければなんでもいいのかというとそうじゃなくて、新しくて、よ

          必死にもがくその先に